発達障害のある大人の方の状態像と対応

すごろくや講座5/21は中高生・大人編です

昨日のすごろくやアナログゲーム療育講座「学童編」はおかげさまで定員一杯のご参加をいただき、好評のうちに終了しました。

次回5月21日(日)は、「中高生・大人編」です。こちらはまだお席があります。お申込みは下記のサイトから。ご参加をお待ちしています。

 

発達障害のある成人の複雑な状態像

「中高生・大人編」の開催に先立ち、発達障害のある成人の方がどんな状況にあるのかを整理してみたいと思います。

私は現在、四ヶ所の通所施設で、定期的にアナログゲームを使ったコミュニケーション訓練を行っています。こうした施設には、社会参加の意欲はありながらも、障害その他の事情で就職が難しい方が通われています。

こうした方々の状態像を整理していくと、大きく三つのタイプに分けられます。

  1. 朗らかで人付き合いもよく、一見して障害の存在が見えないが、複雑なコミュニケーションや先の見通しが求められる課題において、相手の立場にたって考えたり、先の見通しの想像することの困難さが見える方々。人当たりは好いので面接は通るが、就労継続が難しく職を転々としている場合が多い。     
  2. 過去にいじめや強い叱責を受けたことが原因で、人との関わりに不安があったり、自己肯定感が低いなどの、心理的な課題を抱える方々。第一印象として暗さや気弱さが目立ちます。他方で、業務遂行能力は高いことが多く、安心できる環境ではパフォーマンスを発揮できる可能性が高いです。
  3. 能力面、心理面共に大きな課題はないが、体調が不安定で通所が難しい方々。朝起きられない、不定期に休むなどで規則正しく通所すること自体が難しい。就労継続の難しさが予想されます。

こうしてまとめてみると、障害特性だけでなく心理面、健康面でも課題を抱える方が多く、全体として子どもより複雑な状態像を呈していることがわかります。

写真は奈良の就労移行支援施設「ぷろぼの高の原事業所」さんでの実践。スカイプを使って遠隔で就労訓練を行うという他にない試みを行っています。(施設・利用者様双方の了解を得て写真を掲載しています)

 

アナログゲームでどんなアプローチができるか

アナログゲームで就労訓練を行った時、上記の3タイプの中で、最も顕著な変化が見られるのは2の心理面の課題を抱える方々です。人前で自分の話をしたり、他の人と関わるようなプログラムへの参加に抵抗感を感じる方が多いですが、ゲームであれば自分が何をすれば良いのか明確なので参加のハードルが低くなります。

そしてゲームを楽しむ過程で不安感が払拭されると、表情が和らぎ、積極的な発言も聞かれるようになります。こうして人と関わる自信がついたことで、他の自己開示的なプログラムに参加したり、地域活動に関われるようになったケースがあります。

3の体調面に不安を抱える方は、一見ゲームではどうにもならないと思われるかもしれませんが、実は意外な形で貢献ができることがわかってきました。「ゲームが楽しいから」という理由で、朝起きられなかった人が頑張って起きて午前中のプログラムに参加できるようになったり、来所頻度が不安定だった人が安定して通えるようになることがあるのです。

体調管理の問題は、視点を変えれば日々の安定した生活習慣をどう築くか、という問題です。通所施設としてアプローチするのが非常に難しいのです。その難しい問題に「楽しさ」というゲームならではの強みで貢献できることは、大きな発見でした。

1の、複雑なコミュニケーションや計画的な行動に課題を抱える方々へのアプローチは、最も難しいです。こうした方々には、発達障害の特性や軽度の知的な遅れの影響が強く伺われます。子どもの場合であれば、発達段階にあわせた療育をすることでゆっくりながらも発達を望めるのですが、大人の場合はそうもいかず「できることはできるが、できないことはできないまま」という形になりがちです。

しかし、子どもにはない大人の方の強みは、自らの課題を客観的に理解し、改善のための工夫を行えるということです。たとえば、ADHD的な集中困難がある方で、度々ルールの聞き漏らしがあり、プレイ中に誤った判断をする原因になってしまっている方がいました。その方は工夫して、ルールをメモ帳に書きとめるようにした結果、ルールの勘違いがなくなりプレイ中も間違いのない判断ができるようになりました。これは明らかに就労につながる成長だと思います。

療育とはちがった大人の就労訓練

このように、大人の就労訓練は子どもの療育と通じる部分はありつつも、また違った考え方やアプローチが必要になってきます。講座ではこのあたりを様々なゲームの紹介・体験を混じえてお伝えしたいと思います。

 

 

アナログゲーム療育講座~5月は学童編、中高生・大人編です

5月は二本立て

東京・高円寺で開催のすごろくやアナログゲーム療育講座。

次回5月は7日(日)の学童編、21日(日)の中高生・大人編の二本立てです。

お申込みは下記のすごろくやさんウェブサイトからどうぞ。

改めて講座内容を解説!

毎回好評をいただいているすごろくやのアナログゲーム講座ですが、その具体的な内容についてご紹介しましょう。

全ての講座は3時間の内容となっています。そのうちの大まかに半分が講義、半分がゲーム体験です。

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前半は講義中心。心理学者ピアジェの認知発達理論に基いて、子どもと大人の思考の違いについてわかりやすく説明します。(写真は3月の「幼児編」)

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療育で用いるゲームを実際にプレイできることがこの講座の特徴です。楽しいゲームばかりなので歓声があがりますが、参加者の中からは「これは教室で使えるね」「あの子に良さそう」といった声も聞かれ、療育実践を意識されていることが伝わってきます。

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ゲームの中で、判断に迷う部分、うっかり間違えてしまう部分にこそ、指導のポイントがあります。単にプレイするだけではなく、療育につなげる視点や言葉がけを解説しています。

どんな人が参加しているの?

発達障害のある子と関わる様々な立場、職種の方が参加されています。

幼児編:保育士 幼稚園教諭 児童発達支援事業指導員 

学童編: 特別支援学校教員 通級指導教室教員 放課後等デイサービス職員 学童職員 児童館職員

中高生・大人編:就労移行支援施設職員 生活訓練施設職員 職業カウンセラー 一般企業の人事担当

また、各年代を通じて、地域の相談機関で働く心理職の方、そして発達障害のあるお子さんを育てる保護者の方が参加されています。

どんなゲームがあるの?

各講座では、2~4種類ほどのゲームを体験いただいています。どんなゲームをプレイするかは各講座の募集ページに書いてありますので、ご覧ください。

(なお、講座の時間配分やゲームの入荷状況によって予定通りの内容にならないこともありますのでご了承ください。)

 

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各年代ごとの療育目標にあわせたゲームを体験いただいています。

体験するもの以外にも様々なゲームをご紹介します。講座でご紹介したゲームは、講座の終了後すぐにすごろくやさんで購入できますので、翌日から実践に生かすことができます。

みなさんの参加をお待ちしております!

幼児期のアナログゲーム選びのポイント

 幼児向けゲームのリストを制作!

アナログゲーム療育で用いている幼児向けゲームのリストをすごろくやさんにまとめていただきました。

このリストは、下記のような基準で選んでいます。

  • 幼児、または知的障害や自閉症を伴う小学校低学年のお子さんの認知・思考の発達段階に見合うもの
  • 上記の範囲内で、比較的幅広い発達段階のお子さんに適用できるもの

みなさんの指導・関わりの参考になれば幸いです。

幼児期のゲーム選びのポイント

幼児(または知的な遅れのある)お子さんが発達段階にあわせたゲームで遊ぶことで、言葉や数の理解を促したり、集団の中でルールを守って遊ぶことを学んでもらうことができます。

他方、幼児のお子さんの物の見方や考え方は、様々な点で大人と異なっています。この点を理解しておくことで、幼児のお子さんと楽しく遊び、療育としても成果を出しやすくなります。以下、ゲーム選びや関わり方のポイントを解説します。

見た目や音、感触で興味をひくゲームを

言葉や思考が発達途上にある幼児期のお子さんは、見た目や音、感触といった、感覚に訴えるゲームにより強い興味を感じます。これは、言葉のない2歳以前のお子さんや、知的障害を伴う自閉症をお持ちのお子さんについては特にあてはまります。

こうしたお子さんの場合、ゲームに誘ってもすぐには参加してくれない事が多いです。しかし、ゲームに使うボードや道具が立体的だったり、色鮮やかで触ってみたくなるようなゲームを選ぶと、興味を持って参加してくれる可能性が高くなります。

たとえば、上記リスト内の「マイファーストゲーム・フィッシング」は磁石で魚を釣る時の「パチン!」という音と感触が子どもたちの興味を強く惹きます。

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こちらのスティッキーもオススメです。

幅広い発達段階のお子さんたちを一つの集団で療育 「スティッキー」

まずはゲームを触らせてみる

5,6歳ともなれば言葉の扱いや思考も発達していますが、それでも大人に比べれば見た目や触感への興味がまだ強く残っています。

そのため、この年代の子どもたちは、大人がルールを説明しているときに、話を聞かずに目の前のコマやボードをいじくりまわしてしまうことがあります。

こういうときはルールを説明するより先に、ゲームのコマやボードに自由に触れる時間を2~3分取ってあげます。こうしてお子さんの感覚的な興味を充分満たしてあげた後でルール説明を始めれば、集中して聞くことができます。

戦略的思考はまだ難しい

幼児のお子さんは、ルールに従ってゲームをプレイすることはできますが、「AとB、どちらの選択がより勝利に近いか」といった風に、戦略的に考えてより望ましい選択を選ぶことが難しい場合が多いです。

そのため、幼児のお子さんに用いるゲームは、判断や選択の要素がなく、ルールに従って行動しているだけでよいものが中心です。

こうしたゲームは勝敗が運で決まってしまうため大人にとっては少々退屈に思えてしまいます。そのため、特に「ゲーム好き」な大人が幼児のお子さんと遊ぶ場合、戦略的なゲームばかりをチョイスしてしまう傾向があります。お子さんはルールに従うことはできるのでゲーム自体は成立するものの、戦略的な面白みは体験できていません。

こうしたことから、幼児のお子さんと遊ぶとき、大人は自分が選んだゲームがお子さんにとって難しくなりすぎないように注意する必要があります。

3月のすごろくやアナログゲーム療育講座は「幼児編」です。

毎月東京・高円寺にあるすごろくやさんで開催させていただいているアナログゲーム療育講座。

3月26日(日)は、「幼児編」として就学前のお子さんや知的な遅れや発達障害のある小学校低学年のお子さん向けに、上記で紹介した以外にもたくさんのゲームを紹介します。実際にゲームをプレイしながら学ぶことで、実践的なノウハウを身につけることができます。

講座の申込みは下記のリンクからどうぞ。毎回満席になっているので、お早目の申込みをオススメします。

3月26日(日) すごろくや アナログゲーム療育講座 幼児編

<追記アリ>放課後等デイサービス運営厳格化!どう対応する?

厚労省方針で放課後等デイサービスの運営が厳格化

新年早々、放課後等デイサービス関係者にとって、大変厳しいニュースが飛び込んできました。

放課後デイ運営厳格化 厚労省方針、不正防止図る(中國新聞)

報酬の不正取得や、質の低い事業所が後を絶たないため、運営に伴う規制を厳格化するという内容です。厳格化の時期は今年4月からと非常に早く、その内容も後述するように大変厳しいものとなっています。

<1/9追記>その後厚労省の有識者部会を経て、新しい情報が出ています。以下、赤字でアップデートされた部分を追記します。

障害児向けデイサービス、開設要件厳しく 厚労省 (日経新聞)

以下、厳格化の内容と、その対応について考えてみたいと思います。

 

①職員の資格要件厳格化

放課後等デイサービスの職員の資格要件厳格化について、以下のように書かれています。

  • 「児童指導員」や保育士、障害福祉経験者の配置を条件とし、職員の半数以上を児童指導員か保育士とする基準も設ける。

ここでいう「児童指導員」の資格要件は下記のようになっています。

  • 地方厚生局長等指定の児童福祉施設職員養成学校を卒業
  • 社会福祉士
  • 精神保健福祉士
  • 学校教育法規定の大学または大学院で社会福祉・心理・教育・社会のいずれかに関する学部・研究科・学科・専攻を卒業
  • 小学校・中学校・高等学校のいずれかの教諭の免許状取得(学校種や教科は不問)
    児童福祉施設での実務経験者(高卒以上2年、その他3年)

これは人材確保、特にパートタイム職員の確保を考えると、かなり厳しい条件です。

多くの放課後等デイでは、パートタイム職員を雇って子どもたちとの関わってもらっていると思います。その主力を担ってきたのが、子育てが一段落した「主婦」と大学で教育学や心理学を学ぶ「学生」でした。上記の厳格化が実施されると、こうした主婦と学生の多くが条件に該当しなくなります。

その結果、こうした人達の中に優秀で意欲のある人材がいても、要件を満たしていないため採用できないことが考えられます。

<1・9追記>

  •  新基準では、事業所に配置する職員を児童指導員や保育士、障害福祉サービスの経験者に限定する。

との日経報道。未経験者の採用はできないという条件が明確になった形です。

 

②「児童発達支援管理責任者」要件の厳格化

各事業所に一人配置することが義務付けられている「児童発達支援管理責任者(児発管)」については、「障害児・者や児童分野での3年以上の経験が必須」とあります。

従来は福祉分野での経験が5年あることが児発管の要件でしたが、この要件に代わる形なのか、両者の条件を同時に満たさなければならないのかは記事中からはわかりません。

いずれにせよ、児発管がいなければ事業所が運営出来ないのですから、①と同じかそれ以上に厳しい条件であると言えるでしょう。

 

 

不正防止やサービス品質向上に繋るかは疑問

こうした職員の資格要件の厳格化は残念ながら、不正防止やサービス品質の向上に繋らないのではないかと私は思っています。

まず報酬を過剰申告するなどの不正は、そもそも経営モラルの問題で、職員の資格要件とは関係ありません。厳格化の内容の中には「運営指針の遵守と自己評価結果の公表も義務付け」とありますが、これも性善説に基づいた対策で、そもそも不正を働いている事業所が「ウチは不正を働いています」という自己評価結果を公表するはずがありません。不正を防ぐには行政が監査に入る回数を増やし、罰則を強化するしか無いと思います。

デイで働く職員の資格要件を厳しくすればサービス品質の向上に繋るという考え方にも疑問が残ります。たしかに、障害児・者と関わった経験がある人は、全くの未経験者に比べればお子さんとの接し方の部分で一日の長があるかもしれません。

しかし、私が複数の事業所を見た経験からすると、デイの質の優劣は、個々の職員の経験より、事業所として子どもの発達段階にあわせた豊富なプログラムを用意できているかどうかに大きく左右されます。放課後等デイサービスには小学生から高校生まで、様々な障害特性を持ったお子さんがやってきます。その子達が毎日安全に楽しく過ごせ、それでいて発達を促せるような豊富なプログラムと、それを実現するために必要な教材を揃え研修を実施したりマニュアルを用意することが一番むずかしいのです。それができないので、上記記事中にもあるように「テレビを見せるだけ」という残念な事になってしまうのです。

これらのことから、今回の厳格化は、不正防止の点でも質の向上という点でも的の中心を外していると言わざるを得ません。

 

提言:「監査強化」と、「”事業所プログラム計画書”の作成と公表」

では、制度レベルでどうすれば放課後等デイサービスの不正防止やサービスの質の向上を果たせるのか、考えてみました。

まず、不正を防ぐには先にのべたように、行政が監査に入る回数を増やし、罰則を強化するしか無いと思います。

第二に、質の向上については、発達段階にあわせたプログラムの用意が肝要だと思います。もっと踏み込んでいえば、プログラムを用意せず単にお子さんをお預かりするだけの放デイは認めない、という方針を明らかにすべきだと思います。

プログラムは必ずしも療育的成果を求めるものでなくともよいのです。しかし、障害のあるお子さんが、集団で安全に楽しく過ごせるためには、無計画であってはいけません。お子さんの発達段階や興味にあわせたアクティビティを設定し、そこにあわせた機材や道具の用意、そしてスタッフ側の事前準備が欠かせないのです。

これを確実におこなうため、各事業所は毎日どんなプログラムを実施するのかを計画書を作成し、これを行政に報告し、一般にも公表するよう義務付けることを提言します。デイの利用を希望する保護者は、その事業所がどんなプログラムを行っているのか、他事業所の計画と比較しながら見られるようにするのです。

そうすれば、1日中「テレビをみる」というプログラムを設定する事業所はないでしょうし、仮にあったとしても誰も利用しようと思わないはずです。

 

放課後等デイサービス経営者・管理者の対応は?

この厳格化が実施された場合、人材確保が今以上に困難になることは確実でしょう。

そこへの対応として、当たり前ですがまずは今いるスタッフが気持ちよく長く働いてくれる環境を作ることが重要だと思います。そうすることで、組織内で児発管や経験のある職員を育てあげていくことが、長い目でみれば最良の人材確保戦略になると思います。

しかし放デイが他の事業と異なるのは、売上上限が決まっているために給与面でのインセンティブを用意しにくい点です。そのため、日々の関わりの中で教室を利用しているお子さんが笑顔で過ごし、成長を感じられることが職員自身にも伝わり、一人の指導者・支援者として自身も成長できているという実感を持てることが、長く働くモティベーションにつながるのではないでしょうか。

つまり、結局のところは事業所が提供するサービスの質を高めることが、職員が長く働くモティベーションを高めることにも繋るのではないかと考えます。

そのきっかけとして、事業所の総力を結集して質の高いプログラムを作り、先に制度面での提言で挙げた「事業所プログラムの公表」をまずは事業所レベルで率先して行うことをご提案したいと思います。

質の高いプログラムを実施しているというブランドが地域で確立できれば、その事業所は利用者だけでなく、職員候補者にとっても魅力的に映るはず。人材確保の困難も克服できるのではないかと思います。

 

今後の講演予定:

 

1/14(土) すごろくや 学童編② 満席になりました

1月15日(日) 静岡 『中高生〜大人編 就労に必要なコミュニケーション力を身につける』

2月19日(日) 「ゲーム療育講座:就労訓練編」 東京高円寺 すごろくや

12月・1月のアナログゲーム療育講座

12月・1月は静岡・東京で開催!

12月・1月のアナログゲーム療育講座のご案内です。

静岡では、11月から3回連続でアナログゲーム療育講座を行っています。先日行った幼児編は大好評のうちに終わりました。

残る2回は、12月4日(日)の学童編、1月15日(日)の中高生~大人編となります。

この講座では、ピアジェの認知発達段階論をベースに、考える力やコミュニケーション能力を練習できるゲームを紹介しています。講義に加え実際にゲームを体験しながら学ぶわかりやすい講座です。

過去の参加者の方からは

「療育の軸となる考え方を身につけられた」

「これまでも療育にゲームを取り入れていたが、その意義を理論的に理解できた」

などの感想をいただきました。

いずれもまだ残席があります。下記のリンクから、お申込みをお待ちしています。

12月4日(日) 『学童編 客観的思考とコミュニケーションスキルを身につける』

1月15日(日) 『中高生〜大人編 就労に必要なコミュニケーション力を身につける』

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1/14(土) すごろくや 学童編②

発達障害のある小中学生のお子さんと関わる、支援者・保護者の方を対象とした新しい講座です。学童期の課題である「客観的思考の獲得」「他者視点の獲得」について、ピアジェの認知発達理論をもとに、ゲーム体験を混じえて説明します。

学童編はこれまでも開催して好評をいただいていますが、この講座で体験するゲームは全て一新します。「与えられた役割を正しく演じる」「相手をよく観察する」などの練習ができるゲームを紹介します。

<おかげさまで満席になりました>

 

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11/19 すごろくや協力ゲーム講座を開催!

すごろくやさんで毎月開催しているアナログゲーム療育講座。おかげさまで大好評をいただいています。

これまで、主に幼児編・学童編・大人編と年齢にわけて基礎的な理論と代表的なゲームをご紹介してきましたが、11月・12月はテーマを絞り、今までご紹介できなかったゲームを取り上げます。

11月19日(日)の次回講座は、アナログゲーム療育の花形とも言える「協力ゲーム」の講座です。お申込みは下記のリンクからどうぞ。

11/19 ゲストMC企画イベント:松本太一さん「協力ゲーム講座」

 

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今回のテーマは「協力ゲーム」

ゲームと言えば、勝敗や優劣を競うものが多いですが、プレイヤー同士が協力しあって一つのゴールを目指すジャンルがあり、「協力ゲーム」と呼ばれます。

「協力ゲーム」では、普通のゲームと違ってプレイヤー同士がお互いの手の内を隠す必要がなく、自由にアドバイスし合えるため、コミュニケーションの総合的な練習としてアナログゲーム療育の中でも重要な役割を果たしています。

また、プレイヤーの年齢や能力に差があっても、お互い助け合いながらプレイすることで全員が楽しめるのも協力ゲームの魅力です。今回の講座も対小学校低学年のお子さんのコミュニケーション療育から、社会人の人事研修として使える内容までを幅広く含みます。

みなさんの参加をお待ちしております!

古代文明のテーマにした美しいアートワークが子どもたちの冒険心をかきたてる。

協力ゲームの代表格「禁断の砂漠」。こちらは残念ながら売り切れ中なので、同じ作者による新たな協力ゲームを紹介予定です。

 

静岡でアナログゲーム療育講座が開催されます

大好評につき第2期を開催!

今年の6月から9月にかけて行われた全3回の静岡アナログゲーム療育講座。

大好評につき11月から第2期を初めます。

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前回の感想から・・

「発達障害のある子どもを持つ親にとっては指針となる内容でした。」

「子どもの認知特性の段階に合わせた課題、何がボトルネックになりやすいかなど、総合的に知ることができました」

など、ありがたい感想を頂いています。

前回よりも理論面でも実践面でもパワーワップした内容になる予定です。

お申込みは主催のspiel-bandeさんのサイトからどうぞ。

http://www.spiel-bande.org/blog/


前回は早々に定員に達してしまったので、早めのお申込みをおすすめします。ご参加お待ちしています!

【放課後等デイサービス】子どもの言いなりになってしまう指導員のマネジメント

子どもと上手く関われない指導員のパターン

放課後等デイサービスにおいて、お子さんと上手く関われない指導員のタイプは大きく2つにわかれます。

  1. お子さんの発達段階や心情を踏まえず、高圧的な態度で一方的な指示や注意を繰り返してしまう
  2. お子さんの言いなりになってしまい、プログラムへの参加を促せなかったり、問題行動をを止められない

これまでの経験では、1つ目の高圧的なタイプは比較的改善が見込みやすいです。こうした態度はあからさまにお子さんの反発を招くため、指導者からも管理者からも問題として認識されやすく、そういった意味では対策を施しやすいのです。

対応が難しいのは、むしろ2つめのお子さんの言いなりになってしまうケースです。なぜなら、お子さんは教室のルールを守ることを求める指導員よりも、自分が何をしても許してくれる指導員のそばにいることを好むからです。そのため、子どもの言いなりになる指導員はしばしば「自分は子どもから慕われている」と勘違いしてしまいます。こうなると簡単に改善はできません。

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子どもに誤学習させてしまう指導員

お子さんの言いなりになる指導員は、表面的にはお子さんから慕われているように見えても、本当の意味での信頼は得られていません。その証拠に、このタイプの指導員は常にお子さんの暴力・暴言の対象になります。「この先生なら叩いても悪口言っても叱られないだろう」と思われているのです。実際その通りなので暴力や暴言を受けてもそれを止めることができません。

それを放っておくわけにも行かないので、やむなく他の指導員がその子の対応に入ることになります。1人の子に2人の指導員が関わることになるため、その分他の子へのケアが手薄になります。

このことからもわかるように、子どもの言いなりになる指導員の存在は、他の指導員も巻き込んで教室運営を困難にさせる上、何よりお子さんに「相手次第で暴言や暴力を振るっても構わない」と誤学習をさせてしまう点で極めて大きな問題であると言わざるを得ません。

しかし、こうした指導員に管理者が「子どもの言いなりになるな」と頭ごなしに指示しても納得し難く、かえって反発を招くことがあります。先に述べたように、指導員自身は「自分は子どもから慕われている」と思い込んでいることが多いため、こうした指示を「子どもに良かれと思ってやっていることを否定された」と受け止めてしまうからです。

こうした理由から、高圧的な態度の指導員に比べ、子どもの言いなりになる指導員のマネジメントはずっと難しいです。管理者として無理に指示を押し通そうとすれば、関係が壊れかねません。

施設の目的とルールを明示すること

この問題を本当に解決しようとすれば、一旦指導員のマネジメントという視点から離れ、より大きな視点で考える必要があります。つまり、施設の目的とルールを考えます。

  • 私たちはお子さんに何を提供しようとしているのか
  • それを提供するためにどんな仕組みを用意するのか

「お子さんの言いなりになる指導員」は、この二点が明らかになっていないときに生まれてきます。

言い換えれば、「お子さんの言いなりになる指導員」の問題は、施設としての目的を明確にできていない経営者の問題であり、その目的を実現する仕組みを構築できていない管理者の問題でもあります。

従って、「子どもの言いなりになる指導員」にお困りの経営者の方は、下記の点をチェックする必要があります。

  • 施設の目的を文章化できていますか
  • その目的は自分が雇用している人全てに浸透していますか。
  • なにより、経営者であるあなた自身がその目的を心から追求していますか

また、目的を実現する仕組みを作る管理者は下記の点をチェックする必要があります。

  • お子さんの来所から退所までの指導員の動きについて、文章化されていますか
  • トラブルへの対応の原則について、文章化されていますか
  • 問題行動を繰り返す特定のお子さんについて、指導員の間で対応方針は一本化されていますか
  • 上記の内容を話し合うための、充分な研修やフィードバックの時間が取れていますか

上記のポイントをきちんと抑えていれば、経営者や管理者がお子さんの言いなりになる指導員」対して「私たちでこういう目的のもと、こういう仕組みでお子さんと関わっている。あなたもそのようにやっていただけないかと話ができます。

その結果、指導員がそれを受け入れてくれるにせよ、受け入れてくれないにせよ(この場合その指導員は施設を去ることになるでしょう)、お互いが納得の行く話し合いができ、具体的な化改善に繋がります。

 

以下、10月の講座のお知らせです。

10月9日(日) 「アナログゲーム療育講座 中高生~大人編」

就職を見据え、組織で働く上で求められる「状況にあわせた臨機応変なコミュニケーション能力」の獲得を目指す指導をお伝えします。

他者の考えや場の状況に積極的な関心を持ち、自分がどう動けばよいか主体的に判断することを学ぶために、アナログゲームは最適のツールです。職業訓練や企業研修の経験を踏まえた、実践的な講座です。

発達障害のある中高生の支援、成人の支職業訓練に関わる方だけでなく、発達障害と関係がなくと人事研修や採用に関わる方に参加いただきたい講座です。

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奈良の就労移行支援施設「ぷろぼの」でのスカイプを使った遠隔職業訓練の様子。アナログゲームを通じて、その方が就職する上での強みと課題が見えてきます。

10月10日(月・祝) 「アナログゲーム療育講座 学童編(再)」

9月11日の講座と同様の内容です。

小学校入学以降に身についてくる「客観的思考力」や「コミュニケーション能力」にアプローチする内容です。今まで教え方がハッキリしてこなかったこうした能力に、ピアジェの認知発達理論とアナログゲームを通じて、明確な定義と実践的な指導法を与える内容となっています。

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【放課後等デイサービス】個別支援計画の書き方

療育の指針を示す個別支援計画

「個別支援計画」は、放課後等デイサービスが提供する発達支援の内容と目標を記載するもので、お子さんの利用開始時に作成し、以後6ヶ月ごとの更新が義務付けられています。

また、「個別支援計画」は、指導員にとっては何を目標として日々その子と関わっていくかを示す指針であり、また6ヶ月後の更新時にそれまでの発達支援の成果を測る基準ともなります。

言うまでもなく重要な書類ですが、放デイ経営者の方からは「現場から上がってくる個別支援計画書のレベルが低い・・・」とのお悩みをいただきます。

どうすれば質の高い個別支援計画を作れるのでしょうか。実例を交えて説明します。

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作成に頭を悩ませている児童発達管理支援責任者の方も多いのでは・・・。

目標は行動レベルで記載する

個別支援計画には決まったフォーマットはありませんが、たいていの場合、長期目標を1~2個、短期目標を3~4個設定します。

長期目標の記載でしばしばみられるのが「教室に慣れ、楽しく過ごす」といった曖昧な目標設定です。「慣れる」「楽しむ」といった主観的な表現では目標がどの程度達成できたのか客観的に評価できません。

このような主観的で曖昧な表現は、行動ベースの表現に書き換えることで、客観的かつ具体的な評価が可能になります。たとえばこのように書き換えます。

  • 「教室に慣れ、楽しく過ごす」⇒「教室のプログラムに初めから終わりまで参加する」

「慣れる」「楽しく」といった主観的な内容を、「プログラムに初めから終わりまで参加する」という具体的な行動に置き換えました。

このような行動ベースの目標であれば、その達成度は客観的に評価できます。たとえば、ゲームには意欲的に参加するが学習は嫌がって参加しないなら、上記の目標は一部しか達成されていないということになります。

そこから、どうすれば学習に参加してくれるのか、あるいは学習以外のプログラムを用意すべきなのか、新たな計画に向けた議論につなげていきやすいです。

達成までの見通しがつく目標を設定しよう

短期目標の設定では、長期目標と対照的に、あまりに具体的すぎる目標を設定してしまい、その目標が達成できないために後で四苦八苦するケースが多いです。

たとえば、親御さんから「ウチの子、靴紐が結べないので結べるようにしてほしいんです」という具体的な要望が出たとき、実現可能性を考えずにそのまま「靴紐を結べるようになる」という指導目標を設定してしまうようなケースです。

仮にこうした目標を設定した場合、施設側は次回計画書を更新する6ヶ月後までに「靴紐を結べるようになる指導」をその子に提供し、実際に結べるようにしなければなりません。それは本当に実現可能な目標でしょうか。

たとえば、その子に手先の不器用さがあり、ボールを上手で投げられなかったり、お箸が使えずスプーンで食事していたとしたらどうでしょう。その子に「靴紐を結ぶ」ことを教えるのはまだまだ先の話です。

また、「靴紐を結べるようになる」という目標がその子だけのものだとしたら、たった一人のためだけに独自のプログラムを設計し実行するだけのマンパワーを割くことが難しいかもしれません。

専門的なアセスメント能力と指導ノウハウがあるなら話は別ですが、そうでないなら、達成見通しがつかない指導目標を設定することは避けなければなりません。

具体的すぎる行動目標は、能力ベースの目標に置き換える

親御さんから具体的すぎる要望が出たときは、そのまま受け止めず、その行動を成り立たせている能力ベースで目標を解釈しなおします。具体的には以下のとおりです。

  • 「靴紐を結べるようになる」⇒「工作課題への取り組みを通じて手指の巧緻性を高める」

「靴紐を結べるようになる」ことを直接の目標とせず、そのために必要となる「手指の巧緻性」という能力を身につけることを目標としました。また、そのための手立てとして、工作課題に取り組むことを挙げました。

「靴紐を結ぶ」という具体的な行為から、「工作課題への取り組み」というより広い目標に置き換えたことで、たとえば折り紙を折ったり、ペーパークラフト作りではさみを使ったり、調理実習で包丁を使うといった行為も指導内容に含めることができます。こうした活動を通じて手指の巧緻性が向上し、結果として靴紐が結べるようになることを目指します(もちろん紐結び自体を指導に含めても良いです)。

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「靴紐を結べるようになる」という具体的すぎる目標を「手指の巧緻性を高める」という能力ベースの目標に読み替えることで、折り紙を導入するなど、幅広い指導の可能性を見出すことができる。

このように、あまりに具体的すぎる行動目標は、能力ベースの目標に置き換えて幅広い課題で対応できるようにしておくことで、お子さんの発達段階にあわせた柔軟な指導が展開できる上、施設が持っている教材やノウハウを適用しやすくなります。

その際も、達成目標自体は行動ベースで記載することが大切です。たとえば、短期目標に付随する手立ての欄には「曲線をはさみできれいに切ることができる」「補助がなくとも包丁で野菜を切ることができる」など、達成度が客観的に把握できる行動ベースの目標を設定することが望ましいです。

【アナログゲーム療育講座】10月のご案内

高円寺すごろくやで毎月行っているアナログゲーム療育講座。10月のお知らせです。

10月は初の講座となる「中高生~大人編」(9日)と、「学童編(再)」(10日)の二本立てです。

10月9日(日) 「アナログゲーム療育講座 中高生~大人編」

就職を見据え、組織で働く上で求められる「状況にあわせた臨機応変なコミュニケーション能力」の獲得を目指す指導をお伝えします。

他者の考えや場の状況に積極的な関心を持ち、自分がどう動けばよいか主体的に判断することを学ぶために、アナログゲームは最適のツールです。職業訓練や企業研修の経験を踏まえた、実践的な講座です。

発達障害のある中高生の支援、成人の支職業訓練に関わる方だけでなく、発達障害と関係がなくと人事研修や採用に関わる方に参加いただきたい講座です。

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奈良の就労移行支援施設「ぷろぼの」でのスカイプを使った遠隔職業訓練の様子。アナログゲームを通じて、その方が就職する上での強みと課題が見えてきます。

10月10日(月・祝) 「アナログゲーム療育講座 学童編(再)」

9月11日の講座と同様の内容です。

小学校入学以降に身についてくる「客観的思考力」や「コミュニケーション能力」にアプローチする内容です。今まで教え方がハッキリしてこなかったこうした能力に、ピアジェの認知発達理論とアナログゲームを通じて、明確な定義と実践的な指導法を与える内容となっています。

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9月の講座も引き続き募集中!

また、9月の講座も引き続き募集中です。

講座はいずれも事前予約制です。リンク先のすごろくやさんのサイトからお申し込みください。

会場でみなさんとお会いできるのを楽しみにしています!