【療育テクニック】お子さんの目線に注目する

言葉のないお子さんへの療育

私達はお子さんを教育するとき、もっぱら言葉に頼っています。しかし言葉をまだ獲得していないお子さんの療育では言葉が使えず、経験の浅い指導者は戸惑うことになります。

たとえば、言葉を獲得していない子に指導者が「こうしなさいって言ったでしょ。どうしてできないの?」などと言葉で問いかけているのをよく目にします。その子が言葉は理解できないと頭ではわかっていても、いざ指導するとなると言葉で伝える以外の方法をしらないので、そこに頼らざるを得ないのです。

お子さんの目線に注目する

こうした時、指導者には「お子さんの目線に注目しましょう」とアドバイスしています。こちらの指示がお子さんに通っているかどうかは、お子さんの目線が示してくれるからです。

よくあるのは、指導者が指をさして指示する際、指導者の注目が、お子さんの目線ではなく、自分が指示した指先に置かれてしまっているケースです。その結果、お子さんがそっぽを向いて指示を見ていないのに、指導者はそこに気づけていないという状況がおきます。

本来であれば、指導者は指示を出しながら、お子さんの目線に注目する必要があります。お子さんの目線が自分が指示した先にしっかり向いているかどうかを確認するのです。

目線が外れているときはどうするか

では、指示をだしてもお子さんがそっぽを向いて注目してくれないときはどうすればよいのでしょう。お子さんの顔に手をあてがって直接目線を動かす流派もありますが、お子さんが嫌がることが多いので私は使っていません。

私の場合は、対象物にお子さんの目線を向ける代わり、注目してもらいたい対象物(例:机上に置かれたカード)を、お子さんの目線の先に持って行きます。

お子さんが対象物に注目したのを確認したら、今度はそれを本来の位置(机上)にゆっくり戻します。このとき指導者の注目は、当然お子さんの目線に注がれなければなりません。対象物が移動するに従い、お子さんの目線もまた正しい位置に戻ってくるかどうかを確認します。

それでもお子さんの注目が得られないとなれば、その場のテクニックでどうにかなる問題ではなく、課題設定・環境設定から見直さなければなりません。

上の例でいえば、お子さんがカードにちっとも興味を持っていない、もしくは興味が教室内の別のところに向いているのです。または、指導者との信頼関係が充分築けていない可能性もあります。原因を見つけて、そこににあわせた対策を行う必要があります。

座る位置も大切

指導者が常にお子さんの目線に注目できるためには、座る位置も重要です。

一対一の指導では、下の写真のようにお子さんが机に座っている位置の側面、または対面に座ります。

東京・青梅市にある放課後等デイサービス「オルオルハウス」さんの実践より。一対一の療育では、指導者は写真のようにお子さんの側面か、または対面に座ることが望ましい。

しばしば、指導者がお子さんのま隣または斜め後ろに座り、両者が同じ方向を向いて療育している場合がありますが、その位置関係では指導者がお子さんの目線を確認するのに顔を大きく横に動かさないとならず、大変なので指導者がお子さんの目線に注目しなくなる原因となり、望ましくありません。

 


すごろくやアナログゲーム療育講座 毎月開催中

9月17日(日) 学童編(前)

10月22日(日) 学童編(後)

お申込みはこちらからどうぞ。

構造化 or not構造化?

放課後等デイサービスの研修で・・・ 

昨日研修させていただいたデイはなんと職員の中にノースカロライナでTEACCHを学んだ方がおり、かつてないほど構造化された教室環境だった。

周りがパーテーションで区切られており、余計なものが目に入らない。だから目先のことに集中できる。目先のことに集中できるから余計な声や音がでない。ゆえに視覚のみならず音声の刺激も減る。

その中の小集団指導用スペースでアナログゲーム療育をしたが、刺激が少ないのでお子さんが集中しやすく、指導者としても相当やりやすい、という実感をもった。

 

ひるがえって、今定期訪問しているデイはオープンな一部屋で、視覚支援も荷物の置き場所や手洗い場所、その日のグループ分け程度の最低限なもの。

なのでゲーム中に他の子が手を出してきたり、誰かが教室に入ってくると子どもの注意が逸れて席を立ってしまったりする。しかし、これはこれで意味があると思った。

一人遊びをしていた自閉症児がゲームで遊んでいるところに手を出してくるのは集団への興味の表れとして見ることができる。実際、そのまま集団参加をさせて、意外とすんなりやれてしまうことがある。 仮にその子がゲームを壊そうとするなら、それをプレイしている子が指導者の代わりに、キツすぎない言葉で注意するよう促すことがこれまた療育となる。

みんなでゲームをしているのに別のことに気を取られてしまうなら、「座ってゲームをしますか?それとも、ゲームはやめますか?」と問いかけることで、集団遊びを楽しむには一定の義務が伴うことを教えることができる。

TEACCHの構造化は、刺激を減らし見通しを立ちやすくする点で自閉症のある子が過ごしやすい環境を提供する。かたや構造化をしないことで子どもが多くの物理的・社会的刺激に触れることが、その発達を促すという事もありそうだ。

これはどちらが優れているかというよりも、利用の時間の中で子どもに何を提供するのか、という選択の問題だ。言いかえれば、その教室の持つ発達観・療育観の問題だろう。


現在参加受付中の講座

幼児期のアナログゲーム選びのポイント

 幼児向けゲームのリストを制作!

アナログゲーム療育で用いている幼児向けゲームのリストをすごろくやさんにまとめていただきました。

このリストは、下記のような基準で選んでいます。

  • 幼児、または知的障害や自閉症を伴う小学校低学年のお子さんの認知・思考の発達段階に見合うもの
  • 上記の範囲内で、比較的幅広い発達段階のお子さんに適用できるもの

みなさんの指導・関わりの参考になれば幸いです。

幼児期のゲーム選びのポイント

幼児(または知的な遅れのある)お子さんが発達段階にあわせたゲームで遊ぶことで、言葉や数の理解を促したり、集団の中でルールを守って遊ぶことを学んでもらうことができます。

他方、幼児のお子さんの物の見方や考え方は、様々な点で大人と異なっています。この点を理解しておくことで、幼児のお子さんと楽しく遊び、療育としても成果を出しやすくなります。以下、ゲーム選びや関わり方のポイントを解説します。

見た目や音、感触で興味をひくゲームを

言葉や思考が発達途上にある幼児期のお子さんは、見た目や音、感触といった、感覚に訴えるゲームにより強い興味を感じます。これは、言葉のない2歳以前のお子さんや、知的障害を伴う自閉症をお持ちのお子さんについては特にあてはまります。

こうしたお子さんの場合、ゲームに誘ってもすぐには参加してくれない事が多いです。しかし、ゲームに使うボードや道具が立体的だったり、色鮮やかで触ってみたくなるようなゲームを選ぶと、興味を持って参加してくれる可能性が高くなります。

たとえば、上記リスト内の「マイファーストゲーム・フィッシング」は磁石で魚を釣る時の「パチン!」という音と感触が子どもたちの興味を強く惹きます。

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こちらのスティッキーもオススメです。

幅広い発達段階のお子さんたちを一つの集団で療育 「スティッキー」

まずはゲームを触らせてみる

5,6歳ともなれば言葉の扱いや思考も発達していますが、それでも大人に比べれば見た目や触感への興味がまだ強く残っています。

そのため、この年代の子どもたちは、大人がルールを説明しているときに、話を聞かずに目の前のコマやボードをいじくりまわしてしまうことがあります。

こういうときはルールを説明するより先に、ゲームのコマやボードに自由に触れる時間を2~3分取ってあげます。こうしてお子さんの感覚的な興味を充分満たしてあげた後でルール説明を始めれば、集中して聞くことができます。

戦略的思考はまだ難しい

幼児のお子さんは、ルールに従ってゲームをプレイすることはできますが、「AとB、どちらの選択がより勝利に近いか」といった風に、戦略的に考えてより望ましい選択を選ぶことが難しい場合が多いです。

そのため、幼児のお子さんに用いるゲームは、判断や選択の要素がなく、ルールに従って行動しているだけでよいものが中心です。

こうしたゲームは勝敗が運で決まってしまうため大人にとっては少々退屈に思えてしまいます。そのため、特に「ゲーム好き」な大人が幼児のお子さんと遊ぶ場合、戦略的なゲームばかりをチョイスしてしまう傾向があります。お子さんはルールに従うことはできるのでゲーム自体は成立するものの、戦略的な面白みは体験できていません。

こうしたことから、幼児のお子さんと遊ぶとき、大人は自分が選んだゲームがお子さんにとって難しくなりすぎないように注意する必要があります。

3月のすごろくやアナログゲーム療育講座は「幼児編」です。

毎月東京・高円寺にあるすごろくやさんで開催させていただいているアナログゲーム療育講座。

3月26日(日)は、「幼児編」として就学前のお子さんや知的な遅れや発達障害のある小学校低学年のお子さん向けに、上記で紹介した以外にもたくさんのゲームを紹介します。実際にゲームをプレイしながら学ぶことで、実践的なノウハウを身につけることができます。

講座の申込みは下記のリンクからどうぞ。毎回満席になっているので、お早目の申込みをオススメします。

3月26日(日) すごろくや アナログゲーム療育講座 幼児編

史上初!? TV電話で遠隔就労訓練

就労移行支援事業所「ぷろぼの高の原」にて、遠隔就労訓練を開始!

奈良で、障害のある人の就労訓練を行っている「ぷろぼの高の原事業所」様と提携し、TV電話を介して、アナログゲームを使った職業訓練を行うことになりました。

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史上初!?インターネット上のテレビ電話を介した遠隔職業訓練。複数のカメラで、ゲームの様子や利用者さんの表情もよく見えています。プレイしているのは他者への観察力が求められる「ケルトタイル」。

きっかけは、ぷろぼの高の原事業所の所長さんより「ぜひ職業訓練にアナログゲーム療育を取り入れたい!」という熱烈なご要望をいただいたことでした。しかし、私が住んでいるのは東京。奈良に定期的に伺うのは難しい・・・。そこで所長さんから「TV電話で遠隔で指導できないでしょうか?」とのアイデアをいただいたのですが、当初は正直にいって「できるのだろうか?」と半信半疑でした。

ところが実際やってみるとできたんです。上の写真からもわかるとおり、複数のカメラを用意することで各プレイヤーの手元の状況や、利用者さんの表情も伺うことができます。

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現場の様子。カメラの操作をしていただいているのもアシスタント役の利用者さんです。       ※写真の使用については、施設・利用者さん双方の了解をいただいています。

遠隔でもライブ感のある訓練は可能

アナログゲームをつかった訓練では、参加者一人一人の発する言葉や表情、考えている時間の長さなどから、その方がゲームを不安なく楽しめているか観察し、もし不安があるとしたらどのように言葉がけしていくか、常に考えていく必要があります。

こうした繊細なやりとりが遠隔操作で可能なのか、始めてみないとわからないところがありましたが、実際は現場にいるのに近い感覚で利用者さんの様子を観察して、言葉がけできることがわかりました。

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利用者さんが迷っているようなら「こちらとあちら、どちらを優先したほうがよいですか?」といった問いかけ、良いプレイが出た時は「相手をよくみていた素晴らしいプレイですね」といった言葉がけを行う。精密な観察が必要だが、遠隔操作でも充分可能であることがわかった。

 

利用者さんからは「楽しい!」という感想が

プレイ後、利用者のみなさんから「楽しい!」という感想が聞かれました。次回は参加予定でなかったのに「ぜひ参加したい」と積極的に申し出た利用者さんもいらっしゃり、初回の訓練は大成功に終わりました。

ぷろぼのさんでの訓練は隔週で行われ、今後は交渉するゲームや、お互い協力しあうゲームなどを使い、就労を意識したコミュニケーション訓練を行っていきます。

アナログゲームというツールを使うことで、このように、遠隔地とつながって訓練できるということは、就労支援、そして療育の可能性を多く拡げるものだと思っています。今後の実践を通じてノウハウを蓄積したいと思います。

ステージ2 シンボルのスムーズな操作を促す

ステージ2「前操作期」

今回は、アナログゲーム療育のステージ2を解説します。健常児のお子さんで、3~7歳に当たります。

この時期のお子さんはシンボル機能が確立することで、言葉が話せるようになるのを始め、数、そしてゲームに欠かせないルールの理解ができるようになっています。

この時期のことをピアジェは「前操作期」と呼んでいます。ここでいう操作、とはシンボル機能の操作を指します。「前操作期」とは、シンボルは形成されているものの、それらを自由に操れる手前の段階にある、という意味です。

「ごっこ遊び」が出てくる

ステージ2のお子さんは、シンボル機能が形成されることで、他のお子さんとシンボルを共有しあって集団で遊べるようになります。

おままごとであれば、「私はお母さん、あなたは赤ちゃん」といった風にお互いの役割を演じることができるようになります。このとき「お母さん」というシンボル、「赤ちゃん」というシンボルをお互いの間で共有できているからこそ、おままごとが成立するのです。

ゲームについても、ステージ2のお子さんは「ルール」というシンボルを共有することができるので、子ども同士で遊べるようになります。

シンボルのスムースな操作を促す

シンボル機能が形成されたことで遊びの幅が大きく拡がるステージ2のお子さんですが、限界もあります。

たとえば数の扱いです。おはじきを提示して「これはいくつ?」と聞いてみると、1つや2つなら答えられますが、5つや6つになると正しく答えられなくなってしまうことがあります。また、足し算、引き算はまだ難しいことが多いです。

そのためステージ2の目標は、シンボルをスムースに操作できるようになることです。

アナログゲームは「名前」「数」「色」「形」などたくさんのシンボルの集まりであり、それらをルールに従ってプレイすることが、シンボル操作の練習になります。

 

シンボル操作を練習するアナログゲーム

たとえば、以前ご紹介した「雲の上のユニコーン」は、お子さんの数概念の獲得を促すのに最適です。

数概念を身につける「雲の上のユニコーン」

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またステージ2のお子さんについて、数概念と並んでチェックしておきたいのが空間認知能力です。

空間認知能力は、物の大きさや向き、あるいは奥行きなどといったものを正確に把握できているかどうか、ということです。

この能力が特異的に遅れている場合、書字や図画・工作が極端な苦手さを示すことが多いです。また片付けが出来なかったり物をなくしてしまうといった生活上の課題にも影響を与えます。

 お子さんの空間認知能力を測るのに最適なのが、「メイクンブレイク」です。

作業ができたら報告する「メイクンブレイク」

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指導者はオーバーリアクションで

ステージ2に入ったばかりのお子さんは、ゲームをプレイする中で何が自分にとって望ましい行動なのか、何が残念な行動なのか、十分理解できていないことが多いです。

従って、指導者はお子さんのプレイが望ましい結果を生みだしたら「やったね!上手にできたね」と積極的に声掛けしてするとともに、拍手やお子さんとハイタッチをしてあげるなど、ややオーバーリアクション気味に接してあげましょう。そうすることで、お子さんは「これは望ましい行動なんだ」ということが分かります。

合理的配慮の義務化で何が変わるのか

4月から合理的配慮が義務化

この4月に、発達障害のある人とその家族にとって見逃すことのできない、大きな変化があります。

「障害者差別解消法」が試行され、公的機関において、障害のある人に対する「合理的配慮」が義務化されるのです。

「合理的配慮」については、発達障害のポータルサイト「LITALICO発達ナビ」に大変わかりやすくまとまった解説が載っています。

合理的配慮とは?考え方と具体例、障害者・事業者の権利・義務関係、合意形成プロセスについて

上の記事から言葉を借りると、「合理的配慮」とは、一人ひとりの特徴や場面に応じて発生する障害・困難さを取り除くための、個別の調整や変更のことを意味します。

典型例として、読み書き困難な人が音声端末やタブレットを使って学習できるようにしたり、車いすなど移動が困難な人にスロープやエレベーターを設置するといったことが「合理的配慮」にあたります。

4月から、障害のある人にこうした配慮を行うことが、学校を含む公的機関で義務化されるのです。

何からなにまで配慮してくれるわけではない

合理的配慮が義務化されることで、発達障害のあるお子さんやその親御さんにとって、何が変わるのでしょうか。

一つ言えるのは、合理的配慮が義務化されたとしても、求めた配慮がすべて実現するわけではない、ということです。

というのも、合理的配慮の考え方として、配慮するにあたり予算や人員の点であまりにも大きな負担がかかる場合や、配慮を提供することで他の人たちが不利益を被るような場合などは、合理的とはいえないと判断されるためです。

先にご紹介した「発達ナビ」で、インクルーシブ教育研究者の野口あきなさんがこのあたりのことを詳しく解説されています。

4月からはじまる合理的配慮の義務化。学校と連携するコツは?

紹介した二つの記事で、いずれも強調されているのは「合意形成」の必要です。合理的配慮を受けるためには、まず障害のある本人やその保護者から、学校に向けて必要とする配慮を提案します。その提案について学校側と話し合い、両者の間に合意が形成されて初めて、配慮が実施されるのです。

つまり、ただ待っているだけで望ましい配慮がなされるわけではありませんし、配慮を求めたからといって、学校が常にすべての要求を実現してくれるわけでもありません。

何が変わるのか?

こう書くと、「それなら今までと同じで、法律が変わったところで現実は何も変わないのでは?」と疑問に思われる方もいるかもしれません。

しかし、合理的配慮の問題を教育だけでなく、政治や法律の枠組みにおいて扱えるようになる点は、大変重要だと考えています。

仮に、読み書きが苦手な学習障害のお子さんに、学校が何ら配慮をせず、その子が授業についていけない状況があったとしましょう。親御さんがタブレット利用や支援員の配置などの合理的配慮を学校に求めたが「予算がない」とのことで応じてもらえない。さらには学校を監督する立場の教育委員会にも連絡したが動いてくれない、という状況だったとします。

従来なら、保護者の立場でこれだけやって学校側が動いてくれないとなれば、泣き寝入りするか別の地域に転校するしかなかったように思います。

しかし、法律で合理的配慮が義務化されれば、学校が障害のある子に配慮をしないことは、教育だけでなく、政治や法律の問題としても扱われることになります。

合理的配慮の法的根拠ができたことで、保護者の立場からは

  • 地域の議員に陳情して議会で取り上げてもらう
  • 弁護士に相談して訴訟を起こす

といったふうに、議員や弁護士といった第三者を巻き込んで合理的配慮を訴えやすくなるのではないかと考えています。

もちろん議員を動かすのも弁護士をつけて訴訟するのも、いざ実行するとなれば大きなエネルギーを求められますから、こうした手段に訴えることが常に良いことだとは思いません。

しかし、合理的配慮を学校と話し合う上で、「議員」や「弁護士」といった第3のプレイヤーを意識しながら合意形成に臨めるようになることは、お子さんが望ましい配慮を受ける上で大きな強みになると考えます。

「合意形成」の時代に求められる療育とは

さて、合理的配慮を受けるために必要な合意形成は、学齢期のうちは主として保護者が担います。しかし就職してからは(知的障害を伴う場合などを除けば)その役割を本人が担うことになると考えられます。

療育のゴールをお子さんの将来の自立に設定するなら、本人が合理的配慮を受けるために必要な合意形成能力を身につけることは、大変重要な療育課題となります。

自分の要求を一方的に主張するだけでは、合意形成はできません。相手にどれくらいの力があり、自分の要求にどこまで応えてくれそうか推し量ることができなくてはなりません。

ここは発達障害の中でも特にASDのある人が苦手とする部分で、こうした困難をどう乗り越えていくかは、まだ充分研究されていないテーマであるといえます。

そこで、アナログゲム療育でこうした合意形成能力を高めることができないかと考えています。具体的には「交渉する」「協力する」といった、合意形成の要素が含まれるゲームを用いて、適切な相手に適切な条件を提示できるようになるトレーニングを行うのです。

実際にこうしたトレーニングを経て、お子さんに望ましい変化が生まれています。その様子は、今後のブログでまたお伝えしたいと思います。

 

利用者が集まらない放課後等デイサービスの傾向と対策

療育アドバイザーの松本太一です。

今回は放課後等デイサービスを経営されている、または、これから経営されようとしている方へ向けた記事です。

いよいよ淘汰が始まった放課後等デイサービス業界

今年に入り、開設間もない放課後等デイサービスの苦境、あるいは撤退を耳にすることが多くなりました。具体的にはすでに多くの放デイがある大都市圏で新規参入したものの、競争が激しく利用者が集まらない、という状況が多いようです。

近年、放課後等デイサービスの開設の勢いは凄まじいものがあり、いずれ淘汰が始まると予想してはいましたが、思ったより早くその段階に入ってきている様子です。

しかし、私の知っている事業所さんで、競争が激しい大都市圏においても、開設後一ヶ月で満員になった所があります。あるいは、すでに人気の放デイが新たな事業所を開設したとき、開所前から数十人の待機者が生まれたという話も聞きます。

つまり、選ばれる事業所と、そうでない事業所がある、ということです。

両者の分かれ目はなんでしょうか。

利用者が集まらない理由

新規開設したのに人が集まってこない・・・。私が見聞きした話を総合すると、苦境に立たされる放課後等デイサービスには、ある共通の傾向が見られます。

それは「利用児に提供するプログラムを用意せずに開所している」ことです。

施設の広さや人材配置といった、法律で定められた最低要件を満たしただけで、即開所に踏み切ってしまう。プログラムは、開所後、利用者が増えてきたら追々考えていけば良いや、という考え方です。

放課後等デイサービスの供給が需要に追いついていなかった時は、このような考えでも、子どもを預かってもらえるというだけで、親御さんは契約してくれました。

しかし、近隣の事業所数が増え、親御さんが子どもを通わせる事業所を選べるようになっている状況では、開設当初から他の事業所と差別化できていなければ利用者は集まりません。

そのことをもう少し詳しく解説します。

最初の体験利用者を感動させる

過去に複数の放デイと関わらせていただいた経験からすると、新規利用者獲得のための最も効果のある宣伝は、親御さんの口コミです。

幸先の良いスタートを切れた事業所は、最初に施設を見学しにきた親御さんを「ファン」につけていることが多いです。その親御さんがインフルエンサーとなって、学校やママコミュニティの中で、他の親御さんに紹介してくれ、そこから数珠繋がりに新規申込が入ってくるのです。

従って、利用者を獲得するためには、開所前からきちんとしたプログラムを用意し、最初に見学・体験に来てくれた親子がそのプログラムに満足し事業所のファンになってもらうことが、必要になります。

裏を返せばプログラムが準備出来ていない状態で利用者をお迎えすることは大変なリスクです。自分たちが不十分なプログラムしか提供できないことが、事業所を見学した親御さんを通じて地域のコミュニティに知れ渡る可能性が高いからです。

そうなってから慌ててプログラム構築に力を入れても、確立したマイナスの評判を挽回することは大変に困難です。

なぜプログラムを準備しないのか

これほどのリスクがありながら、プログラムを用意しないまま放課後等デイサービスを開設してしまうケースが後を絶たないのはなぜでしょうか。

このようなケースでは、放課後等デイサービスの経営者の方が、利用者に満足してもらえるプログラムの”レベル感”を理解していないことが多いと感じています。

放課後等デイサービスでは、小学生から高校生までの障害のあるお子さんを日に10人程度お預かりします。この発達段階も障害特性も様々なお子さんたちに、安全にしかも有意義な時間を過ごしてもらうために、どんなプログラムを用意すればいいのか。そのプログラムを実施するためには、どんな設備や教材が必要なのか、スタッフにはどんな研修を受けさせる必要があるのか。そして、トータルでどれだけのコストがかかるのか。

ここの見極めは、特に他業種から参入して来た人の場合、判断が難しいところです。その結果でてくるのが、「わからないものに金をかけるわけにはいかない」という消極的な経営判断です。

それが先に述べた「とりあえずは最低限のところから始めてみよう、プログラムは利用者が集まってから追々開発しよう」という発想に繋がります。

しかし、競争状態に入っている地域に新規参入する場合、こうした考えが自殺行為であることは先に述べた通りです。

とにかく現場に入る

自分の事業所が提供するプログラムのレベル感を判断できないというのは、飲食店に例えれば自分の店で提供している食事が美味しいのか不味いのかわからない、という状況です。

普通なら考えられないことですが、こうしたことがまま起きるのが障害のあるお子さんを対象とした放課後等デイサービスの難しさだと思います。

では、経営者はどうしたら利用者に満足してもらえるプログラムの”レベル感”をつかむことができるのでしょうか。

誰にでもでき、すぐにでき、しかもお金のかからない方法があります。「現場に入る」ことです。

もしあなたがこれから自分の放デイを構えようとしているなら、その前にぜひとも他の放デイで働く経験を持つべきです。すでに自分の事業所があるなら、今すぐにでも現場に入ることです。

現場で障害のある子どもたちと向き合うことで、一日に発達障害のあるお子さんを10人お預かりするためにどれだけの態勢を用意しなければならなのか、肌感覚でつかむことができます。

また、親御さんたちと話をすることによって、自分たちにどれくらいのことが求められているのか、掴めるようになります。

同時に、自らスタッフの一員として働くことで、様々な要請に対し、自分たちがどこまで応えられるのかも、見えてくるはずです。

こうした現場の経験を通じて、

「こうすればもっと質を高められるのではないか」

「この部分はもっと効率化できるのではないか」

といった発想、あるいは、

「この部分は自分たちの経験や知識では解決できない」

「こんな教材が必要だ」

といった課題感も生まれてきます。

こうした発想や課題感ができあがってくれば、自身の事業所を開設するにあたって新しいプログラムを開発するときでも、どれくらいのコストをかければ満足してもらえるプログラムができるか、見込みがつきやすくなります。

【2月】発達ナビ掲載記事のまとめ

発達障害のポータルサイト「LITALICO発達ナビ」

こんにちは。アナログゲーム療育アドバイザーの松本太一です。

1月に立ち上がった発達障害のある人のためのポータルサイト「LITALICO発達ナビ」。日々日々大量のQ&Aとコラムが掲載されており、発達障害に関わる人にとって早くも欠かせない情報源になった感があります。

私も、これまで4本の記事を執筆させていただきました。

以下、発達ナビで掲載した記事を、簡単な解説とともにご紹介します。

 

ルール理解に最適!アナログゲームのススメ[2~6歳向け]

幼児から大人まで幅広く遊べる定番中の定番ゲーム、「スティッキー」の紹介です。お子さんのコミュニケーション力形成のためにゲームが果たす役割についても解説しています。

 

かんしゃくの原因、見落としてない?

ゲームに負けた時にお子さんがかんしゃくを起してしまうことについて、原因と対策をまとめました。かんしゃくで困っている方は多いらしく、1万view近い閲覧数を獲得しました。

 

ゲームで「他者への関心」を育もう

身の回りにあるカタログ的な物がなんでもゲームになってしまう「かたろーぐ」を紹介しました。他者理解を深めるのに適したゲームで、発達障害児への実践が新聞に取り上げられた経歴もあるゲームです。

 

自然な会話が生まれる!質問力が身につくカードゲームのすすめ

質問するという行動を繰り返し体験できる「わたしはだあれ」というゲームを紹介しました。ソーシャルスキルトレーニングの教材としてアナログゲームを用いた典型的な事例です。異年齢集団の関わりの重要性にも言及しました。

療育に欠かせない、ピアジェの認知発達理論

アナログゲームを用いた療育について、これまで、放課後等デイサービス「オルオルハウス」さんでの実践をご紹介してきました。

これらの記事を読んでいただくと、私がお子さんの認知能力の発達にスポットあてて療育していることが理解いただけるのではないかと思います。

次のステップに進む前に、いったん認知能力とは何なのか整理しておきましょう。

子どもは『小さな大人』ではない

人間の認知能力について研究し、その発達過程を明らかにしたのが、スイスの心理学者ジャン・ピアジェ( 1896 – 1980)です。

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20世紀において最も影響力の大きかった心理学者の一人ジャン・ピアジェ。教員資格試験や保育士試験などを受けたことがあるなら、その名前を耳にしたことがあるはず。

「子どもは『小さな大人』ではない」とピアジェは言いました。

多数の実験により、彼は子どもが、大人とは異なる独特の物の捉え方や考え方をしており、その特性が、年代ごと段階的に変化していくことを明らかにしました。

この「独特の物の捉え方や考え方」という言葉は、発達障害を表す時にもよく使われます。ADHD、ASD、LDなどの発達障害のある人にもそれぞれ独特な物の捉え方や考え方があり、こうした障害を持つ人と関わるときは、そうした特性の理解が大切であることを、私達は知っています。

他方、ピアジェによれば「子ども」という生き物自体にも、それぞれの年齢ごとに独特の特性があり、大人と同じようにできなかったり、その年代の子どもならではの考え方で物事を進めようとするのです。

従って、「発達障害」のある「子ども」を療育するのなら、「各障害ごとの特性」を理解するだけでは不充分で、「各年代ごとの子どもの発達特性」をも理解する必要があります。

療育の横軸を「障害特性」とするなら、縦軸にあたるのが「認知発達段階」。この両方のかけあわせがないと、本当の意味でお子さんに合わせた療育はできません。

認知発達の四段階

ピアジェは各年代の子どもを対象とした実験の結果をもとに、子どもが大人へと発達していく過程を、以下の4段階に分けました。

1 感覚-運動期 0~2歳
2 前操作期 2~7歳
3 具体的操作期 7~12歳
4 形式的操作期 12歳以上

この4段階全てでキーになっているのが、以前にも解説した「シンボル機能」です。

シンボルとは、ある具体的な事象を、別のもので代表したもので、シンボル機能はシンボルを使いこなす機能のことを指します。シンボルの代表例が、「名前」です。

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実写とイラストで質感や色味が全然違う二つの画像が、同じ「トラ」を表しているとわかるのは、私達がそれらを「トラ」という名前で呼ぶことで、同一であると認識しているからです。

名前の他に、数や量、あるいはゲームのルール、「道徳」や「社会」などといった抽象的な概念までもがシンボルに含まれます。

そして、子どもが大人になるまでの過程で、様々なシンボルの存在を理解し、それらを自由に使いこなせるようになっていくことを、ピアジェは明らかにしたのです。

以下、それぞれの発達段階について解説していきましょう。

「感覚-運動期」の子ども

健常児の0~2歳にあたる「感覚-運動期」は、シンボル機能がまだ形成されていない段階です。

この時期の子どもは、いわば「目に見えるものだけ・耳に聞こえるものだけ・手に触れるものだけが全て」という世界に生きています。

興味のある遊びも、動きや音、触感などの感覚に訴える単純なものになります。

シンボル機能がまだないため、シンボルの一種である「ルール」が存在するゲームは、まだ遊ぶことができません。

「前操作期」の子ども

「前操作期」というのは、「シンボル機能を自由に操作できる手前の段階」という意味です。

2歳以降になると、物に名前があることが理解でき、それ伴って言葉を発するようになります。やや複雑なシンボルである「ルール」も徐々に理解できるようになり、それを他の子と共有することで集団で遊べるようになります。

しかし、シンボル機能を自由に操り、「A案とB案を比較してより望ましい方を選択する」とか、「報酬と危険を天秤にかけてより高い成果が得られそうな方を選択する」といったように合理的・戦略的な思考をすることは、まだできません。

実例からみる認知発達段階

これまでご紹介してきた例の中では、ルールを理解して遊ぶことはまだ難しいけれども、カード遊びで異同の弁別ができたAさんは、「感覚-運動期」から「前操作期」への移行期、言い換えればシンボル機能の芽生えの時期にあると言えます。

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また、ゲームのルールを理解して楽しむことができるもの、数や量といったシンボルを自由に使いこなすことはまだ難しかったBくんは、「前操作期」のただ中にいると考えられます。

雲の上のユニコーン

「具体的操作期」

認知発達の第3段階である「具体的操作期」に入ると、複数のシンボルを組み合わせるなどの自由な操作ができるようになり、さらには状況を客観的に把握し、合理的・戦略的な思考ができるようになってきます。

下の写真は、「具体的操作期」に差し掛かろうとする子どもたちのゲームの様子です。

パカパカお馬

ルールという「目に見えないシンボル」を共有し、そのルールの中で自分がどう振る前ばよいか合理的に考えている。そんな様子が、写真からもなんとなく伝わってくるのではないでしょうか。

次回はこの写真の場面を解説しながら、「具体的操作期」のある子どもたちの合理的思考を促す療育を解説していきましょう。

【放課後等デイサービス向け】スムーズかつ安全な療育の工夫

障害のある子たちの集団活動で、安全を確保するには

放課後等デイサービスでは、多動性や衝動性、あるいは様々な感覚の過敏を持った発達障害のある子たちを日に10人近くお預かりします。

こうした子どもたちに事業所で安全に過ごしてもらうためには、一連の活動をスムーズに行えるよう、教室の環境を整えたり、スタッフがサポートしたりする必要があります。

そこで、私が療育アドバイザーとして複数の放課後等デイサービスに関わった経験をもとに、スムーズかつ安全な療育を実現する工夫を以下にまとめてみました。

①来所→教室に入るまでの混乱を避ける

お子さんが来所してから教室に入るまでには、意外とたくさんのステップがあります。

最低でも

  • 靴を脱いで下駄履に入れる
  • ランドセルをロッカーにしまい、上着を脱いで所定の場所にかける
  • 手を洗ってうがいをする

この3つはどこの事業所でもやっているはずです。

しかし、お子さんの中には、手も洗わずランドセルを背負ったまま教室にすっ飛んで行こうとする子もいれば、手先が不器用で上着をハンガーにかけるのが困難な子もいるなど、中々スムーズには進みません。そのため、利用児が増えてくると、来所時間は下駄箱まわりが子どもたちで渋滞してしまうことが多くなります。

このとき、スタッフが場当たり的に対応していると、必ず手が行き届かない子がでてしまい、順番争いで喧嘩がおきたり、手順を守らず教室に入ってしまう子が続出するなど、毎回大混乱に陥ってしまいます。

こうした混乱を防ぐために必要な対策として、来所→教室に入るまでの流れを、文章(できれば写真も)に表したものを下駄箱周辺に掲示し、お子さんに周知することが大切です。

また、スタッフはだれがどの作業をサポートするか、飛び出そうとする子をだれが抑えるか、事前のミーティングで役割分担を明確にしておく必要があります。

②危険な行為は、まずその行為を辞めさせた後、注意する

たとえば、教室で長い棒を振り回していた子がいたとします。このときによくみかけるのは、スタッフが「◯◯くん、その棒危ないから先生に渡して。ねえ、渡してって言ってるでしょ」などと言いながら、お子さんの後ろをついて回っている光景です。

これは危険な状態です。なぜなら、後方からのスタッフの言葉に気を取られ、棒の先端の行方に注意を払えていない可能性が高いからです。

こうしたときは、まず「棒を取るよ」を一声かけた上で、サッと棒を取り上げてしまいます(一声かけるのは、お子さんを驚かせないためです)。その後で、「教室で棒を振り回すのは危ないからやめてね。この棒をしまっておきます」と説明します。

転落の恐れがあるような高所に登っている子も同様です。まず「降ろすよ」といいながらその子を抱いて地面に降ろします。そのあとで「落ちたら危ないから、登っちゃだめだよ」と注意します。

登っている子に後ろから「◯◯くん、そこにいたら危ないでしょう。降りなさい」などと注意するのは先の例と同じ理由で危険です。

③トランポリンかバランスボールを用意する

多動で離席があり、教室内であばれたり外に出ようとする子への対応として、トランポリンやバランスボールを用意するのは有効です。

トランポリンは大掛かりに思えるかもしれませんが、一人用の小さなものがamazonで4000円代からあります。場所もそれほど取りません。

 

バランスボールなら1500円ほどですみます。サイズがいろいろ有りますが、小さめの55cmが良いでしょう。

 

トランポリンの上で飛んだり、バランスボールに座って揺れることで、体を動かしたいといういうお子さんの欲求をみたしつつ、体はその場にとどまることができます。そのため、先生の話を聞いたり活動に参加できます。離席した子が居場所がなくして、フラフラと外に出て行ったりしてしまうよりは、ずっと良いのです。

ただし、それぞれ弱点があります。トランポリンは飛び降りた時衝撃が床に伝わるため、騒音トラブルの原因になる可能性があります。事業所がマンションの中階にある場合などは避けるべきでしょう。

バランスボールは自由に使わせると子ども同士の投げ合いが始まり、他の子にぶつかってしまうことがあるので、必要なとき以外はしまっておいたほうがよいでしょう。

④子どもを興奮させすぎない

若い男性のスタッフにありがちな失敗として、自由時間にプロレスごっこや肩車、鬼ごっこなど体を大きく使った遊びをした結果、お子さんが自身の安全に配慮できないほど興奮してしまい、ほかの子や物に衝突して怪我をしてしまうことがあります。

基本的に屋内では、自由時間中、走ったり、激しい身体接触を伴う遊びは避けるべきでしょう。その代わり、カリキュラムの中に運動プログラムや屋外遊びを取り入れたりして、思い切り体を動かす機会を作るべきです。

⑤日々の療育カリキュラムを組む

最大の安全対策は、お子さんが飽きずに楽しんで取り組めるカリキュラムを用意することです。

発達障害のある子どもたち10人が、一つの部屋の中で何時間も「ただなんとなく」過ごす、というのは基本的にムリな話です。いかなる安全対策をとっても、危険やトラブルは避けられません。

発達段階に合わせた課題を用意し、子どもたちはその課題を楽しみながら一生懸命取り組む。スタッフはその取り組みをサポートし、課題を達成できた喜びを分かち合う。そういう態勢ができあがることは、お子さんの成長を促す上で大変重要なことですが、活動自体の安全性を確保する上でも必須です。