すごろくや新講座のお知らせ

秋のアナログゲーム療育講座は学童編です

毎月東京・高円寺で開催しているアナログゲーム療育講座。秋は小学生のお子さんと関わる方を対象とした学童編を開催します。各講座の詳しい内容は、リンク先からどうぞ。

9月17日(日)の学童編前編は、認知面からのアプローチを解説します。コミュニケーションや計画的な行動に必要となる「客観的思考」や「他者視点の獲得」を学ぶゲームを開設します。

10月22日(日)の学童編後編は、心理面からのアプローチです。「ゲームに参加しない」「負けるとかんしゃくを起こす」「ルールを破る」などの問題行動がなぜ起きるのか、その原因を探るとともに、ゲームを通じて人と関わることへの不安を解消する関わり方をお伝えします。

新たに「応用編」を開催!

定期的に講座に参加してくださっている方から「新しいゲームも紹介してほしい」とのご要望を頂いています。

そこで新たに「応用編」として、年齢ではなくテーマでまとめた新しい講座を開催します。応用編と題していますが、初めての方でも理解できる内容です。

10月29日(日)は「役割を演じるゲーム」というテーマで、普段の日常とは違う自分を演じる必要があるゲームをご紹介します。

発達障害のある方の場合、たとえば就職面接で、評価に悪影響を与えてしまうようなことまで正直に答えてしまうことがあります。自分にどんな役割を求められているのかを理解し、事実や自分の気持から一端はなれて、役割に徹する経験をすることで、柔軟なコミュニケーション能力を身につける練習をします。

小学校中学年から大人までの方がプレイできるゲームをご紹介します。

大好評だった「協力ゲーム」講座

また11月19日(日)は、「協力ゲーム」講座です。プレイヤー同士で競い合う代わり、共通のゴールに向かって協力し合うタイプのゲームを紹介します。

こうしたゲームは総合的なコミュニケーションの練習として最適です。昨年に一度だけ開催したのですが大変好評で再演のご希望を多く頂いていた内容です。

小学校低学年から大人まで幅広く遊べるゲームをご紹介します。

なお、11月19日は初のダブルヘッダーとなり、19日の協力ゲーム講座の前に中高生・大人編の前篇が行われます。協力ゲーム講座のゲームは中高生や大人の方の支援でも活用できますので、二つとも受けるのもオススメです。

「応用編」はこれからも多く企画していきたいと思っていますので、ご期待下さい!。

 

放課後等デイサービス経営のポイント~マネジメントについて~

アドバイジングの経験から得られた原則

サービスの質が玉石混淆と言われる放課後等デイサービス。
 
私はこの分野で、療育アドバイザーとして多くの事業所さんと関わってきました。また直接関わっていない事業所さんの様子も多く見聞きしました。その中には感動的なサービスを提供している事業所さんもあれば、目も当てられない惨状に陥っているところもありました。
 
その経験を通じて、放デイの経営には守るべき1つの原則があるのでは、と考えるようになりました。それは、
 
教室運営にまつわる権限を、経営者から管理者へ、管理者から現場職員へと、できるだけ下位に移していく
 
という原則です。
 
 

トップダウン型のマネジメントが現場を壊す

サービスの質が上がらず、職員が定着しない組織の多くが、極端なトップダウン型のマネジメントをしていました。
 
たとえば、全ての判断を経営者が行っており、現場スタッフはそれに従うだけの組織。あるいは実施するプログラムや業務内容に厳格なマニュアルがあり、そこから外れることが許されない組織。
 
こうした組織は、デイの利用者である、様々な発達段階・障害特性のお子さんが見せる圧倒的な多様性に対応できません。具体的には、お子さんの発達段階にあわない課題やアクティビティを設定して無理やり取り組ませたり、問題行動に個別対応せず放置してしまうといった傾向が生まれます。結果としてお子さんが荒れてトラブルやクレームが頻発し、その対応に職員も疲弊して離職。さらにサービスの質が落ちるという悪循環に陥ってしまうのです。
  
こうした悪循環に陥っている組織は、もとをたどると他業種からの参入が多いようです。別の業種で、上からの一方的なマネジメントやマニュアル化した画一的なマネジメントで成功した経験を、そのまま多様な子どもたちが利用する放デイの運営に当てはめてしまうのです。
 
こうした「成功体験の誤った当てはめ」は、塾産業のような隣接した業界から参入した事業体ですら見られます。塾は学年によって何を教えればよいか決まっています。しかし、放課後等デイサービスでは一人ひとりのお子さんの発達段階や支援ニーズを把握してのち、その子に何を提供するかを決めるのです。
 
障害のある子たちの圧倒的な多様性、個別性の高さを見越して組織づくりを行うことは、いかに先見の明のある経営者さんでも、障害児福祉の経験なしには難しいことなのだと、日々のアドバイジング業務を通じて感じています。
 
トップダウン型のマネジメントについて、もちろん例外はあります。経営者が、経営ができマネジメント能力があり、なおかつ障害児に合わせたプログラム開発や個別対応までできるスーパーマンである場合です。
こうしたカリスマ経営者が率いる事業所は、質の高いサービスを提供しています。ただし、経営者が目指す高い水準についていけるスタッフを発掘・育成することは常に難しいことから、規模の拡大はゆっくりしたペースとなる傾向があります。
 

経営が上手く言っている事業所は現場の裁量が大きい

さて、サービスの質が一定以上で職員の定着も良く、なおかつスムーズに事業所を展開できているところをみると、採用やプログラム設計、人材育成に関する現場の権限が大きいのです。
裏を返せば、経営者が出しゃばらずとも管理者は自律的に教室を運営でき、現場のスタッフはいちいち上から指示を受けなくても自分で考えて行動できる。そういう人材を揃えているのです。
 
「そんな人が雇えるなら誰も苦労はしないよ」という経営者さんの声が聞こえてきそうです。しかし、アドバイザーの視点で客観的にみていると、トップダウン型の事業所は例外なく採用基準も甘いのです。資格要件を満たしていればパッと採ってしまう。それは採否を決定する経営者や幹部社員が「自分がマネジメントするから」「マニュアルがあるから」という理由で、本人の能力や人格に少々問題があってもなんとかやれるだろうと考えてしまうのです。
 
他方、現場裁量を重視する経営者さんの場合、雇用者に求める能力の水準は高くなります。そのため自身が丁寧に面接しますし、実際教室に入ってもらって子どもと関わる様子もみますし、そうした綿密な選考の結果として不採用も多く出します。
だから常に「ウチは人材不足です」と嘆いておられる。その代わり、雇った職員が1ヶ月足らずで辞めたり、仕事ができない職員が無理に会社にぶら下がろうとして労使トラブルが起きたりすることはまずないのです。
 

採用に時間とコストをかけるべし

ここまでの記述を踏まえて、もう少し具体的な指針を示してみましょう。
 
・放課後等デイサービスには多様な発達段階・障害特性のお子さんが通うため、提供するサービスの個別性が極めて高い。
 
・高い個別性に対応するには上から下へ権限移譲を積極的に進め、現場のスタッフが迅速かつ柔軟な判断ができるようにする必要がある。
 
・大きな権限を与えても自律的に動ける人材を集めるため、採用にかける時間とコストの優先順位を高める必要がある。
 
今回は放デイ経営のポイントとしてマネジメントや採用の部分で気づいたことをお伝えしました。もう一つ重要なのが雇ったスタッフの育成です。これも難しい問題です。次回お伝えしようと思います。
 

すごろくやアナログゲーム講座のお知らせ

 
毎月、東京高円寺のすごろくやではアナログゲーム療育の講座を行っています。次回は8月20日の幼児編です。放課後等デイサービスに多く在籍する知的障害のあるお子さんと関わる上でも有益な内容です。詳しい内容やお申込みはこちらからどうぞ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
個人レベル・事業所レベルそれぞれの個別性の高さに対応するためには、お子さんに提供するプログラムの開発や教材の購入、外部講師の選定や採用、イベントの企画、あるいは職員の採用といったことは、なるたけ経営者が抱え込まずに現場の管理者に任せ、さらに管理者はなるたけ直接子どもと接する現場スタッフに企画させ、実行させることが、スムーズな経営と質の高いサービス提供に繋ると考えられます。
逆にいえば、経営者が子どもに提供するプログラムから教材まで全てを決定し、精密なマニュアルを作ってトップダウンでスタッフを動かそうとすると、発達障害のあるお子さんに求められる対応に関する圧倒的な個別性の前に破綻をきたしかねない、ということです。
 
素晴らしいサービスを提供し、スタッフも自信と安心感をもって働けている事業所もあれば、サービスの質が低くそのことに疑問を感じたスタッフの退職が相次ぐような事業所もあります。後者のケースでは、多くの場合、経営者がトップダウン式な高圧的なマネジメントを行い現場に裁量を任せない、という傾向がありました。