【放課後等デイサービス】個別支援計画の書き方

療育の指針を示す個別支援計画

「個別支援計画」は、放課後等デイサービスが提供する発達支援の内容と目標を記載するもので、お子さんの利用開始時に作成し、以後6ヶ月ごとの更新が義務付けられています。

また、「個別支援計画」は、指導員にとっては何を目標として日々その子と関わっていくかを示す指針であり、また6ヶ月後の更新時にそれまでの発達支援の成果を測る基準ともなります。

言うまでもなく重要な書類ですが、放デイ経営者の方からは「現場から上がってくる個別支援計画書のレベルが低い・・・」とのお悩みをいただきます。

どうすれば質の高い個別支援計画を作れるのでしょうか。実例を交えて説明します。

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作成に頭を悩ませている児童発達管理支援責任者の方も多いのでは・・・。


目標は行動レベルで記載する

個別支援計画には決まったフォーマットはありませんが、たいていの場合、長期目標を1~2個、短期目標を3~4個設定します。

長期目標の記載でしばしばみられるのが「教室に慣れ、楽しく過ごす」といった曖昧な目標設定です。「慣れる」「楽しむ」といった主観的な表現では目標がどの程度達成できたのか客観的に評価できません。

このような主観的で曖昧な表現は、行動ベースの表現に書き換えることで、客観的かつ具体的な評価が可能になります。たとえばこのように書き換えます。

  • 「教室に慣れ、楽しく過ごす」⇒「教室のプログラムに初めから終わりまで参加する」

「慣れる」「楽しく」といった主観的な内容を、「プログラムに初めから終わりまで参加する」という具体的な行動に置き換えました。

このような行動ベースの目標であれば、その達成度は客観的に評価できます。たとえば、ゲームには意欲的に参加するが学習は嫌がって参加しないなら、上記の目標は一部しか達成されていないということになります。

そこから、どうすれば学習に参加してくれるのか、あるいは学習以外のプログラムを用意すべきなのか、新たな計画に向けた議論につなげていきやすいです。

達成までの見通しがつく目標を設定しよう

短期目標の設定では、長期目標と対照的に、あまりに具体的すぎる目標を設定してしまい、その目標が達成できないために後で四苦八苦するケースが多いです。

たとえば、親御さんから「ウチの子、靴紐が結べないので結べるようにしてほしいんです」という具体的な要望が出たとき、実現可能性を考えずにそのまま「靴紐を結べるようになる」という指導目標を設定してしまうようなケースです。

仮にこうした目標を設定した場合、施設側は次回計画書を更新する6ヶ月後までに「靴紐を結べるようになる指導」をその子に提供し、実際に結べるようにしなければなりません。それは本当に実現可能な目標でしょうか。

たとえば、その子に手先の不器用さがあり、ボールを上手で投げられなかったり、お箸が使えずスプーンで食事していたとしたらどうでしょう。その子に「靴紐を結ぶ」ことを教えるのはまだまだ先の話です。

また、「靴紐を結べるようになる」という目標がその子だけのものだとしたら、たった一人のためだけに独自のプログラムを設計し実行するだけのマンパワーを割くことが難しいかもしれません。

専門的なアセスメント能力と指導ノウハウがあるなら話は別ですが、そうでないなら、達成見通しがつかない指導目標を設定することは避けなければなりません。

具体的すぎる行動目標は、能力ベースの目標に置き換える

親御さんから具体的すぎる要望が出たときは、そのまま受け止めず、その行動を成り立たせている能力ベースで目標を解釈しなおします。具体的には以下のとおりです。

  • 「靴紐を結べるようになる」⇒「工作課題への取り組みを通じて手指の巧緻性を高める」

「靴紐を結べるようになる」ことを直接の目標とせず、そのために必要となる「手指の巧緻性」という能力を身につけることを目標としました。また、そのための手立てとして、工作課題に取り組むことを挙げました。

「靴紐を結ぶ」という具体的な行為から、「工作課題への取り組み」というより広い目標に置き換えたことで、たとえば折り紙を折ったり、ペーパークラフト作りではさみを使ったり、調理実習で包丁を使うといった行為も指導内容に含めることができます。こうした活動を通じて手指の巧緻性が向上し、結果として靴紐が結べるようになることを目指します(もちろん紐結び自体を指導に含めても良いです)。

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「靴紐を結べるようになる」という具体的すぎる目標を「手指の巧緻性を高める」という能力ベースの目標に読み替えることで、折り紙を導入するなど、幅広い指導の可能性を見出すことができる。

このように、あまりに具体的すぎる行動目標は、能力ベースの目標に置き換えて幅広い課題で対応できるようにしておくことで、お子さんの発達段階にあわせた柔軟な指導が展開できる上、施設が持っている教材やノウハウを適用しやすくなります。

その際も、達成目標自体は行動ベースで記載することが大切です。たとえば、短期目標に付随する手立ての欄には「曲線をはさみできれいに切ることができる」「補助がなくとも包丁で野菜を切ることができる」など、達成度が客観的に把握できる行動ベースの目標を設定することが望ましいです。

【アナログゲーム療育講座】10月のご案内

高円寺すごろくやで毎月行っているアナログゲーム療育講座。10月のお知らせです。

10月は初の講座となる「中高生~大人編」(9日)と、「学童編(再)」(10日)の二本立てです。

10月9日(日) 「アナログゲーム療育講座 中高生~大人編」

就職を見据え、組織で働く上で求められる「状況にあわせた臨機応変なコミュニケーション能力」の獲得を目指す指導をお伝えします。

他者の考えや場の状況に積極的な関心を持ち、自分がどう動けばよいか主体的に判断することを学ぶために、アナログゲームは最適のツールです。職業訓練や企業研修の経験を踏まえた、実践的な講座です。

発達障害のある中高生の支援、成人の支職業訓練に関わる方だけでなく、発達障害と関係がなくと人事研修や採用に関わる方に参加いただきたい講座です。

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奈良の就労移行支援施設「ぷろぼの」でのスカイプを使った遠隔職業訓練の様子。アナログゲームを通じて、その方が就職する上での強みと課題が見えてきます。


10月10日(月・祝) 「アナログゲーム療育講座 学童編(再)」

9月11日の講座と同様の内容です。

小学校入学以降に身についてくる「客観的思考力」や「コミュニケーション能力」にアプローチする内容です。今まで教え方がハッキリしてこなかったこうした能力に、ピアジェの認知発達理論とアナログゲームを通じて、明確な定義と実践的な指導法を与える内容となっています。

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9月の講座も引き続き募集中!

また、9月の講座も引き続き募集中です。

講座はいずれも事前予約制です。リンク先のすごろくやさんのサイトからお申し込みください。

会場でみなさんとお会いできるのを楽しみにしています!

色や名前の世界を拡げる「楽しい色並べ」

今回ご紹介する「楽しい色並べ」は、お子さんの色や名前の世界を拡げていくのに役立ちます。

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販売サイト:楽しい色並べ(百町森サイトより)

二種類のカードを並べていく

楽しい色並べには、全8色からなる「絵の具」カードと、それぞれの色を代表する動物や食べ物、身の回りの品が描かれたカードが入っています。

まだ色と名前の関連がきちんとついていない子の場合、いきなりゲーム形式ではなく、絵カード同士の合致させる課題として提示してみましょう。

  •  最初に、色合せの基準となる「絵の具」カードを机に並べます。8色ありますが、初めは半分の4色くらいから始めるのが良いでしょう。
  • 次に、指導者イラストが描かれたカードを一枚めくってお子さんに渡し、同じ色の絵の具カードの上においてもらいます。
  • この際、指導者は「これは何かな?」「これは何色かな?」と問いかけ、お子さんにカードに描かれた物の名前と色と答えてもらいます。
  • お子さんがカードを正しい場所に置き、正しく名前と色を答えられたら拍手やハイタッチで褒めてあげましょう。

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絵の具カードの上に、その色と同じ色を持つカードを並べていく。初めは4色から。


名前と色を答えてもらうのがポイント

正しい色同士をマッチングできただけで良しとせず、お子さんに物の名前と色を正しく答えてもらうことが大切です。

なぜなら、サクランボを赤い絵の具の上に正しくおけたとしても、「これは何色?」と問うと、「青」と答えてしまうなど、色と名前の関係が確立していないお子さんもいるからです。

それができるようになったら今度は8色の絵の具カードを全てを並べてみましょう。お子さんによっては、オレンジ色と黄色の違いが区別できなかったり、白と黒の無彩色が理解が難しい場合があります。

そんなときは、絵の具カードとイラストのカードを見比べさせ「こちらはオレンジ色、こっちは黄色」といった風に違いを説明した上で、「黄色はどこかな?」と改めて問いかけ、正しい場所に置かせます。

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お子さんが慣れてきたら、8色全てを使う。黄色とオレンジ色の判別が難しかったり、白・黒の無彩色の理解が難しい子がいる。


ゲーム形式でシンボルの世界を拡げる

 指導者が提示するカードをお子さんがスムーズに並べられるようになったら、いよいよゲーム形式での指導に入ります。

  •  全てのカードを良く切り、一人6枚ずつ配ります。
  • トランプの7並べのように、順番に1枚ずつカードを場に出していきます。
    • 絵の具カードはいつでも出せます。
    • 場に出ている絵の具カードと同じ色のカードを出すこともできます。
  • 最初に全ての手札を場に出せた人が勝ちです。

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どのカードなら出せるかな?正解はオレンジ色のキツネ。手持ちの札の中から出せるカードを選び出す必要があるので、幼児のお子さんにとっては難易度が高い。

このルールでは、場にある絵の具カードと合致する色のカードしか出すことができません。お子さんは、「手元の中から合致するものを選ぶ」といったやや複雑な手続きを行う必要があり、その過程で物と色の関係をより柔軟に理解することができます。

色や名前の世界を拡げていくステージ2

今回ご紹介した「楽しい色並べ」は、3~4歳向けで、ステージ2の前半を代表するゲームと言えるでしょう。

ステージ2の療育課題は、シンボル同士の関係を確立し、シンボルの世界を拡げることです。シンボルとは、色や名前、あるいは数などの記号を指します。

「楽しい色並べ」のようなゲームを使って、色や名前といったシンボルの合致をくりかえすことによって、お子さんの思考の世界を拡げ、コミュニケーションを豊かにしていくことができます。

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販売サイト:楽しい色並べ(百町森サイトより)

 

9月のアナログゲーム療育講座

おかげ様で大好評!アナログゲーム療育講座

東京は高円寺にあるすごろくやさんのアナログゲーム療育講座。おかげさまで毎回大好評をいただいています。

9月も、3回開催させていただきます。新たに平日夜の開催もあります。

事前予約制で費用は3000円(当日参加4000円)となります。予約は各講座タイトルのリンクよりどうぞ。

 

9月11日(日)アナログゲーム療育講座~学童編~

小学生のお子さんを対象としたアナログゲーム療育を講義とゲーム体験で解説します。発達障害のあるお子さんにとっては、学校の集団生活で障害特性が目立ちやすくなるこの時期。「客観的思考の獲得」「コミュニケーションスキルの獲得」の二つを目標に、ゲームを通じて発達をサポートします。

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9月24日(土)アナログゲーム療育講座~入門編~(再)

教室や家庭で、アナログゲームを療育に導入したいと考えている方に最初におすすめしたい講座です。

多様な年齢や障害特性のお子さんが楽しめる定番どころのゲームをご紹介します。他の講座より実際にゲームのプレイしていただく体験を多くしています。「子どもたちが楽しみながらコミュニケーション能力を高められるゲームがこんなにもたくさんある!」という驚きを感じていただけると思います。

8/27と同内容となります。

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9月30日(金)アナログゲーム療育講座~幼児編~(再)

2歳~6歳半のお子さんを対象にしたゲームを紹介します。ルール理解に始まり、数や言葉が使いこなせるようになる6歳半までの発達段階を対象として,ゲームの紹介と指導法の解説を行います。保育士や児童発達支援事業で発達障害のある幼児のお子さんと接している方、またそれ以上の年齢で知的障害があるお子さんと関わっている方におすすめの講座です。

8/14と同内容となります。「平日に開催してほしい!」とのご要望が多く、金曜夜19:00~から開催いたします。

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以下、過去に講座に参加された方からいただいた感想です。

「実際にゲームを行いながらの講習なので分かりやすかった」

「学問的・理論的な話があり、裏付けが聞けてよかったです」

「日常場面から、ゲームを通して学ぶ場面、事柄は多いと感じていましたが、理論的に考えたことはなく、改めて深く学ぶと大変教育効果が大きいものだと感じました。」

など、大変好評いただいております。

ご興味のある方、ぜひ参加をお待ちしております。

 

史上初!? TV電話で遠隔就労訓練

就労移行支援事業所「ぷろぼの高の原」にて、遠隔就労訓練を開始!

奈良で、障害のある人の就労訓練を行っている「ぷろぼの高の原事業所」様と提携し、TV電話を介して、アナログゲームを使った職業訓練を行うことになりました。

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史上初!?インターネット上のテレビ電話を介した遠隔職業訓練。複数のカメラで、ゲームの様子や利用者さんの表情もよく見えています。プレイしているのは他者への観察力が求められる「ケルトタイル」。

きっかけは、ぷろぼの高の原事業所の所長さんより「ぜひ職業訓練にアナログゲーム療育を取り入れたい!」という熱烈なご要望をいただいたことでした。しかし、私が住んでいるのは東京。奈良に定期的に伺うのは難しい・・・。そこで所長さんから「TV電話で遠隔で指導できないでしょうか?」とのアイデアをいただいたのですが、当初は正直にいって「できるのだろうか?」と半信半疑でした。

ところが実際やってみるとできたんです。上の写真からもわかるとおり、複数のカメラを用意することで各プレイヤーの手元の状況や、利用者さんの表情も伺うことができます。

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現場の様子。カメラの操作をしていただいているのもアシスタント役の利用者さんです。       ※写真の使用については、施設・利用者さん双方の了解をいただいています。


遠隔でもライブ感のある訓練は可能

アナログゲームをつかった訓練では、参加者一人一人の発する言葉や表情、考えている時間の長さなどから、その方がゲームを不安なく楽しめているか観察し、もし不安があるとしたらどのように言葉がけしていくか、常に考えていく必要があります。

こうした繊細なやりとりが遠隔操作で可能なのか、始めてみないとわからないところがありましたが、実際は現場にいるのに近い感覚で利用者さんの様子を観察して、言葉がけできることがわかりました。

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利用者さんが迷っているようなら「こちらとあちら、どちらを優先したほうがよいですか?」といった問いかけ、良いプレイが出た時は「相手をよくみていた素晴らしいプレイですね」といった言葉がけを行う。精密な観察が必要だが、遠隔操作でも充分可能であることがわかった。

 

利用者さんからは「楽しい!」という感想が

プレイ後、利用者のみなさんから「楽しい!」という感想が聞かれました。次回は参加予定でなかったのに「ぜひ参加したい」と積極的に申し出た利用者さんもいらっしゃり、初回の訓練は大成功に終わりました。

ぷろぼのさんでの訓練は隔週で行われ、今後は交渉するゲームや、お互い協力しあうゲームなどを使い、就労を意識したコミュニケーション訓練を行っていきます。

アナログゲームというツールを使うことで、このように、遠隔地とつながって訓練できるということは、就労支援、そして療育の可能性を多く拡げるものだと思っています。今後の実践を通じてノウハウを蓄積したいと思います。

8月のアナログゲーム療育講座@すごろくや

8月はすごろくやさんにて3回開催!

アナログゲーム療育の講座のお知らせです。

8月は、東京は杉並区高円寺の「すごろくや」さんの企画として、テーマや対象を変えて、3回開催させていただきます。

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8月14日(日) アナログゲーム療育講座 ~幼児編~

アナログゲーム療育を、年代をわけて3回連続で解説します。初回となる8月は、「幼児編」として2歳~6歳半のお子さんを対象にしたゲームを紹介します。ルール理解に始まり、数や言葉が使いこなせるようになる6歳半までの発達段階を対象として,ゲームの紹介と指導法の解説を行います。

保育士や児童発達支援事業で発達障害のある幼児のお子さんと接している方、またそれ以上の年齢で知的障害があるお子さんと関わっている方におすすめの講座です。

この講座は、9月に「学童編」、10月に「中学生~大人編」と続いていきます(日程は追って告知します)。小学生以上のお子さんと関わっている方であってもお子さんの発達段階をトータルに理解したいという方は、この回からの参加をおすすめします。

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8月21日(日) アナログゲーム療育講座 ~実践編~

主に5歳以上のお子さんを対象に、ゲーム中にお子さんに見せる「負けるとかんしゃくを起こす」「暴言・暴力」「参加しない」等の困った行動にどう対処したらよいかを解説します。

単なる問題行動の対処にとどまらず、その背景にあるお子さんの心理と向き合っていくことで、人と関わる勇気を回復する方法を実際にゲームを体験していただきながら解説していきます。

他の講座のテーマが認知能力の発達であるのに対し、心理面からのアプローチを中心に据えた講座です。(7/2に開催したイベントと同じ内容の再講演となります。)

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8月27日(土) アナログゲーム療育講座 ~入門編~

教室や家庭で、アナログゲームを療育に導入したいと考えている方に最初におすすめしたい講座です。多様な年齢や障害特性のお子さんが楽しめる定番どころのゲームをご紹介します。

他の講座より実際にゲームのプレイしていただく体験を多くしています。「子どもたちが楽しみながらコミュニケーション能力を高められるゲームがこんなにもたくさんある!」という驚きを感じていただけると思います。

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時間・参加費用について

各回時間とも、14:00〜17:00の3時間。事前予約制で費用は3000円(当日参加4000円)となります。予約は上記のすごろくやさんウェブサイトからどうぞ。

すごろくやさんでの講座、おかげさまで好評で、これまでは1~2週間で定員(30名)が埋まってしまっています。お早めの申し込みをおすすめいたします。

みなさんとお会いできることを楽しみにしております。

発達ナビの寄稿【5~6月】

発達ナビ 寄稿中!

発達障害のポータルサイト、「発達ナビ」に、月2回程度のペースで寄稿しています。主に発達障害のある子を育てる親御さんを対象に、普段の関わりの中で活かせるワンポイントテクニックなどを紹介しています。

ここ最近の投稿をご紹介しましょう。

1.子ども本人への障害告知には「避けたいタイミング」があります

サイトの方針もあり、やや刺激的なタイトルですが、お子さんにいつ障害告知するかについて、発達段階や就職との関連を含めて解説しています。

 

2.「同世代の友だちがいない」そんな時期に大人がサポートできる事

発達障害のあるお子さんで、大人との関係は良くても子ども同士のヨコの繋がりを作るのが苦手な場合が少なくありません。ヨコの関係づくりが将来の自立を考えるで大切な理由を解説するとともに、関係づくりのための方法もご紹介しています。

 

3.ハーネスが使えない時、外出時の安全確保に役立つテクニックとは?

外出時の安全確保のためにハーネスや手つなぎは大切ですが、年齢が高くなるとこれらの手段も使えなくなってきます。そのときに使える「目線のコントロール」というテクニックをご紹介しています。

 

 

ステージ2 シンボルのスムーズな操作を促す

ステージ2「前操作期」

今回は、アナログゲーム療育のステージ2を解説します。健常児のお子さんで、3~7歳に当たります。

この時期のお子さんはシンボル機能が確立することで、言葉が話せるようになるのを始め、数、そしてゲームに欠かせないルールの理解ができるようになっています。

この時期のことをピアジェは「前操作期」と呼んでいます。ここでいう操作、とはシンボル機能の操作を指します。「前操作期」とは、シンボルは形成されているものの、それらを自由に操れる手前の段階にある、という意味です。

「ごっこ遊び」が出てくる

ステージ2のお子さんは、シンボル機能が形成されることで、他のお子さんとシンボルを共有しあって集団で遊べるようになります。

おままごとであれば、「私はお母さん、あなたは赤ちゃん」といった風にお互いの役割を演じることができるようになります。このとき「お母さん」というシンボル、「赤ちゃん」というシンボルをお互いの間で共有できているからこそ、おままごとが成立するのです。

ゲームについても、ステージ2のお子さんは「ルール」というシンボルを共有することができるので、子ども同士で遊べるようになります。

シンボルのスムースな操作を促す

シンボル機能が形成されたことで遊びの幅が大きく拡がるステージ2のお子さんですが、限界もあります。

たとえば数の扱いです。おはじきを提示して「これはいくつ?」と聞いてみると、1つや2つなら答えられますが、5つや6つになると正しく答えられなくなってしまうことがあります。また、足し算、引き算はまだ難しいことが多いです。

そのためステージ2の目標は、シンボルをスムースに操作できるようになることです。

アナログゲームは「名前」「数」「色」「形」などたくさんのシンボルの集まりであり、それらをルールに従ってプレイすることが、シンボル操作の練習になります。

 

シンボル操作を練習するアナログゲーム

たとえば、以前ご紹介した「雲の上のユニコーン」は、お子さんの数概念の獲得を促すのに最適です。

数概念を身につける「雲の上のユニコーン」

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またステージ2のお子さんについて、数概念と並んでチェックしておきたいのが空間認知能力です。

空間認知能力は、物の大きさや向き、あるいは奥行きなどといったものを正確に把握できているかどうか、ということです。

この能力が特異的に遅れている場合、書字や図画・工作が極端な苦手さを示すことが多いです。また片付けが出来なかったり物をなくしてしまうといった生活上の課題にも影響を与えます。

 お子さんの空間認知能力を測るのに最適なのが、「メイクンブレイク」です。

作業ができたら報告する「メイクンブレイク」

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指導者はオーバーリアクションで

ステージ2に入ったばかりのお子さんは、ゲームをプレイする中で何が自分にとって望ましい行動なのか、何が残念な行動なのか、十分理解できていないことが多いです。

従って、指導者はお子さんのプレイが望ましい結果を生みだしたら「やったね!上手にできたね」と積極的に声掛けしてするとともに、拍手やお子さんとハイタッチをしてあげるなど、ややオーバーリアクション気味に接してあげましょう。そうすることで、お子さんは「これは望ましい行動なんだ」ということが分かります。

ステージ1 シンボル機能の芽生え 

療育で用いるアナログゲームを発達段階別に整理

アナログゲーム療育を実践されている方から「発達段階別に療育で使えるゲームのリストがほしい」というご要望をいただくことが多くなりました。

そこで、ピアジェの認知発達段階をベースに、アナログゲーム療育の対象となる2歳から12歳以降までの発達段階をステージ1~4までに分け、各ステージにおいて用いるゲームと主な療育課題を設定することにしました。具体的には以下のような形です。

  • ステージ1 2~3歳  シンボル機能の形成
  • ステージ2 3~7歳  シンボル同士の関係概念の形成
  • ステージ3 7~12歳  脱中心化と客観的思考の形成/状況に合わせたコミュニケーションスキルの獲得
  • ステージ4 12歳以降 相手や場に合わせた臨機応変な対応

本サイトでご紹介したゲームについては、全てステージ分けを行いました。右側メニューのステージごとの分類から、それぞれの段階にあわせたゲームを選んでいただけます。

今回はその最初の段階となるステージ1を解説しましょう。

ステージ1 シンボル機能の形成を促す

シンボルとは、ある具体的な事象を、別の事象で代表したものです。たとえば名前や数、あるいはゲームのルールなどがそれにあたります。

シンボル機能がお子さんの中に形成されてくるのが2歳前後。言葉の発生する時期と重なっています。シンボルの意味についてはこちらの記事でまとめてありますので御覧ください。

シンボルを理解し使いこなせるようになることは、後に続く概念的思考やコミュニケーションの前提となります。

知的障害・発達障害のあるお子さんの場合、このプロセスが遅れることがあり、療育を通じてシンボル機能の形成を促すことが課題となります。

動きや音などの刺激で興味を惹く

ステージ1のお子さんの場合まだシンボル機能が充分形成されていません。具体的には、言葉は出ているか出ていないかといったところ。ものに名前があることが理解できているかもどうかわからない段階。ましてや数やルールの理解はまだまだ先、といったところです。

この発達段階のお子さんの興味の中心は、色や音、動きといった感覚的な刺激です。

そのため、この時期のお子さんが興味があるのは、ラトルやクーゲルバーンのような、色・音・動きに訴えるおもちゃです。

 

 

最初に触れて欲しいゲーム 「はじめてのゲーム・フィッシング」

こうした子どもたちにちょっと背伸びしてもらって、感覚の世界からシンボルの世界に入ってきてほしい。そのためには、お子さんの感覚に訴え、シンボルの世界に引き込むようなゲームが望ましいのです。その代表が、ドイツHABA社の「はじめてのゲーム・フィッシング」です。

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  1. サイコロを振り、出た目の色と同じ色の魚を、磁石のついた棒で釣る
  2. 釣った魚と同じ色の道具を選び、手持ちのパネルにはめ込む
  3. 一番早く全ての道具を揃えた人が勝ち

木でできた大ぶりの魚に、磁石がパチン!とつく感覚が、子どもたちの興味を誘います。

感覚で興味を惹き、シンボルの世界に誘う

ステージ1のお子さんにはこの「フィッシング」のような、おもちゃとゲームの中間のようなタイプが適しています。

魚に磁石がつく感覚を楽しんでもらうために、まずはルールにこだわらず、おもちゃとしてお子さんに自由に遊んでもらいましょう。

お子さんが磁石のついた釣り竿を使って魚を釣り上げることを楽しめるようなら、その次のステップとして、サイコロと同じ色の魚を釣ることを目指します。具体的には、サイコロと同じ魚の色を交互に指さしながら、教えていきます。

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放課後等デイサービス「オルオルハウスかすみ」での実践より。サイコロの色と同じ色の魚を釣る。この経験が「色」というシンボルの獲得に繋がる。

 

また「はじめてのゲーム・フィッシング」は魚を釣るだけのゲームだけではありません。

子どもたちの手元には穴の空いたパネルが配られ、釣った魚と同じ色がついたバケツやスコップ、じょうろなどの道具をもらい、そのパネルにはめることができます。

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お子さんの視界にはいるように魚と道具両方を見せ、魚と同じ色のしている道具を探してもらう。

「魚を釣る」「道具をもらう」という二つのステップで、色のシンボルを学べるのが「はじめてのゲーム・フィッシング」の素晴らしいところです。2歳~のお子さんに初めて取り組んでいただくゲームとして最もオススメです。

都立小児総合医療センター&入間市市役所で講習会

東京都立小児総合医療センターで講習会

3月は公開・非公開のものを含めて7本の講習会を開催させていただきました。

中でも、東京都立小児総合医療センターにお招きいただいた会は、過去最大の50人の定員で行われ、アナログゲーム療育について講義と体験を交えてお伝えしました。

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病院という場所柄ゆえ、医師・看護師と思しき白衣の先生方の参加も多く、体験の時間では初めてプレイするゲームを楽しんでおられる様子でした。

特に病院の中で過ごしているお子さんに対して、アナログゲームが他者との関係を作り、楽しい時間を過ごすためのツールとして活用されることを願ってやみません。

入間市役所で講習会

埼玉県入間市役所では、保健師さんや福祉職の方を対象とした講習会を開催しました。

こちらは、現場で活躍している方たちの少人数の講習でしたので、一つのテーブルを囲み、実際にゲームを操作しながらお伝えすることができました。この形だとお子さんへの指示の出し方など、微妙なニュアンスをお伝えすることでき、密度の高い講習となりました。

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保健師さんからは、「引きこもりのお子さんと関係を結べるようなゲームを紹介してほしい」とのご要望がありましたので、そうしたゲームも複数ご紹介しました。

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写真でご紹介しているのは「ベルズ」。色違いの鈴を磁石の棒で取っていくというゲームです。興味を惹くビジュアルと、シンプルなルールで、お子さんと関わるきっかけづくりに最適なゲームです。体験でも大盛り上がりでした。

【購入先 すごろくや】 ベルズ http://sgrk.blog53.fc2.com/?no=3299

新たな課題も・・・

昨年5月からフリーランスとして活動を初めて1年弱。多くの方にアナログゲーム療育に関心を持っていただき大変有り難いと思っております。

他方で、新たな課題も見えてきています。

特に、講習会に参加した方から「定期的にアナログゲーム療育について学べる場が欲しい」というご要望を多数いただいているにも関わらず、まだ実現できていないのが大きな課題です。

例えば、月一回くらいのペースで定期的な講習会が開けるよう、模索しているところです。何か動きがありましたらこのサイトでご連絡させていただきます。