アナログゲーム療育のDVDが発売されました

幼児編&学童編の2編4枚組で販売

教育・医療関連のDVDを多数発売している(株)ジャパンライムさんより、アナログゲーム療育のノウハウをまとめたDVDが発売となりました。

幼児編・学童(小学生)編の2編4枚組のセットとなっています。上記のウェブサイトでは7月末までセットで10%OFFで発売していますので、この機会にぜひご利用ください。

7月10日に発売され、すでに150本以上の注文が入っているとのことです。「わかりやすい内容で現場ですぐに実践してみたい」といった感想も寄せられています。

紹介する全ゲームのプレイ場面を収録

このDVDの特徴は、なんといっても、紹介した20近いゲーム全てについて、実際のプレイ映像が指導ポイントの解説付きで収録されていることです。幼児編・学童編からそれぞれサンプル映像をご紹介します。

 

 

実際のプレイ場面を見ることで、どんなゲームなのか、どう指導するのか、大変わかりやすくなっています。「このゲームならあの子にもできそう!」と、具体的な療育のイメージを持っていただけると思います。

購入の際に留意いただきたいこと

幼児編・学童編と年齢で区切っていますが、実年齢ではなく発達段階にあわせた内容です。小学生であっても、知的な遅れがあり発達段階が幼児期に留まる場合は幼児編を選ばれたほうが良いです。

 もう一つ、作者としてワガママを言わせていただくと、お子さんの発達段階にかかわらず、ぜひ幼児編と学童編を通してご覧いただきたいと思っています。

お子さんの認知発達段階についての一貫した見通しを持っていただきたい。それがこのDVDを制作した理由だからです。

幼児と関わっている方は、幼児編だけでなく学童編もご覧いただくことで、お子さんの認知能力ひいてはコミュニケーション能力が、将来どのように発達していくのか、具体的な見通しを持っていただけます。

学童と関わる方の場合、お子さんに発達障害があると、同年代の子と同じように振る舞えないことがありますが、それがなぜ起きているのか、療育をする際発達段階をどこまで遡ればよいのか、理解いただけるでしょう。

このDVDがみなさんのお子さんとの関わりを、より楽しく実りあるものにする一助になれば幸いです。

 

 

すごろくや講座年間スケジュール発表

東京・高円寺にあるボードゲームショップ「すごろくや」さんで毎月開催させていただいているアナログゲーム療育講座。毎回好評をいただいています。

今回すごろくやさんでアナログゲーム療育講座の特設ページを作成してもらいました。あわせて、年間のスケジュールも公表。各月の申し込みが可能となりました。今まで1~2ヶ月先の情報しか公開できなかったので、予定を合わせづらかった方もいらっしゃるかもしれませんが、この機会にぜひお申込みください。

 

5回で1クールです

アナログゲーム療育の講座は、療育の対象となる人の年代によって内容が分かれています。

  • 幼児編
  • 学童編(前編)
  • 学童編(後編)
  • 中高生・大人編(前篇)
  • 中高生・大人編(後編)

以上の5回で1クールとなっています。ここでいう年代はあくまで発達段階のことであり、実年齢ではありません。たとえば小学生でも中程度の知的な遅れがある子の場合は、学童編よりは幼児編の方が適した内容だと思います。

それはそれとして、主催者としては、ぜひ5回通しで受けていただきたい、という思いが強くあります。これらの講座はいずれもピアジェの認知発達理論をベースに組み上げており、5回全て受講することで、言葉が出るか出ないかの幼児から複雑な思考が可能になる大人までの発達を一貫して理解することができるからです。その理解はきっと皆さんの支援や療育、子育ての軸になるはずです。

次回は8月20日幼児編です。この回から、新しいクールが始まります。アナログゲームを通じて子どもの発達について知る旅を、みなさんとご一緒にできればと思っています。

構造化 or not構造化?

放課後等デイサービスの研修で・・・ 

昨日研修させていただいたデイはなんと職員の中にノースカロライナでTEACCHを学んだ方がおり、かつてないほど構造化された教室環境だった。

周りがパーテーションで区切られており、余計なものが目に入らない。だから目先のことに集中できる。目先のことに集中できるから余計な声や音がでない。ゆえに視覚のみならず音声の刺激も減る。

その中の小集団指導用スペースでアナログゲーム療育をしたが、刺激が少ないのでお子さんが集中しやすく、指導者としても相当やりやすい、という実感をもった。

 

ひるがえって、今定期訪問しているデイはオープンな一部屋で、視覚支援も荷物の置き場所や手洗い場所、その日のグループ分け程度の最低限なもの。

なのでゲーム中に他の子が手を出してきたり、誰かが教室に入ってくると子どもの注意が逸れて席を立ってしまったりする。しかし、これはこれで意味があると思った。

一人遊びをしていた自閉症児がゲームで遊んでいるところに手を出してくるのは集団への興味の表れとして見ることができる。実際、そのまま集団参加をさせて、意外とすんなりやれてしまうことがある。 仮にその子がゲームを壊そうとするなら、それをプレイしている子が指導者の代わりに、キツすぎない言葉で注意するよう促すことがこれまた療育となる。

みんなでゲームをしているのに別のことに気を取られてしまうなら、「座ってゲームをしますか?それとも、ゲームはやめますか?」と問いかけることで、集団遊びを楽しむには一定の義務が伴うことを教えることができる。

TEACCHの構造化は、刺激を減らし見通しを立ちやすくする点で自閉症のある子が過ごしやすい環境を提供する。かたや構造化をしないことで子どもが多くの物理的・社会的刺激に触れることが、その発達を促すという事もありそうだ。

これはどちらが優れているかというよりも、利用の時間の中で子どもに何を提供するのか、という選択の問題だ。言いかえれば、その教室の持つ発達観・療育観の問題だろう。


現在参加受付中の講座

スーパースターの今・・・

思う所あって滅多に買わない雑誌を買いました。清原の「告白」。

 

清原の話に、思わず背筋が伸びました。症状が「重い」人だ、という認識です。たとえば、こんなつぶやきが。

「僕、野球人生の中で1回も代打をだされたことないんです。でも今は何も1人でできない自分がいる。そのことを受け入れるっていうのは・・・。」(P15)

一読して、そもそもこの人は今公の場で自身の事を語ってよい精神状態なのか?主治医の了解は得ているのか?そんな疑問がよぎったインタビューでした。

しかし、それだけじゃなかったんです。

その後に、親友の佐々木、後輩の立浪、そしてダルビッシュのインタビューがあるのですが、これがなんというか、良い意味でフラットなんです。フラットな先に、彼らの清原に対するある種の信頼、あるいはもっと単純に好意があるんです。

読み終わると「こんなに思ってくれる友達がいるんだったら、清原、大丈夫なんじゃないか」って思うような、そんなインタビューでした。

清原の話だけ聞いていたら、正直救いようがないように聞こえる。しかし、一連のインタビューを読み、清原と彼を取り巻く友人たちの関係が見えてくると、なんか大丈夫な気がしてくる、という大変不思議な読み物なのです。

人は、一人で生きているわけではない。そんなことを考えさせられた一冊でした。


現在参加受付中の講座

7/16 アナログゲーム療育講座 中高生・大人編(後編) です!

7月16日 すごろくや講座は中高生・大人編です。

毎回好評をいただいているすごろくやアナログゲーム療育講座。

7月16日(日)は中高生・大人編(後編)です。

今回は「見通しを立てる力」を身につけるゲームをご紹介します。前編とは独立した内容ですので、前回参加していない方も上のリンクからお気軽にお申し込みください。

学業や仕事で見えてくる「見通しを持つ力」の困難さ

発達障害のある中高生や大人の形が、学業や仕事で直面しやすいのが「見通しを立てて行動すること」の困難です。具体的には以下のような場合が多く見られます。

  • 仕事の優先順位がつけられない
    • AさんとBさんから同時に依頼されると混乱してしまう
  • 長期的な計画に基いて行動することの困難
    • 履修計画やレポート、卒論作成の困難(大学生)
  • 衝動的な行動
    • クレジットカードで払える以上の金額を浪費する
  • 仕事のペースのコントロール困難
    • 締め切り直前になってから慌てて動き出す
    • 仕事を頼まれると断れない

前編で主に取り扱ったコミュニケーションの問題に比べると、見通しを立てることの困難さは後になって明らかになることが多く、支援者にもご本人も明確には意識しづらいものです。

しかし、実際には「できないことでもできると言ってしまう」というコミュニケーション上の課題が、実は見通しを立てることの難しさに起因していることもあるなど、両方の課題が絡まりあって、生活上の困難を着たしている場合が多いと感じています。

テレビ電話を使った遠隔での就労支援の光景。

「見通しをつける力」を身につけるゲーム

次回の講座では、「見通しをつける力」を身につけるゲームとして、「街コロ」と「ボーナンザ」を体験いただく予定です。どちらも中高生の療育と成人の就労訓練で大いに活用していますが、講座での体験いただくのは初となります。

街コロは、「計画的に行動する」ことを学ぶゲームとして最適です。サイコロを振ると、自分が持っている建物に応じたお金を得ることができます。そのお金で新しい建物を買い、さらにもらえるお金が増える・・・、といった具合に拡大再生産を気軽に体験できます。勝利するためには効率の良い拡大計画を作ることが求められます。

ボーナンザは、豆を手に入れて畑に植え、育てて収穫してお金を得るゲームです。植える豆は他のプレイヤーとの交渉で手に入れることができます。「見通しを持って行動する」ことと「相手の立場に経ってコミュニケーションする」ことの両方が学べるゲームです。

指導ポイントの見極めが大切

この二つのゲームは普通にプレイしただけで、誰もが「見通しを持って行動する練習になる」とわかる強力な説得力があります。それだけに、「ただプレイさせるだけ」になってしまいがちなのですが、それでは療育や就労訓練としては不十分です。

学業や就労上の直面しやすい困難と結びつけて、プレイの際にどんなポイントを重視し、どう指導に繋げていくのか、これまでの経験を踏まえて解説します。

 

6/17学童編(後編)ご案内&アドラー心理学「共同体感覚」について

6/17学童編(後編)は、心理面へのアプローチがテーマです

毎回好評のアナログゲーム療育講座、次回は6月17日(土)の学童編(後編)です。「周囲に関心を持つ」「人と関わる勇気を回復する」といった心理面へのアプローチについて解説します。

ゲームを使ってお子さんと関わっていくと、様々な課題が見えてくるはずです。

たとえば、

  • 「ゲームに参加しようとしない」
  • 「わざとルールに反する行動をする」
  • 「暴言をいう・「暴力をふるう」
  • 「負けるとかんしゃくを起こす」

といったことです。

問題行動の背景には、過去の失敗体験から来る集団参加への不安が影響している場合が多いです。こうしたお子さんの心理にどうアプローチしていくのか、ゲーム体験を混じえて解説します。

前編を聞いていない方でも理解には全く支障はありません。下記のすごろくやサイトからお申込みをどうぞ。前編は開催日前に満席になってしまいましたので、今回も早めの申込をオススメいたします。

アプローチの軸となるアドラー心理学の「共同体感覚」

お子さんの心理面の課題を探る上で手がかりとなるのがアドラー心理学です。

フロイト、ユングと並んで「世界三大心理学者」と呼ばれるアルフレッド・アドラー。数年前に関連書籍がベストセラーなり、ドラマ化もされるなど、我が国でも一躍話題になりました。

アナログゲームを療育で特に重視しているのが、アドラーが提唱した「共同体感覚」という概念です。

共同体感覚は、下記の三つから成り立ちます。

  • 自分は人から助けてもらえる(他者信頼)
  • 自分は人の役に立てる(自己信頼)
  • 自分はここにいてもよい(所属感)

この三つを感じている時、人間は幸福であるとアドラーは述べています。

なぜこの三つなのか、どうやったらこれらの感覚を持てるのか、といった具体的な話は講座に譲りますが、この三つがあれば幸せだ、というのは理屈抜きに共感いただける方が多いのではないかと思います。

自己信頼を育てる

上記三つの要素の中で、アナログゲーム療育で特に重視するのが「自分は人の役に立てる」という自己信頼の気持ちをお子さんの中に生み出すことです。

発達障害児支援で重視される自己肯定感と、アドラー心理学のいう自己信頼との違いは、後者が共同体への貢献によって培われるという点です。自己信頼は「自分は共同体に貢献できる人間である」という実感を意味しており、「貢献感」とも言われます。

他の二つ、「自分は人から助けてもらえる」「自分はここにいてもよい」という感覚は既存の療育や支援でもある程度提供できていると思いますが、「自分は人の役に立てる」という自己信頼(貢献感)をお子さんに実感してもらえる療育や支援というものは、これまであまりなかったのではないかと思います。

アナログゲームで共同体感覚を身につける

アナログゲームは、お子さんが「自分は人の役に立てる」という自己信頼を身につけるためにとても有用なツールだと考えています。

なぜなら、アナログゲームにおいては、プレイヤーたちは優劣を競うライバルであると同時に、ルールを守り合ってプレイしあう点で「ゲーム」という1つの共同体を成立させるために貢献し合うパートナーでもあるからです。「ルールを守ってゲームを成立させる」ということ自体が共同体への貢献となるのです。

のみならず、こちらの「禁断の砂漠」のように、勝敗を競う代わりに、協力しあって共通のゴールに向かうゲームも存在します。

協力して一つのゴールを目指す 「禁断の砂漠」

6月の講座では、これ以外にも共同体感覚を身につけるのに有益なゲームをたくさん紹介したいと思います。

6月 7月のアナログゲーム療育講座

現在募集中の講座は他に二つあります。いずれもリンク先から申込みが必要です。皆様と会場でお会い出来るのを楽しみにしています。

 

6月11日(日) 東大島文化センター(江東区)

アナログゲーム療育~楽しくコミュニケーション力を身につける~

初となる5時間の講座です。すごろくやで開催している幼児編と学童編をあわせた内容です。アナログゲーム療育に知りたいという方にオススメの講座です。

 

 

7月16日(日) すごろくや講座 中高生・大人編(後半)

就労に必要となる、コミュニケーション力や見通し力を身につけるためのゲームを紹介します。

 

 

 

発達障害のある大人の方の状態像と対応

すごろくや講座5/21は中高生・大人編です

昨日のすごろくやアナログゲーム療育講座「学童編」はおかげさまで定員一杯のご参加をいただき、好評のうちに終了しました。

次回5月21日(日)は、「中高生・大人編」です。こちらはまだお席があります。お申込みは下記のサイトから。ご参加をお待ちしています。

 

発達障害のある成人の複雑な状態像

「中高生・大人編」の開催に先立ち、発達障害のある成人の方がどんな状況にあるのかを整理してみたいと思います。

私は現在、四ヶ所の通所施設で、定期的にアナログゲームを使ったコミュニケーション訓練を行っています。こうした施設には、社会参加の意欲はありながらも、障害その他の事情で就職が難しい方が通われています。

こうした方々の状態像を整理していくと、大きく三つのタイプに分けられます。

  1. 朗らかで人付き合いもよく、一見して障害の存在が見えないが、複雑なコミュニケーションや先の見通しが求められる課題において、相手の立場にたって考えたり、先の見通しの想像することの困難さが見える方々。人当たりは好いので面接は通るが、就労継続が難しく職を転々としている場合が多い。     
  2. 過去にいじめや強い叱責を受けたことが原因で、人との関わりに不安があったり、自己肯定感が低いなどの、心理的な課題を抱える方々。第一印象として暗さや気弱さが目立ちます。他方で、業務遂行能力は高いことが多く、安心できる環境ではパフォーマンスを発揮できる可能性が高いです。
  3. 能力面、心理面共に大きな課題はないが、体調が不安定で通所が難しい方々。朝起きられない、不定期に休むなどで規則正しく通所すること自体が難しい。就労継続の難しさが予想されます。

こうしてまとめてみると、障害特性だけでなく心理面、健康面でも課題を抱える方が多く、全体として子どもより複雑な状態像を呈していることがわかります。

写真は奈良の就労移行支援施設「ぷろぼの高の原事業所」さんでの実践。スカイプを使って遠隔で就労訓練を行うという他にない試みを行っています。(施設・利用者様双方の了解を得て写真を掲載しています)

 

アナログゲームでどんなアプローチができるか

アナログゲームで就労訓練を行った時、上記の3タイプの中で、最も顕著な変化が見られるのは2の心理面の課題を抱える方々です。人前で自分の話をしたり、他の人と関わるようなプログラムへの参加に抵抗感を感じる方が多いですが、ゲームであれば自分が何をすれば良いのか明確なので参加のハードルが低くなります。

そしてゲームを楽しむ過程で不安感が払拭されると、表情が和らぎ、積極的な発言も聞かれるようになります。こうして人と関わる自信がついたことで、他の自己開示的なプログラムに参加したり、地域活動に関われるようになったケースがあります。

3の体調面に不安を抱える方は、一見ゲームではどうにもならないと思われるかもしれませんが、実は意外な形で貢献ができることがわかってきました。「ゲームが楽しいから」という理由で、朝起きられなかった人が頑張って起きて午前中のプログラムに参加できるようになったり、来所頻度が不安定だった人が安定して通えるようになることがあるのです。

体調管理の問題は、視点を変えれば日々の安定した生活習慣をどう築くか、という問題です。通所施設としてアプローチするのが非常に難しいのです。その難しい問題に「楽しさ」というゲームならではの強みで貢献できることは、大きな発見でした。

1の、複雑なコミュニケーションや計画的な行動に課題を抱える方々へのアプローチは、最も難しいです。こうした方々には、発達障害の特性や軽度の知的な遅れの影響が強く伺われます。子どもの場合であれば、発達段階にあわせた療育をすることでゆっくりながらも発達を望めるのですが、大人の場合はそうもいかず「できることはできるが、できないことはできないまま」という形になりがちです。

しかし、子どもにはない大人の方の強みは、自らの課題を客観的に理解し、改善のための工夫を行えるということです。たとえば、ADHD的な集中困難がある方で、度々ルールの聞き漏らしがあり、プレイ中に誤った判断をする原因になってしまっている方がいました。その方は工夫して、ルールをメモ帳に書きとめるようにした結果、ルールの勘違いがなくなりプレイ中も間違いのない判断ができるようになりました。これは明らかに就労につながる成長だと思います。

療育とはちがった大人の就労訓練

このように、大人の就労訓練は子どもの療育と通じる部分はありつつも、また違った考え方やアプローチが必要になってきます。講座ではこのあたりを様々なゲームの紹介・体験を混じえてお伝えしたいと思います。

 

 

アナログゲーム療育講座~5月は学童編、中高生・大人編です

5月は二本立て

東京・高円寺で開催のすごろくやアナログゲーム療育講座。

次回5月は7日(日)の学童編、21日(日)の中高生・大人編の二本立てです。

お申込みは下記のすごろくやさんウェブサイトからどうぞ。

改めて講座内容を解説!

毎回好評をいただいているすごろくやのアナログゲーム講座ですが、その具体的な内容についてご紹介しましょう。

全ての講座は3時間の内容となっています。そのうちの大まかに半分が講義、半分がゲーム体験です。

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前半は講義中心。心理学者ピアジェの認知発達理論に基いて、子どもと大人の思考の違いについてわかりやすく説明します。(写真は3月の「幼児編」)

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療育で用いるゲームを実際にプレイできることがこの講座の特徴です。楽しいゲームばかりなので歓声があがりますが、参加者の中からは「これは教室で使えるね」「あの子に良さそう」といった声も聞かれ、療育実践を意識されていることが伝わってきます。

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ゲームの中で、判断に迷う部分、うっかり間違えてしまう部分にこそ、指導のポイントがあります。単にプレイするだけではなく、療育につなげる視点や言葉がけを解説しています。

どんな人が参加しているの?

発達障害のある子と関わる様々な立場、職種の方が参加されています。

幼児編:保育士 幼稚園教諭 児童発達支援事業指導員 

学童編: 特別支援学校教員 通級指導教室教員 放課後等デイサービス職員 学童職員 児童館職員

中高生・大人編:就労移行支援施設職員 生活訓練施設職員 職業カウンセラー 一般企業の人事担当

また、各年代を通じて、地域の相談機関で働く心理職の方、そして発達障害のあるお子さんを育てる保護者の方が参加されています。

どんなゲームがあるの?

各講座では、2~4種類ほどのゲームを体験いただいています。どんなゲームをプレイするかは各講座の募集ページに書いてありますので、ご覧ください。

(なお、講座の時間配分やゲームの入荷状況によって予定通りの内容にならないこともありますのでご了承ください。)

 

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各年代ごとの療育目標にあわせたゲームを体験いただいています。

体験するもの以外にも様々なゲームをご紹介します。講座でご紹介したゲームは、講座の終了後すぐにすごろくやさんで購入できますので、翌日から実践に生かすことができます。

みなさんの参加をお待ちしております!

幼児期のアナログゲーム選びのポイント

 幼児向けゲームのリストを制作!

アナログゲーム療育で用いている幼児向けゲームのリストをすごろくやさんにまとめていただきました。

このリストは、下記のような基準で選んでいます。

  • 幼児、または知的障害や自閉症を伴う小学校低学年のお子さんの認知・思考の発達段階に見合うもの
  • 上記の範囲内で、比較的幅広い発達段階のお子さんに適用できるもの

みなさんの指導・関わりの参考になれば幸いです。

幼児期のゲーム選びのポイント

幼児(または知的な遅れのある)お子さんが発達段階にあわせたゲームで遊ぶことで、言葉や数の理解を促したり、集団の中でルールを守って遊ぶことを学んでもらうことができます。

他方、幼児のお子さんの物の見方や考え方は、様々な点で大人と異なっています。この点を理解しておくことで、幼児のお子さんと楽しく遊び、療育としても成果を出しやすくなります。以下、ゲーム選びや関わり方のポイントを解説します。

見た目や音、感触で興味をひくゲームを

言葉や思考が発達途上にある幼児期のお子さんは、見た目や音、感触といった、感覚に訴えるゲームにより強い興味を感じます。これは、言葉のない2歳以前のお子さんや、知的障害を伴う自閉症をお持ちのお子さんについては特にあてはまります。

こうしたお子さんの場合、ゲームに誘ってもすぐには参加してくれない事が多いです。しかし、ゲームに使うボードや道具が立体的だったり、色鮮やかで触ってみたくなるようなゲームを選ぶと、興味を持って参加してくれる可能性が高くなります。

たとえば、上記リスト内の「マイファーストゲーム・フィッシング」は磁石で魚を釣る時の「パチン!」という音と感触が子どもたちの興味を強く惹きます。

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こちらのスティッキーもオススメです。

幅広い発達段階のお子さんたちを一つの集団で療育 「スティッキー」

まずはゲームを触らせてみる

5,6歳ともなれば言葉の扱いや思考も発達していますが、それでも大人に比べれば見た目や触感への興味がまだ強く残っています。

そのため、この年代の子どもたちは、大人がルールを説明しているときに、話を聞かずに目の前のコマやボードをいじくりまわしてしまうことがあります。

こういうときはルールを説明するより先に、ゲームのコマやボードに自由に触れる時間を2~3分取ってあげます。こうしてお子さんの感覚的な興味を充分満たしてあげた後でルール説明を始めれば、集中して聞くことができます。

戦略的思考はまだ難しい

幼児のお子さんは、ルールに従ってゲームをプレイすることはできますが、「AとB、どちらの選択がより勝利に近いか」といった風に、戦略的に考えてより望ましい選択を選ぶことが難しい場合が多いです。

そのため、幼児のお子さんに用いるゲームは、判断や選択の要素がなく、ルールに従って行動しているだけでよいものが中心です。

こうしたゲームは勝敗が運で決まってしまうため大人にとっては少々退屈に思えてしまいます。そのため、特に「ゲーム好き」な大人が幼児のお子さんと遊ぶ場合、戦略的なゲームばかりをチョイスしてしまう傾向があります。お子さんはルールに従うことはできるのでゲーム自体は成立するものの、戦略的な面白みは体験できていません。

こうしたことから、幼児のお子さんと遊ぶとき、大人は自分が選んだゲームがお子さんにとって難しくなりすぎないように注意する必要があります。

3月のすごろくやアナログゲーム療育講座は「幼児編」です。

毎月東京・高円寺にあるすごろくやさんで開催させていただいているアナログゲーム療育講座。

3月26日(日)は、「幼児編」として就学前のお子さんや知的な遅れや発達障害のある小学校低学年のお子さん向けに、上記で紹介した以外にもたくさんのゲームを紹介します。実際にゲームをプレイしながら学ぶことで、実践的なノウハウを身につけることができます。

講座の申込みは下記のリンクからどうぞ。毎回満席になっているので、お早目の申込みをオススメします。

3月26日(日) すごろくや アナログゲーム療育講座 幼児編

<追記アリ>放課後等デイサービス運営厳格化!どう対応する?

厚労省方針で放課後等デイサービスの運営が厳格化

新年早々、放課後等デイサービス関係者にとって、大変厳しいニュースが飛び込んできました。

放課後デイ運営厳格化 厚労省方針、不正防止図る(中國新聞)

報酬の不正取得や、質の低い事業所が後を絶たないため、運営に伴う規制を厳格化するという内容です。厳格化の時期は今年4月からと非常に早く、その内容も後述するように大変厳しいものとなっています。

<1/9追記>その後厚労省の有識者部会を経て、新しい情報が出ています。以下、赤字でアップデートされた部分を追記します。

障害児向けデイサービス、開設要件厳しく 厚労省 (日経新聞)

以下、厳格化の内容と、その対応について考えてみたいと思います。

 

①職員の資格要件厳格化

放課後等デイサービスの職員の資格要件厳格化について、以下のように書かれています。

  • 「児童指導員」や保育士、障害福祉経験者の配置を条件とし、職員の半数以上を児童指導員か保育士とする基準も設ける。

ここでいう「児童指導員」の資格要件は下記のようになっています。

  • 地方厚生局長等指定の児童福祉施設職員養成学校を卒業
  • 社会福祉士
  • 精神保健福祉士
  • 学校教育法規定の大学または大学院で社会福祉・心理・教育・社会のいずれかに関する学部・研究科・学科・専攻を卒業
  • 小学校・中学校・高等学校のいずれかの教諭の免許状取得(学校種や教科は不問)
    児童福祉施設での実務経験者(高卒以上2年、その他3年)

これは人材確保、特にパートタイム職員の確保を考えると、かなり厳しい条件です。

多くの放課後等デイでは、パートタイム職員を雇って子どもたちとの関わってもらっていると思います。その主力を担ってきたのが、子育てが一段落した「主婦」と大学で教育学や心理学を学ぶ「学生」でした。上記の厳格化が実施されると、こうした主婦と学生の多くが条件に該当しなくなります。

その結果、こうした人達の中に優秀で意欲のある人材がいても、要件を満たしていないため採用できないことが考えられます。

<1・9追記>

  •  新基準では、事業所に配置する職員を児童指導員や保育士、障害福祉サービスの経験者に限定する。

との日経報道。未経験者の採用はできないという条件が明確になった形です。

 

②「児童発達支援管理責任者」要件の厳格化

各事業所に一人配置することが義務付けられている「児童発達支援管理責任者(児発管)」については、「障害児・者や児童分野での3年以上の経験が必須」とあります。

従来は福祉分野での経験が5年あることが児発管の要件でしたが、この要件に代わる形なのか、両者の条件を同時に満たさなければならないのかは記事中からはわかりません。

いずれにせよ、児発管がいなければ事業所が運営出来ないのですから、①と同じかそれ以上に厳しい条件であると言えるでしょう。

 

 

不正防止やサービス品質向上に繋るかは疑問

こうした職員の資格要件の厳格化は残念ながら、不正防止やサービス品質の向上に繋らないのではないかと私は思っています。

まず報酬を過剰申告するなどの不正は、そもそも経営モラルの問題で、職員の資格要件とは関係ありません。厳格化の内容の中には「運営指針の遵守と自己評価結果の公表も義務付け」とありますが、これも性善説に基づいた対策で、そもそも不正を働いている事業所が「ウチは不正を働いています」という自己評価結果を公表するはずがありません。不正を防ぐには行政が監査に入る回数を増やし、罰則を強化するしか無いと思います。

デイで働く職員の資格要件を厳しくすればサービス品質の向上に繋るという考え方にも疑問が残ります。たしかに、障害児・者と関わった経験がある人は、全くの未経験者に比べればお子さんとの接し方の部分で一日の長があるかもしれません。

しかし、私が複数の事業所を見た経験からすると、デイの質の優劣は、個々の職員の経験より、事業所として子どもの発達段階にあわせた豊富なプログラムを用意できているかどうかに大きく左右されます。放課後等デイサービスには小学生から高校生まで、様々な障害特性を持ったお子さんがやってきます。その子達が毎日安全に楽しく過ごせ、それでいて発達を促せるような豊富なプログラムと、それを実現するために必要な教材を揃え研修を実施したりマニュアルを用意することが一番むずかしいのです。それができないので、上記記事中にもあるように「テレビを見せるだけ」という残念な事になってしまうのです。

これらのことから、今回の厳格化は、不正防止の点でも質の向上という点でも的の中心を外していると言わざるを得ません。

 

提言:「監査強化」と、「”事業所プログラム計画書”の作成と公表」

では、制度レベルでどうすれば放課後等デイサービスの不正防止やサービスの質の向上を果たせるのか、考えてみました。

まず、不正を防ぐには先にのべたように、行政が監査に入る回数を増やし、罰則を強化するしか無いと思います。

第二に、質の向上については、発達段階にあわせたプログラムの用意が肝要だと思います。もっと踏み込んでいえば、プログラムを用意せず単にお子さんをお預かりするだけの放デイは認めない、という方針を明らかにすべきだと思います。

プログラムは必ずしも療育的成果を求めるものでなくともよいのです。しかし、障害のあるお子さんが、集団で安全に楽しく過ごせるためには、無計画であってはいけません。お子さんの発達段階や興味にあわせたアクティビティを設定し、そこにあわせた機材や道具の用意、そしてスタッフ側の事前準備が欠かせないのです。

これを確実におこなうため、各事業所は毎日どんなプログラムを実施するのかを計画書を作成し、これを行政に報告し、一般にも公表するよう義務付けることを提言します。デイの利用を希望する保護者は、その事業所がどんなプログラムを行っているのか、他事業所の計画と比較しながら見られるようにするのです。

そうすれば、1日中「テレビをみる」というプログラムを設定する事業所はないでしょうし、仮にあったとしても誰も利用しようと思わないはずです。

 

放課後等デイサービス経営者・管理者の対応は?

この厳格化が実施された場合、人材確保が今以上に困難になることは確実でしょう。

そこへの対応として、当たり前ですがまずは今いるスタッフが気持ちよく長く働いてくれる環境を作ることが重要だと思います。そうすることで、組織内で児発管や経験のある職員を育てあげていくことが、長い目でみれば最良の人材確保戦略になると思います。

しかし放デイが他の事業と異なるのは、売上上限が決まっているために給与面でのインセンティブを用意しにくい点です。そのため、日々の関わりの中で教室を利用しているお子さんが笑顔で過ごし、成長を感じられることが職員自身にも伝わり、一人の指導者・支援者として自身も成長できているという実感を持てることが、長く働くモティベーションにつながるのではないでしょうか。

つまり、結局のところは事業所が提供するサービスの質を高めることが、職員が長く働くモティベーションを高めることにも繋るのではないかと考えます。

そのきっかけとして、事業所の総力を結集して質の高いプログラムを作り、先に制度面での提言で挙げた「事業所プログラムの公表」をまずは事業所レベルで率先して行うことをご提案したいと思います。

質の高いプログラムを実施しているというブランドが地域で確立できれば、その事業所は利用者だけでなく、職員候補者にとっても魅力的に映るはず。人材確保の困難も克服できるのではないかと思います。

 

今後の講演予定:

 

1/14(土) すごろくや 学童編② 満席になりました

1月15日(日) 静岡 『中高生〜大人編 就労に必要なコミュニケーション力を身につける』

2月19日(日) 「ゲーム療育講座:就労訓練編」 東京高円寺 すごろくや