発達障害という世界の「表」と「裏」

プライベートな相談を受けるときの困難

発達障害に関わる仕事をしていると、この障害について、プライベートな相談を受けることがあります。
自分の子どもが、あるいは親戚が、配偶者が、発達障害の症状にピッタリ当てはまる。ついては、どう対処したらよいか教えてほしい、という相談です。
 
親しい関係にある人が発達障害かもしれないと気付いた人からの相談に応えることには、独特の難しさがあります。
 
今回はこの難しさを紐解きつつ、初めてこの障害と向き合う事になった人が、発達障害の理解をどう深めていけばよいかを考えてみます。

マスメディアの情報には具体性がない

 人びとが発達障害に気付くきっかけは、テレビや雑誌、あるいはインターネットのニュースサイトといったマスメディアの情報であることが多いです。

不特定多数を対象としたこうしたマスメディアの情報には、障害の症状についての大まかな説明はあっても、問題解決に直接役立つほど具体的な情報は含まれていないことがほとんどです。
 
そこで、私のような発達障害者の支援を生業とする人間のところに、具体的な対処法について相談が来るわけです。ところが、それに対し私たち支援の専門家は
 
「ははあ、ADHDですか、ではこうしたら良いでしょう」
 
とか
 
「ふむふむ、それはASDのこだわりの症状ですね。ここに書いたとおりにやってごらんなさい」
 
といった風なわかりやすい「処方箋」を提示することができません。
 
というのも、発達障害者支援の専門性というのは、一人一人異なる本人の発達段階や障害特性と周辺の環境を見極め、そこに合わせた個別の対応を見出すことにあるからです。
 
当人固有の状況に応じた対応を見出すので、障害名だけ言われても、日々の対応に生かせるほどの具体案は導き出せないのです。専門家としては、当人の状況を把握するためのヒアリングが必要になります。

相談に期待されていることと、実際にできることのズレ

しかし、ここで、わかりやすい回答を求める相談者と、個別具体的な状況を把握したい専門家の間で、ディスコミュニケーションが起こりやすくなります。
 
相談者は
 
「◯◯な症状で困っているがどうしたら良いか」
「本人に障害のことを伝えたほうがよいか」
「医者に行ったほうがよいか」
「結局治るのか治らないのか」
 
といったあたりを、はっきりさせたいのですが、
 
 支援者としては、

「(相談者からみて)当人のどういう部分が発達障害なのか」
「それはその人の社会生活にどのような困難を及ぼしているか」
「当人はそのことをどう思っているか」
「相談者は当人にどうあってほしいとおもっているのか」
 
といったあたりをじっくり聞いていきたいですし、それを聞かないと上記の質問にも正しく答えられないのです。
 
相談をする人と相談を受けるの人のこうした行き違いが解消されないまま話が進んでしまうと、片や相談者は「具体的な回答を求めて専門家に相談したのに質問されるばかりでいつまでも答えが得られない」という不満が募りますし、片や専門家は知識のない相談者から性急な回答な求められてイラつくことになり、有意義な相談になりません。

発達障害の世界には「表」と「裏」がある

こうした行き違いを防ぐために、私は相談に入る前にまず「発達障害の世界には『表』と『裏』がある」という話をします。
 
「表」の世界というのは、発達障害に対する社会全体の理解と支援を勝ち取るためにわかりやすくデザインされた世界で、「発達障害のある人は周囲の適切な理解と支援によって充実した人生を送ることができる」というポジティブなメッセージが基調にあります。
 
他方、「裏」の世界というのは、障害当事者の一人ひとり異なる困難を具体的に解決するためにデザインされた世界で、「発達障害と一口に言っても個別性が極めて高く、それをどう理解し支援するかについては、一人一人異なるベストの形を、本人と周囲の人が一緒になって考え実践していくしかない」という現実的なメッセージが基調にあります。
 
「表」の世界は社会全体に向けた一般論の世界、「裏」の世界は当事者に向けた個別具体論の世界をそれぞれ宰領しています。
 
私は相談者に、発達障害の世界にはこの「表」と「裏」二つが存在することを伝えた上で、
 
「今あなたは発達障害の一般論としての『表』の世界を通じて私と繋がりましたが、ここからは具体的な問題解決に向けて『裏』の世界に踏み込む段階です。」

「『裏』の世界では、わかりやすい処方箋はありません。自分の頭で考えて実践しながら、独自のやり方を見出す段階です。私はあなたがたがその世界を歩むお手伝いをすることができます。手始めに、障害があるという相手の方について、詳しく聞かせていただけますか」
 
と持ちかけます。
そうすることで相談者との行き違いが起きることなく、個別具体的な相談にスムーズに移行できます。

専門家こそ、「表」と「裏」の役割を理解すべき

最後に苦言めいたことを。
 
社会全般、不特定多数を対象とした一般論を宰領する「表」の世界と、個別具体的なケースを宰領する「裏」の世界。この二つの世界にはそれぞれの役割があって、どちらも必要なものです。

しかし、発達障害者支援を生業としている人であってすら、そのことを理解できておらず、片方の世界を良しとして、もう片方の世界を低く見て、自ら視野を狭めている人が少なくありません。
 
たとえば、「表」の住人が発する「理解と支援を!」というわかりやすくてポジティブなメッセージは万人の賛同を得やすい一方、個々の問題を解決するだけの具体性には欠ける場合が多いです。そこが個別具体的な問題解決を旨とする「裏」の住人からすると「大衆に媚びへつらうばかりで実効性がない」と見えてしまいがちです。
 
他方、「裏」の世界の住人の、「当事者同士で一つ一つ考えて実行していこう」というメッセージは、その個別具体性の高さゆえ自分たちの仕事を一般化して広く世に訴えることができないため、「表」の世界の住人から「科学的でない」「方法として確立できていない」といった批判を受けがちです。
 
しかし、本当は同じ発達障害という分野で、一般論と個別具体論という異なる領域を扱っているだけなのです。

それなのに、片一方が正しくて片一方が間違っているかのような言説がしばしば聞かれるのは残念なことです。

発達障害(ADHD)の支援団体えじそんくらぶの講座に登壇します

発達障害の一つであるADHDのある人をサポートするNPO法人「えじそんくらぶ」さんが主催する「成人ADHDの理解と支援」という連続講座の第2回に、私が登壇させていただくことになりました。

日時は8月19日(土)19:00~21:30。東京都豊島区の東京藝術劇場で行います。

講座の表題は「ゲームを通して自分を客観的に見る力をつけよう」です。自分は他の人からどんなふうにみえているか、いくつかのアナログゲームを実際にプレイしながら体験していただきます。

対象は、

  • 発達障害児(者)の保護者、支援者
  • パステルゾーンの方(発達障害の診断は受けていないけれど、その特性がいくつかあり、日常生活でいきづらさを感じている方)

なお、当事者で通院されている方はご相談くださいとのことです。

アナログゲーム療育を一般の方に体験していただく初めての機会ですので、ご都合が会えばぜひお越しください。

会の詳細と申込はえじそんくらぶのサイトからお願いします。

 

 

傾聴する/辛い出来事を告白する 「アンゲーム」

ゲームではないゲーム

今回ご紹介する「アンゲーム」は、一人ずつ順番にカードをめくり、そこに書かれた質問に答えていくというゲームです。

英語で書くと”ungame”、つまり「ゲームではない」という意味です。その名の通り、ルールはあるものの勝敗や順位はなく、ゲームというよりはコミュニケーションツールに近いかもしれません。

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質問の内容は「お休みの日は何をしていますか?」といった気軽なものから、「友達とケンカしたときにどんな気持ちになりますか?」といったように、感情を深く掘り下げるものまであります。

なお、「アンゲーム」には今回ご紹介する「子ども向け」以外に、「ティーン向け」「全年齢向け」があり、それぞれ質問の内容が違います。プレイする人の年齢対象にあったものを選ぶとよいでしょう。

「子ども向け」は、5~12歳向けとありますが、私がお子さんたちにプレイしてもらった経験では、実際の対象年齢はもっと高く、8歳~18歳程度ではないかと思います。(「アンゲーム」はアメリカ生まれのゲームですから、日米の文化の差がこうしたズレを生み出しているのかもしれません。)

 

 

傾聴することを学ぶ

「アンゲーム」では、一人ずつカードをめくってそこに書かれたお題に答えていくのですが、そのとき、他の話をせず相手の話を傾聴することが求められます

傾聴するというルールがあることによって、話をするお子さんは、自分の話をじっくり聴いてもらえたという経験ができます。その経験は、次に自分が話を聴く番になったとき、相手の話を聴けることに繋がっていきます。

そうは言っても、発達障害のあるお子さんたちは相手の話にじっと耳を傾けるのは苦手な場合が多く、つい質問を投げかけたり意見を挟んでしまいがちです。幸いなことに「アンゲーム」には「質問・コメントカード」が一定数含まれており、このカードを引いた時は他の人の話に質問したり、自分の感想を述べることができます。そのため子どもたちは退屈せずに取組むことができるのです。

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子どもたちの親密度によって質問をレベル分けする

「アンゲーム」の質問カードはパート1とパート2に分かれており、パート1は気軽に答えられる質問、パート2は深刻な感情や価値観に関わる内容が含まれています。

傾聴のトレーニングとして使う場合は、一人の話が長くなったり、深刻になりすぎないよう、原則として、パート1のみを使います。

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「仲良しの友達のことを教えてください。」「びっくりする時って、どんなとき?」など、気軽な質問が多いパート1。

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「あなたは、悲しいときどうしますか」「自分がどんな性格だとおもいますか」など、感情や自己認知に踏み込む質問が多いパート2。導入は慎重に。

 

パート2の導入は慎重に

パート2は、過去の辛い出来事やネガティブな感情を呼び起こす質問を含むため、お子さんへの適用は慎重になるべきだと考えています。

具体的には、以下の二つの条件が揃っている場合のみ、パート2を使います。

  1. 指導者に心理カウンセリングの経験・知識がある
  2. 参加する子どもたちの間に信頼関係が確立されている

発達障害のあるお子さんの多くは、学校などで過去に辛い経験をしている場合が多いのですが、「アンゲーム」パート2には、「友だちから無視されたら、どんな気分になると思う?」など、辛い経験に直接触れる質問が含まれます。そのため、お子さんが質問に答えている感情がコントロールできなくなり、取り乱してしまうことがあります。

そのようなときは、別室に移動させてお子さんの気持ちが落ち着くのを待ちますが、このとき指導者にカウンセリングの経験がないと、取り乱した子と、その姿を見たほかの子の双方に対して、適切なフォローをすることができません。

別のゲームで信頼関係を作っておく

またパート2の導入にあたっては、参加する子どもたちの間に信頼関係を作っておくことも欠かせません。それがないと、お子さんが苦しい思いを勇気を出して告白したとき、他の子がきちんと聴いていなかったり、茶化すような発言をすることがあり、話したお子さんをさらに傷つけることになりかねないからです。

お子さん同士の信頼関係を作るためには、予め「アンゲーム」パート1を使い、気軽な質問でお互いの理解を深めるのが良いでしょう。

しかし、同じゲームばかりで飽きられてしまう可能性があるので、以前紹介した「かたろーぐ」のように、別のゲームでお互いの関係を深められるとなおベターです。

ランキングのお題は自由に設定できる。パッケージには見本として「食べもの」「おしごと」「おもちゃ」「たのしいこと」をまとめたシートが付属するので、まずはこれを使って遊んでみるとよい。

相手の好きなものを当てっこする「かたろーぐ」。このゲームで子ども同士の関係を深めてから、深い話し合いへと繋げていく。

「辛い出来事を聴いてもらえた」という経験は一生モノ

「アンゲーム」パート2の導入には慎重になるべきなのですが、それでも上で述べた条件が揃えば、ぜひチャレンジしていただきたいゲームです。

なぜなら、「アンゲーム」パート2では、「自分がそれまで言えなかった辛い出来事や思いを、他の子たちに聴いてもらえた」という他に代えがたい経験ができるからです。

大人が子どもの苦しい思いを聴いてあげられる機会は他にもあるでしょうが、そこにはどうしても大人対子どもの上下関係が含まれてしまいます。

それだけに、過去に辛い出来事を経験したお子さんにとっては「対等の立場である他の子どもたちに勇気を持って自分の苦しい気持ちを告白したら、受け入れてもらえた」という経験は、一生モノの価値があります。

こうした経験があれば、お子さんが成人してから自分だけで解決できない悩みに直面したとき、他の人に打ち明けること勇気を持つことができるでしょう。

 

(ゲームを購入される際は本ページのリンクから購入していただけると、新しいゲームを購入する際の助けとなります。ご協力よろしくお願いします!)

相手を理解する 「かたろーぐ」

相手への理解を深めるゲーム

今回ご紹介する「かたろーぐ」は、身の回りにあるカタログを使って「好きなものランキング」を作成し、それを他に人に当ててもらうというゲームで、子どもたちがお互いへの理解を深めるのに最適です。

こうしたゲームを療育に導入すると、子ども同士の関係性が深まり、和やかで居心地のよい空間が生まれます。

購入先:すごろくや http://sgrk.blog53.fc2.com/?no=3186

ランキングのお題は自由に設定できる。パッケージには見本として「食べもの」「おしごと」「おもちゃ」「たのしいこと」をまとめたシートが付属するので、まずはこれを使って遊んでみるとよい。

「かたろーぐ」は身のまわりにあるものカタログなどを使ってランキングを作るゲーム。パッケージには見本として「食べもの」「おしごと」「おもちゃ」「たのしいこと」をまとめたシートが付属する。まずはこれを使って遊んでみよう。

「かたろーぐ」には様々な遊び方がありますが、ここでは集団で遊ぶルールを紹介します。

一人のプレイヤーが、カタログの中から7つの品目を選び、石でできたマーカーをおきます。それらの品目を好きな順にランキングした上で、各品目に対応するマークが描かれたカードをランキング順に伏せて並べます。

他のプレイヤーは、1位がどの品目であるかを当てます。当てた人は、きれいなハート型のトークンがもらえます。2位以降も同じやり方を繰り返していき、最後にこのトークンを一番多く集めた人が優勝です。

無限の発展性

「かたろーぐ」では、身の周りにあるものをなんでもランキングにできるため、無限の発展性があります。以下にその例を挙げてみます。

宅配ピザ屋のメニューでかたろーぐ。

宅配ピザ屋のチラシで、どれが一番好きなピザかを当てる。外食したときはお店のメニューでやってみるのもよい

手持ちのゲームでかたろーぐ。ゲームをチョイスする際の参考にもなる。

好きなアナログゲームをランキング。指導者にとっては子どもたちの好みを把握するきっかけになる。

タブレットでかたろーぐ。Google画像検索を使えば好きなテーマでプレイできる。

タブレットでGoogle画像検索を使えば、カタログがなくとも好きなテーマでプレイできる。

発達障害のある子の人間関係が拡げるきっかけに

「かたろーぐ」を使うことで、子ども同士が相手の好みを知り、お互いを理解し合うきっかけを作り出すことができます。

たとえば、自閉症のあるお子さんで、他者への関心が薄く、電車や飛行機の図鑑ばかり見ている子がいました。そのお子さんに、「かたろーぐ」をつかって他の子との関係作りを試みたことがあります。

その子(A君とします)が、図鑑を拡げて大好きなジャンボジェットの写真を眺めていました。そこで「A君、ちょっとゲームをしてみよう。この中で一番好きな旅客機から順番にこれ置いてみて」とマーカーを渡しました。

ジャンボジェットというのは、エアバスもボーイングもみんな同じような形をしていて、素人目には目立った違いはないように見えるのですが、A君は躊躇なくマーカーを置いていきます。彼の中にはハッキリとした好みの序列があるのです。

ランキングができあがったところでほかのお子さんを呼びました。呼ばれてきた子どもたちは、A君がランキングしたジャンボジェット機の写真をみて「大体どれも同じにみえるけど・・・」と困惑気味。まずはあてずっぽうで1位を当てさせました。その結果、みんなが予想した最新型の機体はハズレ。Aくんが選んだのは旧型の機体でした。

「この旅客機はどうして一番好きなの?」と聞くと、「搭乗口の形がカッコいいから。」とA君。子どもたちから「うわーそんなところ見るんだ」「言われてみればカッコいいかも・・・」などと感想が漏れました。

2位を当てる際、子どもたちは前回の失敗を教訓に、搭乗口を気にしながらA君の好きそうな機体を選びました。ところがまたもやハズレ。「この旅客機が2番めに好きな理由はなに?」と聞かれたA君、今度は「尾翼がカッコいい。」と答えました。「うわーそっちかー!」とみんな大爆笑でした。

 

「他者理解」のプロセスを構造化できる

「かたろーぐ」を療育ツールとしてみると、「他者を理解する」というプロセスを構造化した点が大変画期的です。

A君のジャンボジェット機に細やかで独特な興味は、そのままでは他の子と共有するのが難しかったでしょう。しかし、「かたろーぐ」という構造化されたゲームを通じて、ほかの子と楽しみながらその価値観を共有することができました。

とはいえ、指導はこれで終わりではありません。「今度はBちゃん、君の好きなプリキュアでかたろーぐやってみようか」と別の子を誘ってみました。今度はA君が他者の好みを当てる番です。

プリキュアは実は歴代で40人以上おり、ジャンボジェット機以上に判別が難しいのです(笑)。それでもお題を出す側で一度ゲームを経験しているAくんは見通しがついて安心できたのか、Bちゃんがどのプリキュア好きか自分なりに考えてプレイできていました。

自閉症で他者との関係が薄かったA君にとって、「かたろーぐ」をプレイした経験が、自分の価値観を他者に理解してもらう体験となり、加えて他者の価値観を理解するよいトレーニングになりました。

様々な遊び方を試してみよう

「かたろーぐ」は、福井県のインディーズゲームブランド「ちゃがちゃがゲームズ」さんが制作されています。発達障害のあるお子さんのプレイも積極的に推奨されています。ウェブサイトには、特別支援級での実践や、ご自宅で障害のあるお子さんとプレイした様子も記載されていますので、ぜひ一度ご覧になることをおすすめします。

ちゃがちゃがゲームズ

 

 

 

 

 

「コロポックル 見~つけた!」寄贈レポートを掲載いただきました

奈良でアナログゲームを制作しておられる「ペンとサイコロ」様から、「コロポックル 見~つけた!」というゲームを寄贈いただきました。早速お子さんたちにプレイしてもらい、その結果をレポートさせていただきました。

学童にもアナログゲームを!

「ペンとサイコロ」さんは地域の学童にもゲームを寄付しておられます。単にゲームを寄贈しただけでなく、製作者さんが実際に教室に出向き、お子さんたちが自分たちで遊べるようになるまでフォローをされているのが素晴らしいとおもいます。

発達障害のある子向けの療育を謳っている当サイトですが、実は健常のお子さんが通う学童の指導員の方からのお問い合わせも入ってきています。「様々な年齢のお子さんを一日に数十人もお預かりするので、それぞれの子が安全に遊べる遊びを用意するのが大変で・・・」というお悩みをお持ちの方が多いようです。

上記サイトの記事に載っていた指導員の方のお話を転載させていただきます。

「子供は外で遊ぶのが好きですが、延長保育の子供は外も暗く、人数も少なくなるので中で遊べる遊具が必要です。このゲームは主にそんな時に遊ばせて貰っています。本も飽きが来るので、色々な遊びがあるのは有り難いです」

 

多くの学童が直面している状況であるとおもいます。こんなとき、アナログゲームが年齢幅のあるお子さんが安全に楽しめる有効なツールになるのではないかと思っています。

発達障害のあるお子さんが通う放課後等デイサービスの選び方

増加する放課後等デイサービス

学校・家庭に次いで、発達障害のあるお子さんが過ごす第3の居場所として、最近その存在感を増しつつある「放課後等デイサービス」。今回は、その間違いない選び方についてお伝えします。

「放課後等デイサービス」は、障害のある小学生から高校生までのお子さんが放課後や長期休み中に通う場所です。費用の9割を行政が負担してくれるため、親御さんにかかる金銭的負担は1日900円程度で済むという、中々に恵まれた制度です。

事業所をどうやって見つけるか

まず、自分が住む地域にどんな放課後等デイサービスがあるのかを調べる必要があります。

学校の先生や教育相談所は、地域にどんな放課後等デイサービスがあるか、知らない場合が多いということです。放課後等デイサービスは「教育」ではなく「福祉」の管轄であり、しかも成立から日が浅い制度なので、教育関係者に情報が行き渡っていないことが多いのです。

確実に情報を持っているのは、在住している市区町村庁の子育て支援課、または福祉事務所です。まずはこちらに相談してみるのが良いでしょう。

もちろん、インターネットも有効です。自身が住む市区町村以外の放デイにも通うことができますから、「自身が住む+隣接する市区町村名」と「放課後等デイサービス」で検索をかけて、調べてみると良いでしょう。

しかし、各事業所の評判について、最も確度が高いのは親御さん同士の口コミだと思います。お住まいの地域で親の会などがあれば、入会して情報交換するのも有益です。

「お預かり」か「療育」か

さて、いくつかの事業所が候補に挙がったら、実際に見学や体験を行い、通う事業所を決定していきます。

その際覚えておいていただきたいことがあります。

大都市圏を中心に急速に増加しつつある放課後等デイサービスですが、その増加には大きくわけて二つのトレンド(流行)があります。

一つは「お預かり→療育」への流れ。

従来の放デイは、特定のカリキュラムなどを設けず、スタッフの見守りのもと、子どもが教室に備え付けてある遊具で自由に遊んだり、DVDをみたり、おやつを食べたりする形が自由でした。療育施設というより、学童に近い形です。

それが最近になり、「もっと専門的な療育をしてほしい」という親御さんの要望に応える形で、特色ある療育プログラムを打ち出す事業所が増えています。最近特に多いのは運動・スポーツ系で、他にコミュニケーション系(SSTなど)、パソコン、お絵かき、ものづくりなど、様々です。

二つ目は「知的な遅れのない子の利用増加」というトレンドです。

従来、放課後等デイサービスを利用するお子さんの多くは、特別支援学校または特別支援学級在籍し、知的障害を伴っていましたが最近になって、通常級在籍の知的な遅れのないお子さんも放デイを利用することが多くなってきました。

一番重要な「レベル感のすり合わせ」

放課後等デイサービスが、お預かりから療育重視となり、知的な遅れのない子の利用が増加する中、最も重視していただきたいことが「レベル感のすり合わせ」です。

具体的には、事業所に通ってきている子たちのレベルが、自分のお子さんのレベルとマッチしているかを見極める必要があります。

放課後等デイサービスの対象となるのは、知的な遅れのあるお子さんから平均より高い知能を持つお子さんまで。また年齢は小学生から高校生と極めて幅広いです。事業者側から見ると、これだけ幅広い発達段階のお子さんにオールレンジで対応できるプログラムを提供するのは至難の業です。

実際、多数の放デイが活動している都心部では、「高機能の子はこことここ、重めの子はこっち」といった感じで住み分けが進んでいます。提供するプログラムのレベルが違う事業所同士で、それぞれのレベルに合うお子さんを紹介しあうことまでなされているようです。

しかし、事業所によっては、開所直後だったりPRがうまく行っていないなどの理由で、お子さんの発達段階に対処するノウハウを持っていないにもかかわらず、利用を勧めてくることもあるかもしれません。その勧めにのってミスマッチな療育を受けさせてしまうと、療育効果が見込めなかったり、お子さんが孤立して苦しい思いをすることになりかねません。

そうならないよう、事前の見学で事業所が主なターゲットにしている利用者層をチェックする必要があります。

チェックの方法として、スタッフに

「利用している子どもの中で、特別支援学級・学校にいる子と、通常級にいる子の割合はどれくらいですか?」

「通っているお子さんの主な年齢層を教えてください」

と質問することは、その事業所のレベル感を把握する上で有益です。

自身のお子さんが特別支援学校に在籍しているのに事業所を利用するお子さんの多くは通常級に在籍していたり、高校生のお子さんを通わせたいが事業所を利用しているのは主に小学校低学年のお子さんであったりすることがあるかもしれません。

ただし、その事業所を利用しているお子さんの発達段階と、自分のお子さんの発達段階にズレがあるからといって、その事業所に通わせるのがよくないわけではありません。このようなときは、発達段階や年齢のズレにどんな対応をしてもらえるのか聞いてみるとよいでしょう。細やかな対応を提案できるようなら、力のある事業所だと言え、充分通わせる価値があるとおもいます。

いずれにしても、利用するなら、その事業所がお子さんの発達段階にあわせた関わりをしてくれる、という印象は得ておきたいところです。

指導員の力量は?

放デイのサービスの質を決定づけるのは、指導員の力量です。

しばしば指導員の資格や経歴を気にされる親御さんがいますが、あまり重要な要素ではありません。というのも、放デイの事業所の多くは設立から日が浅く、指導員は療育以外の分野からコンバートしてきている場合が多いからです。

たとえば、精神保健福祉士を持っているからといって、その人が「発達障害児療育の専門家」であるとは限りません。3ヶ月前まで成人の精神障害者の生活介護に関わっていた人かもしれないのです。

発達障害のあるお子さんと関わるスタッフの力量は、お子さんの発達段階に合わせた課題や遊びの引き出しをどれくらい多く持っているかで推し量ることができます。

そこを確かめるために、お子さんの発達段階や困り感を伝えた上で

「うちの子が取り組めそうな課題は、どんなものがありますか」

と聞いてみるのがよいでしょう。

お子さんのレベルにあった課題のアイデアや教材がスッと出てくれば、力のある療育者だといえると思います。

放課後等デイサービスを有効に活用するために

冒頭にも書きましたが、放課後等デイサービスは、学校と家庭に次ぐ、第3の居場所として、発達障害のあるお子さんに育ちに大きな影響をもつ場所です。

しかし、ここ数年で新規開所が相次ぎ、サービスの質が事業所によって玉石混交であるとの話も聞かれます。お子さんの健やかな育ちのために、間違いのない事業所を選んでいただきたいとおもいます。

 

 

 

自閉症のあるお子さんの集団参加を促す 「虹色のへび」 

自閉症のあるお子さんの視覚優位性

自閉症のあるお子さんの多くが備える特性として、言葉よりも、色や形といった視覚の認知力が強いことがあります。

この視覚優位の特性を生かして、家庭では「歯磨きしましょう」と声をかける代わりに、「歯磨きしている場面の絵や写真」を見せるなどの工夫をすると伝わりやすいのは、この障害と関わる人の間では、よく知られるところです。

他方、この視覚認知の強さは、特定の対象に対する固執の要因ともなっています。たとえば、積み木、お絵かき、パズル、Youtubeの動画など視覚的刺激を与えてくれる対象に長時間没頭し、声をかけても頑として応じないことがしばしばあります。

幼稚園・保育園等でみんなで輪になって遊ぶ中、一人だけ参加を拒否してパズルやブロック遊びに熱中したり、家で何時間もYoutubeばかりを見ているお子さんの様子をみて、先々のことを心配する親御さんは少なくありません。

このような一人遊びの傾向について、本人の興味が尊重されるべきなのはもちろんなのですが、療育的観点からすると、自閉症児のお子さんもいずれは他者との関係を結びながら、学び、働いていくわけですから、彼らなりのやり方で集団に参加し、他者との関係作りを学んでほしいと思っています。

そこで今回は、自閉症のあるお子さんの特徴である視覚優位性を生かしつつ、集団参加を促すゲームを紹介します。

色や形への興味が強い自閉症のお子さん。その集中力を将来に生かすためにも、一定のコミュニケーションは必要だ。

色や形への興味が強い自閉症のお子さん。その圧倒的な集中力を将来社会で生かすためにも、他者と関係を作る力は必要だ。

視覚優位性を生かして集団参加を促す「虹色のへび」

ドイツAMIGO社の「虹色のへび」は、美しい色のカードを並べてヘビを完成させるゲーム。そのカラフルさは自閉症のあるお子さんの心を掴むのに最適です。

 

様々に変化する色のヘビが子どもたちの興味を惹く

様々に変化する色のヘビが子どもたちの興味をガッチリ掴む。頭としっぽがそろう(一番上のへび)と、揃えた人がそのヘビをもらえる。

ルールはシンプルです。

ヘビの胴体が描かれたカードを、順番に場に並べていきます。色の合うカード同士はつなぐことができます。繋がる色がない場合はそのまま場に置きます。

胴体のほか、頭としっぽのカードが各色一組ずつ入っています。頭としっぽが揃って、一匹のへびが完成すると、完成させた人がそのヘビのカードをまとめてもらえます。なお、虹色はどの色にもつなげることができます。

めくる札がなくなった時点で、一番多く札を撮った人が勝ちです。

虹色はどの色にもつなげることのできるボーナスカード。

虹色はどの色にもつなげることのできるボーナスカード。

まずは一人プレイから

療育として自閉症のお子さんに集団参加を促す場合、いきなり集団に入れるのではなく、まずは指導員の見守りのもと一人で遊んでルールを理解してもらいます。

1枚ずつ山札をめくって、ヘビを作っていってもらいます。

ヘビが完成した時、指導員は「ヘビ完成!やったね!」とハイタッチしてそのカードをお子さんに持たせてあげます。こうすることで、ヘビを完成させるのが好ましい行為であること、そのカードが自分にとっての「報酬」であることを理解してもらいます。

ヘビを完成させるのがよいことであることを教えるために、ハイタッチはややオーバー気味に。

ハイタッチは笑顔で、ややオーバー気味に。ヘビを完成させることが好ましい行動であることをお子さんに理解してもらおう。

このように、指導員の声掛けのもと何度か遊んでいると、ヘビが揃ったときお子さんに笑顔がでたり、「やったぁ」と声が聞かれるようになります。「ヘビの完成させる」というゲームの目的をお子さんが理解したことになります。そうなれば、集団に参加させる準備ができたことになります。

集団に参加させてみる

一人遊びの段階では、「虹色のへび」はお子さんにとって単なる絵合わせパズルでしかありません。初めて集団に参加したお子さんも、最初はいつも通り一人淡々とプレイしていく場合が多いです。しかし、プレイを進めていくうち、いつもの一人遊びとちがう「他の子どもがヘビを揃えて取っていく」という状況が生まれます。

これまで一人で「虹色へび」を遊んでいたお子さんからすると、いつも自分が全部揃えてもらえていたはずのヘビを、今日に限ってほかの子が奪っていくことになります。これは中々悔しい経験で、中には泣く子や怒る子もいますが、あまり頓着せずそのままゲームを進めてしまいます。なぜならゲームが進んでいくうち、自分もヘビをもらうことができるチャンスが必ず巡ってくるからです。

カードの並びによってはこんな赤ちゃんヘビができることも。

カードの並びによってはこんな小さなヘビができることも。「赤ちゃんヘビだね!」と言葉を添えてあげると、子どもたちは盛り上がる。

頭と頭、しっぽとしっぽで揃えてしまう子もいる。そうなるとちょっとグロテクスな外見になる。先の赤ちゃんへびと並んで、ビジュアル的にハッとさせられる場面がゲーム中に何度か起きてくるのがこのゲームの魅力

頭と頭、しっぽとしっぽで揃えてしまう子もいる。ちょっとグロテスク。上記の赤ちゃんへびと並んで、ビジュアル的にハッとさせられる場面が何度も起きてくるのがこのゲームの魅力。

ワンゲーム終わったら枚数を数え、勝ち負けを決めます。
指導員は、お子さんが優勝したら「優勝だ!やったね!」と大げさに喜んでお子さんとハイタッチ。負けたら「うわー残念だったねぇ!」とこれまたオーバーリアクションで残念がります。こうした指導員の様子をみて、お子さんは勝敗の概念を学んでいきます。
こんな形で「虹色のへび」を数回プレイしていくと、最初は指導員に言われるがままに淡々とプレイしていたお子さんが、やがて指導員の声掛けがなくとも、勝利をよろこび、敗北を残念がるようになってきます。このことはお子さんの中に勝敗の概念の形成されてきたことを意味します。
勝敗概念の形成は、「ゲームという場に自分以外の他者がいて、自分と同じ条件で競いあっている」ことの理解につながっています。言い換えれば、自分一人の世界で過ごしていたお子さんが、ゲームを通じて、「他者と場を共有する」ことを学んだわけです。

 

涙する親御さんも・・・

自閉症のあるお子さんが集団参加のきっかけをつかむゲームとして「虹色のへび」は最適ですが、前回ご紹介した「スティッキー」も色や形の特徴がハッキリしているので同じ目的に使えます。一つのゲームだと飽きやすいので、いくつかのゲームを組み合わせるのが有効です。

これらのゲームを通じて、それまで一人遊びしかしなかったお子さんが、いつの間にか友達の輪の中で笑いながらゲームを楽しんでいる場面を、私はこれまで何度も見てきました。

またそのお子さんの姿をみて、涙する親御さんもいました。

このような光景を見るたびにシンプルなゲームが持つ力を改めて実感します。

※ゲームを購入される際は本ページのリンクから購入していただけると、新しいゲームを購入する際の助けとなります。ご協力よろしくお願いします!

 

 

 

幅広い発達段階のお子さんたちを一つの集団で療育 「スティッキー」

幅広い発達段階のお子さんを一つの集団で療育する

アナログゲーム療育の利点の一つは、発達段階の異なるお子さんを一つの集団で療育できる点にあります。

そのことを「スティッキー」というゲームを用いてご説明します。

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カラフルな造形。箱にしまわず、風変わりなインテリアとして飾っておくのもいい。

ルールを説明します。

まず、青・赤・黄の太さが異なるスティックをリングで束ね、タワー状に立てます。

プレイヤーはサイコロを振り、出た目と同じ色のスティックを順番に抜き取っていきます。やがてタワーが倒れてしまったら、倒した人の負けです。

スティックにはそれぞれ得点(青=3点、赤=2点、黄=1点)が設定されており、残ったプレイヤーのうち、抜いたスティックの合計得点が最も高い人が優勝です。

もしスティックを抜いたらタワーが崩れてしまうと思ったら、自分がそれまで抜いた中から同じ色のスティックを場に捨てることで、その回はパスできます。

発達段階にあわせて、提示するルールや言葉がけの内容を変える

「スティッキー」の優れた点は、3歳程度のお子さんから7,8歳程度のお子さんまでが、同じゲームをプレイしながら、それぞれのレベルにあった成長の機会を作れることです。

以下、レベル別に説明していきします。

最初のステップは「集団に参加する」ことです。健常児では3歳程度に相当します。この段階のお子さんには、集団参加のハードルを下げるためにできるだけシンプルなルールでプレイしてもらいます。そこでサイコロによる色指定を免除し、好きな色のスティックをどれでも抜いて良いことにします。

その子が上手にスティックを抜けたときは指導員がややオーバー気味に拍手やハイタッチをして賞賛します。自身の行動が他者に褒められるという経験を通じて、「集団に参加すると楽しい」というお子さんの認識を形作っていきます。

発達段階が低いお子さんには、極力シンプルなルールで集団参加を促す。

発達段階が低いお子さんには、サイコロの抜きのシンプルルールで集団参加を促す。

次のステップは、「ルールを守る」ことです。本来のルールにしたがい、サイコロを振って出た色のスティックを抜いてもらいます。

しばしば、お子さんがサイコロの色を無視して自分の好きな色のスティックを取ろうとすることがあります。その際すぐに制止せず、まずはスティックを抜かせ、サイコロと見比べさせます。

「今サイコロの色は何色?」

「取ったスティックは何色?」

「二つは同じ?それとも違う?」

と具体的に問いかけ、何色のスティックを抜けば良かったのか確認できたら、引き直させます。こうすることでルールの理解を促すことができます。

 

第三のステップは「順番を守る」ことです。最初の二つのステップでは、自分の順番を理解することは難しいため指導員が「◯◯ちゃんの番だよ」などと声掛けする必要があります。

ですが、このステップに達したお子さんの順番では、指導員は名前は呼ばず「次はだれの番かな?」と全体に向かって問いかけます。お子さんが自分で順番で気づくことを促すためです。

最初のうち、自分で気づくのは難しいですが、ほかの子がプレイしているとき「次がキミの番だよ」となどと声掛けすることで、周囲を意識して、自分の番が来たら自発的にサイコロを振れるようになります。

順番を守ることは、「相手や場の状況を読み取り、そこに合わせて自発的に動ける力を養う」という、アナログゲーム療育最大の目標への、最初の段階になります。

 

第四のステップは「合理的に考える」ことです。精神年齢的には7~8歳にあたります。この段階のお子さんに対しては、そろそろタワーが倒れそうなとき、「自分がそれまで抜いたスティックの中から同じ色のものを場に捨てれば、その回はパスできる」という上級ルールを提示します。

安全策でスティックを捨てるか、危険を犯してでも次のスティックを取りに行くか。ジレンマに悩みながら、状況に応じた合理的な判断力を身につけてもらいます。

ゲーム後半の状況。写真ではサイコロの目のとおり黄色のスティックを抜くと、タワーが倒れてしまうことが明らか。こんな時、以前抜いた中から同色のスティックを箱に捨てることで、自分の順番をパスできる。このルールが入ることで一気に戦略性が出る。

ゲーム後半の状況。サイコロは黄色だが、残り一本の黄色スティックを抜くと、タワーが崩れるのは明らか。こんな時、以前抜いた中から同色のスティックを箱に捨てることで、自分の順番をパスできる。そのことに気付いて最悪の結果を避けることができるか。

同じゲーム 異なる指導目標

上記の内容をまとめると、スティッキーでは、

  1. 集団に参加する
  2. ルールを守る
  3. 順番を守る
  4. 合理的に考える

という段階の異なる4つの目標を同時に指導することができます。そのため、知的能力が2~3歳くらいから7~8歳くらいまでのお子さんを一つの集団で療育することが可能です。

多様な発達段階のお子さんが通ってくるが、グループ分けができるほどの全体人数は多くない環境で療育をするときは、大変頼りになるゲームです。

 親子で楽しめるゲーム

「2~3歳くらいから7~8歳」というのは、あくまで療育としての成果を考える場合の適正年齢です。

ゲームを楽しむという本来の目的ならば、スティッキーは子どもから大人までが一緒になって楽しめるゲームです。

そんなこともあってか、皇太子ご夫妻と愛子様が楽しそうにスティッキーを遊ばれている様子が報道されたことがあります。これも一応「宮内庁御用達」と言えるのでしょうか・・・。

このように小さなお子さんがいる家庭で家族みんなで遊ぶには、スティッキーは一番にオススメしたいゲームです。

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