9/2東京 放課後等デイサービス研修のお知らせ

9/2 東京千代田区にて

9月2日(日)。放課後等デイサービス従事者に向けた研修を開催します。

主催はジャパンライムさん。今年1月に開催して好評だった講座の第2回めとなります。

内容については

・放課後等デイの役割

・教室環境の設定

・保護者面談

・個別支援計画の作成

・発達段階にあわせた課題選び

・職員の動き方

など盛りだくさんの内容です。

いずれにしても「まずはここから」「最低限ここだけは」という基本的な内容をお伝えします。発達段階に合わせた課題選びでは、お子さんのレベルにあわせたゲームを実際にプレイしていただきます。楽しみながらお話を聞いていただければと思います。

DVDの販売

会場までいらしていただくのが難しい方には、DVDの販売もありますので、こちらからどうぞ。

 

書籍「コミュニケーション力を育てるアナログゲーム療育」刊行

書籍「コミュニケーション力を育てるアナログゲーム療育」が(株)ぶどう社さんより出版されました。幼児期から学齢期までのお子さんに適したゲームを約20種類、指導のポイント解説とともに紹介しています。

ご購入は下記からどうぞ。

Amazonサイト:

楽天ブックス:https://books.rakuten.co.jp/search/nm?g=000&sitem=%A5%A2%A5%CA%A5%ED%A5%B0%A5%B2%A1%BC%A5%E0%CE%C5%B0%E9&x=0&y=

スペース96:https://www.space96.com/php/user/item_detail.php?store_id=space96&flow_id=joVuqn&from_page_id=new_arrival_list49044900&youto_kbn=1&andor=and&item_cd=s18072404

ぶどう社さんサイト:http://www.budousha.co.jp/booklist/book/anarogugame.htm

なお、ネット書店では品切れが発生しているところもあるようです(7月31日時点)。お急ぎの方はぶどう社さんに直接電話・メール・FAXでお申し込みください。

 

お子さんの発達段階にあわせてゲームを紹介

アナログゲームを療育に応用する上で一番大切なのが発達段階にあわせたゲーム選びです。本書では、幼児期から学齢期までのゲームを3つのレベルにわけ、各レベルにあわせたゲームと関わり方のポイントを整理して解説しています。

 

 イラストがわかりやすい!

本書の特徴となっているのがまうどんさんの解説イラストです。ゲーム中にお子さんが見せる様々な行動や指導員の関わり方が具体的にイメージでき、大変理解しやすくなっています。すでにゲームを使ってお子さんと関わっている方は「こういう場面あるある!」と実感を持って感じられると思います。

本書で紹介したゲームはいずれもアナログゲーム療育で用いるゲームのエース格ばかり。療育を抜きにしても必ず楽しめるゲームです。本書を手にとっていただいて、まずは一つゲームを購入されてお子さんと遊んでみることをおすすめします。

エッセイ:「休日」について

 フリーランスとして働いていると仕事日と休日の区別がつきにくくなる。私の場合、仕事日といっても一日フルで予定がつまっていることはなく午前だけ、午後だけといった日が多いし、仕事のない日はない日で原稿の執筆や講演スライドを作成しているので休日とも言いにくい。

幸いに、仕事が趣味で趣味が仕事といった日々ではあるけれど、それはそれとして仕事と休みの区別が曖昧であることに漠然とした居心地の悪さを感じていた。

 そんな折、あるエッセイに「人間は天心で生きるべきだ」という言葉を目にして、これだ!とおもった。天心とは生まれたての子どものような気持ち。そんな気持ちで過ごせる一日こそが本当の休日だと思った。

小さな子どもには未来も過去もなく、今この瞬間を生きている。

私は休日を、「過去のためでも未来のためでもない日」と考えてみることにした。過去に負わされたタスクを処理する必要もなく、未来に向けて何かを準備する必要もない、今日この日のためだけに時間を消費する。

やり残した仕事に追われるのは論外だが、「明日からの仕事に備えて今日は体を休めねば」と思うのも本当の休日ではない。明日がどうであろうと今日やりたいことをやるのが休日だ。

そう考えるようになってから、休日が誠に贅沢なものとして楽しめるようになった。最もそんな休日を過ごすためには、それ以外に日にやるべきことはやっておかねばならないのだが・・・。

 

趣味で初めて1年になる弓道。先月初段を得た。過去でも未来でもなく、今この瞬間に全てを込める。

【リニューアル】7/15 すごろくやアナログゲーム療育講座

アナログゲーム療育講座がリニューアル

多くの方に好評いただいているアナログゲーム療育講座。7月より、最新の知見やゲームを取り入れてリニューアルします。

初回となるのは、7月15日(日)に開催する「入門編」。リニューアルに際して新たに設定した新講座です。

アナログゲーム療育で最も重視しているのが、お子さんの発達段階にあわせたゲーム選びです。この講座では、言葉が出るか出ないかの段階にあるお子さんから、成人に至るまでの認知発達段階を順を追って解説しながら、それぞれの段階にあわせたゲームを実際にプレイします。

ゲームを通じて、人間の認知能力、ひいてはコミュニケーション能力がどのように発展していくのかを体験的に理解できる講座となっています。発達障害のある方と関わる人だけでなく、広く教育や遊びに関わる人にとっても参考になる講座だと思います。ご参加をお待ちしています。

9月以降は年代ごとに毎月講座を開催

8月はお休みをいただき、9月以降から毎月講座を開催します。

9月16日(日) 幼児編

10月21日(日) 学童編前編

11月18日(日) 学童編後編

各講座の概要や体験予定ゲームについては、リンク先を御覧ください。

皆様の参加をお待ちしています。

 

 

2・3月の講座:アナログゲーム療育

2・3月はアナログゲーム療育の講座が多数開催されます。以下、まとめてご紹介です。

2月12日(月・祝)浅草パズル&ゲームフェスティバル

台東区民会館で開催されるパズルとゲームの祭典に講座&ゲーム体験で参加します。主催はTOIQUE(トイーク)さん。子どもから大人までが楽しめるイベントになっています。講座では、人と関わりあう自信をつけるゲームと選び方と大人の関わり方をお伝えします。事前申し込みが必要になりますので、上記リンクからどうぞ。(イベント全体の概要はこちらです。)

2月18日(日) すごろくやアナログゲーム療育講座 幼児編

毎回好評をいただいている東京・高円寺のすごろくやアナログゲーム療育講座。新しいクールが2月18日の幼児編より始まります。対象は、幼児、あるいは知的な遅れのあるお子さんと関わる方が対象です。すでに定員間近となっておりますので、上記リンクよりお早めの申込をどうぞ。

また、3月以降の講座も募集中です。

3月18日(日) 学童編前編

4月15日(日) 学童編後編

以下、毎月続いていきます。すでにお申込みの半数が埋まっている講座もありますので、こちらもお早めにどうぞ。

2月24日(日) 対談:ボードゲーム×教育#2 〜五教科で考える〜

ボードゲームショップすごろくや代表の丸田康司さんとの松本がボードゲームと教育について語る対談の第二弾。前回大好評で「もっと2人の話を聴きたい!」という声を多数いただいたことから実現しました。

今回はボードゲームの教育的応用ついて、国数英理社の五教科に沿って考えていこうという趣旨です。今話題のプログラミング教育についても取り上げます。テーマを絞り込んだことで、前回に増して内容の濃いお話ができるのではないかと思います。

3月17日(土) 東京・立川市講座 「コミュニケーション力を伸ばす!」(PDFが開きます)

立川市子ども未来センターでの開催です。ボードゲームで子どもたちと関わる活動をしている「ボードゲームキャラバンおむすび」さんの主催です。こちらの講座では、中高生や大人の方を対象にコミュニケーション能力を伸ばすためのゲームと支援者としての関わり方をお伝えします。お申込みフォームはこちらです。

 

 

 

 

 

 

 

2・3月の講座情報です。

 

1月21日 すごろくや講座 中高生・大人編(後編)

毎回好評をいただいているすごろくやアナログゲーム療育講座。

1月21日(日)は中高生・大人編(後編)です。

「見通しを立てる力」を身につけるゲームをご紹介します。前編とは独立した内容ですので、前回参加していない方も上のリンクからお気軽にお申し込みください。

学業や仕事で見えてくる「見通しを持つ力」の困難さ

発達障害のある中高生や大人の人が、学業や仕事で直面しやすいのが「見通しを立てて行動すること」の困難です。具体的には以下のような場合が多く見られます。

  • 仕事の優先順位がつけられない
    • AさんとBさんから同時に依頼されると混乱してしまう
  • 長期的な計画に基いて行動することの困難
    • 履修計画やレポート、卒論作成の困難(大学生)
  • 衝動的な行動
    • クレジットカードで払える以上の金額を浪費する
  • 仕事のペースのコントロール困難
    • 締め切り直前になってから慌てて動き出す
    • 仕事を頼まれると断れない

前編で主に取り扱ったコミュニケーションの問題に比べると、見通しを立てることの困難さは後になって明らかになることが多く、支援者にもご本人も明確には意識しづらいものです。

しかし、実際には「できないことでもできると言ってしまう」というコミュニケーション上の課題が、実は見通しを立てることの難しさに起因していることもあるなど、両方の課題が絡まりあって、生活上の困難を着たしている場合が多いと感じています。

テレビ電話を使った遠隔での就労支援の光景。

「見通しをつける力」を身につけるゲーム

次回の講座では、「見通しをつける力」を身につけるゲームとして、「街コロ」と「ボーナンザ」を体験いただく予定です。どちらも中高生の療育と成人の就労訓練で大いに活躍しています。

街コロは、「計画的に行動する」ことを学ぶゲームとして最適です。サイコロを振ると、自分が持っている建物に応じたお金を得ることができます。そのお金で新しい建物を買い、さらにもらえるお金が増える・・・、といった具合に拡大再生産を気軽に体験できます。勝利するためには効率の良い拡大計画を作ることが求められます。

ボーナンザは、豆を手に入れて畑に植え、育てて収穫してお金を得るゲームです。植える豆は他のプレイヤーとの交渉で手に入れることができます。「見通しを持って行動する」ことと「相手の立場に経ってコミュニケーションする」ことの両方が学べるゲームです。

指導ポイントの見極めが大切

この二つのゲームは普通にプレイしただけで、誰もが「見通しを持って行動する練習になる」とわかる強力な説得力があります。それだけに、「ただプレイさせるだけ」になってしまいがちなのですが、それでは療育や就労訓練としては不十分です。

学業や就労上の直面しやすい困難と結びつけて、プレイの際にどんなポイントを重視し、どう指導に繋げていくのか、これまでの経験を踏まえて解説します。

 

2月から新たなクールが始まります

アナログゲーム療育講座は、2月から新しいクールとなります。

2月18日(日)の「幼児編」から続けてご参加いただくことで、幼児期から成人期までの認知発達段階と各段階におけるゲームを使った療育について総体的に理解いただけます。

具体的な日程やお申込みについては、下記のすごろくやさんのウェブサイトからお申込みください。

皆様のご参加をお待ちしております。

11月のアナログゲーム療育講座+対談イベント

11月のアナログゲーム療育講座

毎月すごろくやで行っているアナログゲーム療育講座。11月19日(日)は初のダブルヘッダーで開催です。

14時より「中高生・大人編(前編)」、18時より「応用編:協力ゲーム講座」となります。

 

「中高生・大人編」では、就職を意識した「職場で求められる臨機応変なコミュニケーション力」を身につけるために、相手の立場にたって考えたり、先の見通しを立てて動く練習ができるゲームを紹介します。

「応用編:協力ゲーム講座」では、プレイヤー同士が勝ち負けを競う代わりに、共通の目的にむけ協力しあうゲームを紹介します。協力ゲームはプレイヤー同士の関わりが活発になるため、コミュニケーションの総合的な練習として最適です。小学3年生くらいから大人までが楽しめるゲームを紹介します。

この二つの講座はどちらも「臨機応変なコミュニケーション能力」を身につけることを主眼に構成されているので、ぜひ二つ続けて参加されることをオススメします。合計6時間の講座になりますが、ゲームの体験を多く含みますので楽しみながら参加いただけると思います。

11月23日(木祝) すごろくや代表丸田さんとの対談

すごろくや代表である丸田康司さんとの対談が実現しました。

「ボードゲームって教育に使えますか?」をテーマに以下のように多岐にわたるトピックでお話をする予定です。

  • ボードゲームでコミュニケーション力は身につくの?
  • ゲームで学んだことは実生活で役立つ?
  • プログラミング教育・アクティブラーニングに使える?
  • デジタルゲームとの違いは?
  • ゲームをやったことのない人に楽しさや価値を伝えるためには?

私がアナログゲーム療育を開発したのは丸田さんが代表を務めるすごろくやさんで数多くのゲームと出会ったことがきっかけでした。

丸田さんは元はテレビゲームの開発者でもあり、デジタルゲームとアナログゲームの枠を越えてゲームのそのものの本質について深い見識をお持ちです。私もアナログゲーム療育の理論を作る上で丸田さんに多くの影響を受けています。

意義深い対談になることは間違いないと思いますので、ぜひ皆さんの参加をお待ちしています。

 

【療育テクニック】お子さんの目線に注目する

言葉のないお子さんへの療育

私達はお子さんを教育するとき、もっぱら言葉に頼っています。しかし言葉をまだ獲得していないお子さんの療育では言葉が使えず、経験の浅い指導者は戸惑うことになります。

たとえば、言葉を獲得していない子に指導者が「こうしなさいって言ったでしょ。どうしてできないの?」などと言葉で問いかけているのをよく目にします。その子が言葉は理解できないと頭ではわかっていても、いざ指導するとなると言葉で伝える以外の方法をしらないので、そこに頼らざるを得ないのです。

お子さんの目線に注目する

こうした時、指導者には「お子さんの目線に注目しましょう」とアドバイスしています。こちらの指示がお子さんに通っているかどうかは、お子さんの目線が示してくれるからです。

よくあるのは、指導者が指をさして指示する際、指導者の注目が、お子さんの目線ではなく、自分が指示した指先に置かれてしまっているケースです。その結果、お子さんがそっぽを向いて指示を見ていないのに、指導者はそこに気づけていないという状況がおきます。

本来であれば、指導者は指示を出しながら、お子さんの目線に注目する必要があります。お子さんの目線が自分が指示した先にしっかり向いているかどうかを確認するのです。

目線が外れているときはどうするか

では、指示をだしてもお子さんがそっぽを向いて注目してくれないときはどうすればよいのでしょう。お子さんの顔に手をあてがって直接目線を動かす流派もありますが、お子さんが嫌がることが多いので私は使っていません。

私の場合は、対象物にお子さんの目線を向ける代わり、注目してもらいたい対象物(例:机上に置かれたカード)を、お子さんの目線の先に持って行きます。

お子さんが対象物に注目したのを確認したら、今度はそれを本来の位置(机上)にゆっくり戻します。このとき指導者の注目は、当然お子さんの目線に注がれなければなりません。対象物が移動するに従い、お子さんの目線もまた正しい位置に戻ってくるかどうかを確認します。

それでもお子さんの注目が得られないとなれば、その場のテクニックでどうにかなる問題ではなく、課題設定・環境設定から見直さなければなりません。

上の例でいえば、お子さんがカードにちっとも興味を持っていない、もしくは興味が教室内の別のところに向いているのです。または、指導者との信頼関係が充分築けていない可能性もあります。原因を見つけて、そこににあわせた対策を行う必要があります。

座る位置も大切

指導者が常にお子さんの目線に注目できるためには、座る位置も重要です。

一対一の指導では、下の写真のようにお子さんが机に座っている位置の側面、または対面に座ります。

東京・青梅市にある放課後等デイサービス「オルオルハウス」さんの実践より。一対一の療育では、指導者は写真のようにお子さんの側面か、または対面に座ることが望ましい。

しばしば、指導者がお子さんのま隣または斜め後ろに座り、両者が同じ方向を向いて療育している場合がありますが、その位置関係では指導者がお子さんの目線を確認するのに顔を大きく横に動かさないとならず、大変なので指導者がお子さんの目線に注目しなくなる原因となり、望ましくありません。

 


すごろくやアナログゲーム療育講座 毎月開催中

9月17日(日) 学童編(前)

10月22日(日) 学童編(後)

お申込みはこちらからどうぞ。

すごろくや新講座のお知らせ

秋のアナログゲーム療育講座は学童編です

毎月東京・高円寺で開催しているアナログゲーム療育講座。秋は小学生のお子さんと関わる方を対象とした学童編を開催します。各講座の詳しい内容は、リンク先からどうぞ。

9月17日(日)の学童編前編は、認知面からのアプローチを解説します。コミュニケーションや計画的な行動に必要となる「客観的思考」や「他者視点の獲得」を学ぶゲームを開設します。

10月22日(日)の学童編後編は、心理面からのアプローチです。「ゲームに参加しない」「負けるとかんしゃくを起こす」「ルールを破る」などの問題行動がなぜ起きるのか、その原因を探るとともに、ゲームを通じて人と関わることへの不安を解消する関わり方をお伝えします。

新たに「応用編」を開催!

定期的に講座に参加してくださっている方から「新しいゲームも紹介してほしい」とのご要望を頂いています。

そこで新たに「応用編」として、年齢ではなくテーマでまとめた新しい講座を開催します。応用編と題していますが、初めての方でも理解できる内容です。

10月29日(日)は「役割を演じるゲーム」というテーマで、普段の日常とは違う自分を演じる必要があるゲームをご紹介します。

発達障害のある方の場合、たとえば就職面接で、評価に悪影響を与えてしまうようなことまで正直に答えてしまうことがあります。自分にどんな役割を求められているのかを理解し、事実や自分の気持から一端はなれて、役割に徹する経験をすることで、柔軟なコミュニケーション能力を身につける練習をします。

小学校中学年から大人までの方がプレイできるゲームをご紹介します。

大好評だった「協力ゲーム」講座

また11月19日(日)は、「協力ゲーム」講座です。プレイヤー同士で競い合う代わり、共通のゴールに向かって協力し合うタイプのゲームを紹介します。

こうしたゲームは総合的なコミュニケーションの練習として最適です。昨年に一度だけ開催したのですが大変好評で再演のご希望を多く頂いていた内容です。

小学校低学年から大人まで幅広く遊べるゲームをご紹介します。

なお、11月19日は初のダブルヘッダーとなり、19日の協力ゲーム講座の前に中高生・大人編の前篇が行われます。協力ゲーム講座のゲームは中高生や大人の方の支援でも活用できますので、二つとも受けるのもオススメです。

「応用編」はこれからも多く企画していきたいと思っていますので、ご期待下さい!。

 

放課後等デイサービス経営のポイント~マネジメントについて~

アドバイジングの経験から得られた原則

サービスの質が玉石混淆と言われる放課後等デイサービス。
 
私はこの分野で、療育アドバイザーとして多くの事業所さんと関わってきました。また直接関わっていない事業所さんの様子も多く見聞きしました。その中には感動的なサービスを提供している事業所さんもあれば、目も当てられない惨状に陥っているところもありました。
 
その経験を通じて、放デイの経営には守るべき1つの原則があるのでは、と考えるようになりました。それは、
 
教室運営にまつわる権限を、経営者から管理者へ、管理者から現場職員へと、できるだけ下位に移していく
 
という原則です。
 
 

トップダウン型のマネジメントが現場を壊す

サービスの質が上がらず、職員が定着しない組織の多くが、極端なトップダウン型のマネジメントをしていました。
 
たとえば、全ての判断を経営者が行っており、現場スタッフはそれに従うだけの組織。あるいは実施するプログラムや業務内容に厳格なマニュアルがあり、そこから外れることが許されない組織。
 
こうした組織は、デイの利用者である、様々な発達段階・障害特性のお子さんが見せる圧倒的な多様性に対応できません。具体的には、お子さんの発達段階にあわない課題やアクティビティを設定して無理やり取り組ませたり、問題行動に個別対応せず放置してしまうといった傾向が生まれます。結果としてお子さんが荒れてトラブルやクレームが頻発し、その対応に職員も疲弊して離職。さらにサービスの質が落ちるという悪循環に陥ってしまうのです。
  
こうした悪循環に陥っている組織は、もとをたどると他業種からの参入が多いようです。別の業種で、上からの一方的なマネジメントやマニュアル化した画一的なマネジメントで成功した経験を、そのまま多様な子どもたちが利用する放デイの運営に当てはめてしまうのです。
 
こうした「成功体験の誤った当てはめ」は、塾産業のような隣接した業界から参入した事業体ですら見られます。塾は学年によって何を教えればよいか決まっています。しかし、放課後等デイサービスでは一人ひとりのお子さんの発達段階や支援ニーズを把握してのち、その子に何を提供するかを決めるのです。
 
障害のある子たちの圧倒的な多様性、個別性の高さを見越して組織づくりを行うことは、いかに先見の明のある経営者さんでも、障害児福祉の経験なしには難しいことなのだと、日々のアドバイジング業務を通じて感じています。
 
トップダウン型のマネジメントについて、もちろん例外はあります。経営者が、経営ができマネジメント能力があり、なおかつ障害児に合わせたプログラム開発や個別対応までできるスーパーマンである場合です。
こうしたカリスマ経営者が率いる事業所は、質の高いサービスを提供しています。ただし、経営者が目指す高い水準についていけるスタッフを発掘・育成することは常に難しいことから、規模の拡大はゆっくりしたペースとなる傾向があります。
 

経営が上手く言っている事業所は現場の裁量が大きい

さて、サービスの質が一定以上で職員の定着も良く、なおかつスムーズに事業所を展開できているところをみると、採用やプログラム設計、人材育成に関する現場の権限が大きいのです。
裏を返せば、経営者が出しゃばらずとも管理者は自律的に教室を運営でき、現場のスタッフはいちいち上から指示を受けなくても自分で考えて行動できる。そういう人材を揃えているのです。
 
「そんな人が雇えるなら誰も苦労はしないよ」という経営者さんの声が聞こえてきそうです。しかし、アドバイザーの視点で客観的にみていると、トップダウン型の事業所は例外なく採用基準も甘いのです。資格要件を満たしていればパッと採ってしまう。それは採否を決定する経営者や幹部社員が「自分がマネジメントするから」「マニュアルがあるから」という理由で、本人の能力や人格に少々問題があってもなんとかやれるだろうと考えてしまうのです。
 
他方、現場裁量を重視する経営者さんの場合、雇用者に求める能力の水準は高くなります。そのため自身が丁寧に面接しますし、実際教室に入ってもらって子どもと関わる様子もみますし、そうした綿密な選考の結果として不採用も多く出します。
だから常に「ウチは人材不足です」と嘆いておられる。その代わり、雇った職員が1ヶ月足らずで辞めたり、仕事ができない職員が無理に会社にぶら下がろうとして労使トラブルが起きたりすることはまずないのです。
 

採用に時間とコストをかけるべし

ここまでの記述を踏まえて、もう少し具体的な指針を示してみましょう。
 
・放課後等デイサービスには多様な発達段階・障害特性のお子さんが通うため、提供するサービスの個別性が極めて高い。
 
・高い個別性に対応するには上から下へ権限移譲を積極的に進め、現場のスタッフが迅速かつ柔軟な判断ができるようにする必要がある。
 
・大きな権限を与えても自律的に動ける人材を集めるため、採用にかける時間とコストの優先順位を高める必要がある。
 
今回は放デイ経営のポイントとしてマネジメントや採用の部分で気づいたことをお伝えしました。もう一つ重要なのが雇ったスタッフの育成です。これも難しい問題です。次回お伝えしようと思います。
 

すごろくやアナログゲーム講座のお知らせ

 
毎月、東京高円寺のすごろくやではアナログゲーム療育の講座を行っています。次回は8月20日の幼児編です。放課後等デイサービスに多く在籍する知的障害のあるお子さんと関わる上でも有益な内容です。詳しい内容やお申込みはこちらからどうぞ。