アナログゲーム療育のDVDが発売されました

幼児編&学童編の2編4枚組で販売

教育・医療関連のDVDを多数発売している(株)ジャパンライムさんより、アナログゲーム療育のノウハウをまとめたDVDが発売となりました。

幼児編・学童(小学生)編の2編4枚組のセットとなっています。上記のウェブサイトでは7月末までセットで10%OFFで発売していますので、この機会にぜひご利用ください。

7月10日に発売され、すでに150本以上の注文が入っているとのことです。「わかりやすい内容で現場ですぐに実践してみたい」といった感想も寄せられています。

紹介する全ゲームのプレイ場面を収録

このDVDの特徴は、なんといっても、紹介した20近いゲーム全てについて、実際のプレイ映像が指導ポイントの解説付きで収録されていることです。幼児編・学童編からそれぞれサンプル映像をご紹介します。

 

 

実際のプレイ場面を見ることで、どんなゲームなのか、どう指導するのか、大変わかりやすくなっています。「このゲームならあの子にもできそう!」と、具体的な療育のイメージを持っていただけると思います。

購入の際に留意いただきたいこと

幼児編・学童編と年齢で区切っていますが、実年齢ではなく発達段階にあわせた内容です。小学生であっても、知的な遅れがあり発達段階が幼児期に留まる場合は幼児編を選ばれたほうが良いです。

 もう一つ、作者としてワガママを言わせていただくと、お子さんの発達段階にかかわらず、ぜひ幼児編と学童編を通してご覧いただきたいと思っています。

お子さんの認知発達段階についての一貫した見通しを持っていただきたい。それがこのDVDを制作した理由だからです。

幼児と関わっている方は、幼児編だけでなく学童編もご覧いただくことで、お子さんの認知能力ひいてはコミュニケーション能力が、将来どのように発達していくのか、具体的な見通しを持っていただけます。

学童と関わる方の場合、お子さんに発達障害があると、同年代の子と同じように振る舞えないことがありますが、それがなぜ起きているのか、療育をする際発達段階をどこまで遡ればよいのか、理解いただけるでしょう。

このDVDがみなさんのお子さんとの関わりを、より楽しく実りあるものにする一助になれば幸いです。

 

 

すごろくや講座年間スケジュール発表

東京・高円寺にあるボードゲームショップ「すごろくや」さんで毎月開催させていただいているアナログゲーム療育講座。毎回好評をいただいています。

今回すごろくやさんでアナログゲーム療育講座の特設ページを作成してもらいました。あわせて、年間のスケジュールも公表。各月の申し込みが可能となりました。今まで1~2ヶ月先の情報しか公開できなかったので、予定を合わせづらかった方もいらっしゃるかもしれませんが、この機会にぜひお申込みください。

 

5回で1クールです

アナログゲーム療育の講座は、療育の対象となる人の年代によって内容が分かれています。

  • 幼児編
  • 学童編(前編)
  • 学童編(後編)
  • 中高生・大人編(前篇)
  • 中高生・大人編(後編)

以上の5回で1クールとなっています。ここでいう年代はあくまで発達段階のことであり、実年齢ではありません。たとえば小学生でも中程度の知的な遅れがある子の場合は、学童編よりは幼児編の方が適した内容だと思います。

それはそれとして、主催者としては、ぜひ5回通しで受けていただきたい、という思いが強くあります。これらの講座はいずれもピアジェの認知発達理論をベースに組み上げており、5回全て受講することで、言葉が出るか出ないかの幼児から複雑な思考が可能になる大人までの発達を一貫して理解することができるからです。その理解はきっと皆さんの支援や療育、子育ての軸になるはずです。

次回は8月20日幼児編です。この回から、新しいクールが始まります。アナログゲームを通じて子どもの発達について知る旅を、みなさんとご一緒にできればと思っています。

構造化 or not構造化?

放課後等デイサービスの研修で・・・ 

昨日研修させていただいたデイはなんと職員の中にノースカロライナでTEACCHを学んだ方がおり、かつてないほど構造化された教室環境だった。

周りがパーテーションで区切られており、余計なものが目に入らない。だから目先のことに集中できる。目先のことに集中できるから余計な声や音がでない。ゆえに視覚のみならず音声の刺激も減る。

その中の小集団指導用スペースでアナログゲーム療育をしたが、刺激が少ないのでお子さんが集中しやすく、指導者としても相当やりやすい、という実感をもった。

 

ひるがえって、今定期訪問しているデイはオープンな一部屋で、視覚支援も荷物の置き場所や手洗い場所、その日のグループ分け程度の最低限なもの。

なのでゲーム中に他の子が手を出してきたり、誰かが教室に入ってくると子どもの注意が逸れて席を立ってしまったりする。しかし、これはこれで意味があると思った。

一人遊びをしていた自閉症児がゲームで遊んでいるところに手を出してくるのは集団への興味の表れとして見ることができる。実際、そのまま集団参加をさせて、意外とすんなりやれてしまうことがある。 仮にその子がゲームを壊そうとするなら、それをプレイしている子が指導者の代わりに、キツすぎない言葉で注意するよう促すことがこれまた療育となる。

みんなでゲームをしているのに別のことに気を取られてしまうなら、「座ってゲームをしますか?それとも、ゲームはやめますか?」と問いかけることで、集団遊びを楽しむには一定の義務が伴うことを教えることができる。

TEACCHの構造化は、刺激を減らし見通しを立ちやすくする点で自閉症のある子が過ごしやすい環境を提供する。かたや構造化をしないことで子どもが多くの物理的・社会的刺激に触れることが、その発達を促すという事もありそうだ。

これはどちらが優れているかというよりも、利用の時間の中で子どもに何を提供するのか、という選択の問題だ。言いかえれば、その教室の持つ発達観・療育観の問題だろう。


現在参加受付中の講座

スーパースターの今・・・

思う所あって滅多に買わない雑誌を買いました。清原の「告白」。

 

清原の話に、思わず背筋が伸びました。症状が「重い」人だ、という認識です。たとえば、こんなつぶやきが。

「僕、野球人生の中で1回も代打をだされたことないんです。でも今は何も1人でできない自分がいる。そのことを受け入れるっていうのは・・・。」(P15)

一読して、そもそもこの人は今公の場で自身の事を語ってよい精神状態なのか?主治医の了解は得ているのか?そんな疑問がよぎったインタビューでした。

しかし、それだけじゃなかったんです。

その後に、親友の佐々木、後輩の立浪、そしてダルビッシュのインタビューがあるのですが、これがなんというか、良い意味でフラットなんです。フラットな先に、彼らの清原に対するある種の信頼、あるいはもっと単純に好意があるんです。

読み終わると「こんなに思ってくれる友達がいるんだったら、清原、大丈夫なんじゃないか」って思うような、そんなインタビューでした。

清原の話だけ聞いていたら、正直救いようがないように聞こえる。しかし、一連のインタビューを読み、清原と彼を取り巻く友人たちの関係が見えてくると、なんか大丈夫な気がしてくる、という大変不思議な読み物なのです。

人は、一人で生きているわけではない。そんなことを考えさせられた一冊でした。


現在参加受付中の講座

7/16 アナログゲーム療育講座 中高生・大人編(後編) です!

7月16日 すごろくや講座は中高生・大人編です。

毎回好評をいただいているすごろくやアナログゲーム療育講座。

7月16日(日)は中高生・大人編(後編)です。

今回は「見通しを立てる力」を身につけるゲームをご紹介します。前編とは独立した内容ですので、前回参加していない方も上のリンクからお気軽にお申し込みください。

学業や仕事で見えてくる「見通しを持つ力」の困難さ

発達障害のある中高生や大人の形が、学業や仕事で直面しやすいのが「見通しを立てて行動すること」の困難です。具体的には以下のような場合が多く見られます。

  • 仕事の優先順位がつけられない
    • AさんとBさんから同時に依頼されると混乱してしまう
  • 長期的な計画に基いて行動することの困難
    • 履修計画やレポート、卒論作成の困難(大学生)
  • 衝動的な行動
    • クレジットカードで払える以上の金額を浪費する
  • 仕事のペースのコントロール困難
    • 締め切り直前になってから慌てて動き出す
    • 仕事を頼まれると断れない

前編で主に取り扱ったコミュニケーションの問題に比べると、見通しを立てることの困難さは後になって明らかになることが多く、支援者にもご本人も明確には意識しづらいものです。

しかし、実際には「できないことでもできると言ってしまう」というコミュニケーション上の課題が、実は見通しを立てることの難しさに起因していることもあるなど、両方の課題が絡まりあって、生活上の困難を着たしている場合が多いと感じています。

テレビ電話を使った遠隔での就労支援の光景。

「見通しをつける力」を身につけるゲーム

次回の講座では、「見通しをつける力」を身につけるゲームとして、「街コロ」と「ボーナンザ」を体験いただく予定です。どちらも中高生の療育と成人の就労訓練で大いに活用していますが、講座での体験いただくのは初となります。

街コロは、「計画的に行動する」ことを学ぶゲームとして最適です。サイコロを振ると、自分が持っている建物に応じたお金を得ることができます。そのお金で新しい建物を買い、さらにもらえるお金が増える・・・、といった具合に拡大再生産を気軽に体験できます。勝利するためには効率の良い拡大計画を作ることが求められます。

ボーナンザは、豆を手に入れて畑に植え、育てて収穫してお金を得るゲームです。植える豆は他のプレイヤーとの交渉で手に入れることができます。「見通しを持って行動する」ことと「相手の立場に経ってコミュニケーションする」ことの両方が学べるゲームです。

指導ポイントの見極めが大切

この二つのゲームは普通にプレイしただけで、誰もが「見通しを持って行動する練習になる」とわかる強力な説得力があります。それだけに、「ただプレイさせるだけ」になってしまいがちなのですが、それでは療育や就労訓練としては不十分です。

学業や就労上の直面しやすい困難と結びつけて、プレイの際にどんなポイントを重視し、どう指導に繋げていくのか、これまでの経験を踏まえて解説します。